ヒサカキを知らなかった数年前、
頭が痛くなるほどきついその匂いの正体が分からず、
どこかでプロパンガスが漏れているのではないかとウロウロして、
やっとその匂いの正体を知った時はビックリしました。
その後大小のヒサカキがあちこちにあることに気が付いて、
根を掘り起こし、あるいはどんどん切って、随分取り除きました。
でも鳥が種を蒔くのでしょうか、気が付くとまたあそこにもここにも小さな苗木が。
お隣り(農業機械及農地管理会社)との境には大きなヒサカキが何本かあって、
常緑の葉が目隠しの役目も果たしているので、残しています。
今も苦手な匂いですが、ヒサカキだと分かっているので、
そしてしばらく我慢すれば花も散って匂いもおさまることがわかっているので、冷静にしていられます。
この花の数!太い枝にも細い枝にもびっしり・・・
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ヒサカキは、日本では北海道と青森以外に分布していて、
神前に供える榊として、神事や仏事にもよく利用され、
材は薪炭に、灰汁は染料や媒染材として利用された。
また、刈込に耐え日陰でも良く育つため、生け垣などに植えられることも多い、
花には強い異臭がある。
図鑑(朝日百科・植物の世界)のヒサカキの項より
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どの木でも、どんな草でも、
図鑑を開いて読んでみると、
木部が硬いので、農具や工具の柄に利用したとか、
若い葉や芽やあるいは実を食べたとか、
染料や媒染に利用していたとか
民間薬として使っていたとか、
救荒食として保存していたとか、
子どもたちが遊びの中で使ったとか・・・
昔の人は、道端に生えている草や、山の木々について、
膨大な知識(知恵)を蓄えて暮らしていたということだなーと思います。
そこには、教科書などに載っているのとは別の世界があって、
人と自然と、濃密なかかわりがあったのだと思います。
山の中に打ち捨てられた村が、かつてどんなに豊かだったか、
そのうち誰も想像もできなくなってしまうのかもしれません。