梅雨のころからお盆の数日間を除いて
暑い夏の間は店が暇で読書だけが着実に進む。
外よりは少し涼しいめの厨房で読んでいる。
お客さんの様子を見ながらなので難しい本は読めないが、
だいたい2日~3日に1冊くらいのペースで読み散らかしている。
つまらなかったらやめて次の本を開く。
科学読み物系から、美術関連の本、
ヨーロッパやアジアやアフリカや南北アメリカの小説、
そしてサスペンスをどっさり、
ハードボイルド、法廷もの、謎解き…
サスペンスは面白いものとつまらないものとの落差が大きい。
宝探しの気分で本を選ぶのも楽しい。
サスペンスの形だけ借りたすぐれた文学に出会うこともある。
アメリカやイギリス、北欧の国々の社会事情の知識はサスペンス小説で仕入れている。
というか、それぞれの国のことを知りたければその国のサスペンス小説を読むといいと思う。
最底辺の人々の暮らしから雲の上の人々の暮らしまでがおおよそ写実的に描かれているからだ。
新聞、テレビでは報道されない様々なことを知ることが出来る。
北欧のサスペンスにははずれがなく、社会的な背景もしっかり書き込まれ、
余韻もあって気にいっている。
どんどん翻訳して出版してほしい。
翻訳ものでない小説も読みたくなってたまに現代の日本の小説も借りてくるけれど、
大抵の場合、視線が狭いというか、あいまいで、感覚至上で気がめいる。
時々詩集も読むが、詩は日本の詩人の日本語の詩を読んでいる。
心の中から直接発せられる嘘のない塊がそのまま、
その人だけの言葉になり、その人の世界を築くことが出来る詩は
小説世界とは全く別のものなんだ、と最近気付いた。
まだしばらく蝉しぐれをバックミュージックにした「読書の夏」が続きそう。