衆院選が、きょう公示されました。
出先で、起きてすぐに目にしたのが中日新聞。
帰ってきてから、届いている新聞各紙に目を通したのですが、
やっぱり、さいしょに見た中日の社説がよいですね。
ということで、ここ数日の中日新聞と東京新聞を紹介します。
そうそう、
毎日新聞の一面下の、WAVE出版からの広告に、
『最新版 市民派議員になるための本』が載っていました。
選挙が話題になって、本を手に取ってくださる人が増えて、、
市民派議員が増えるといいな。
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社説:岐路に立つ自覚持って きょう公示 2014年12月2日 中日新聞 衆院選は「安倍政治」を問う機会だ。暮らしや安全保障、原発をこの先どうするのか。私たち有権者は、岐路に立つ自覚を持ち、訴えに耳を傾けたい。 東京・内幸町の日本記者クラブにきのう、八党党首が勢ぞろいした。国政選挙前にはすっかりなじみとなった党首討論会だ。 議論の中心にいたのは安倍晋三自民党総裁(首相)である。衆院解散の理由を「消費税再増税の十八カ月延期には、かなりのエネルギーが必要だ。国民の声がなければ変更できない」と説明した。 安倍政治検証の機会 議会制度成立の歴史を振り返れば税は民主主義の根幹だ。国民の意向を無視した課税など許されない。しかし、増税でなく再増税先送りが理由の解散に、戸惑った有権者も当初は多かったのだろう。 解散表明直後の十一月十九、二十両日、共同通信社が行った全国電話世論調査では、首相の解散表明を「理解できる」と答えた人は30%にとどまり、六割以上の人が「理解できない」と答えていた。 とはいえ、衆院解散は首相の権限とされる。為政者にとって最も都合がいい時機に解散に踏み切るのが、政治の現実だ。 政権側の思惑がどこにあるにせよ、有権者にとっては安倍政治の二年間を検証し、今後の四年間を託す政権を選ぶ機会でもある。あえて前向きにとらえたい。 首相は今回の衆院選を「アベノミクス解散」と名付け、党首討論会でも「今、雇用は改善し、給料が上がり始めている。十五年間苦しんだデフレから脱却できるチャンスをつかんだ。道半ばだが、この道しかないとの確信の下、全力で前に進む決意だ」と訴えた。 過渡的現象か失政か 確かに各種統計数値を見れば、首相が主張するように、安倍政権に代わって就業者数は百万人以上増え、賃上げ率も2・07%と過去十五年間で最高だ。 大企業や富裕層を中心に、首相主導の経済政策(アベノミクス)による円安・株高の恩恵を受けている人たちもいるだろう。 問題はその中身である。 就業者数は増えても、雇用が不安定で賃金水準の低い非正規雇用の割合が増えた。物価上昇分を差し引いた実質賃金も消費税増税前から十五カ月連続でマイナスだ。 アベノミクスの果実は、国民全体、特に中小企業や地方への広がりを欠くのが実態だ。 これは、首相が言うように景気回復局面では避けられない過渡的な現象なのか、経済政策の失敗であり、別の道へと流れを変えるときなのか。生活実感を基に、各党公約の妥当性を見極めたい。 衆院選は、首相を間接的に選ぶ政権選択選挙ではある。 しかし、政権を目指すべき野党第一党の民主党の候補者が過半数の二百三十八に届かず、政権交代が現実的ではない以上、安倍内閣の政権基盤である自民、公明両党の獲得議席の増減が焦点となる。 首相は党首討論会で自民、公明両党での過半数獲得を目指すと繰り返した。解散前の三百二十六議席から九十議席近く減らしても勝ったと主張できる「勝敗ライン」である。慢心を戒めるとはいえ、あまりにも低い設定だ。 安倍政権の二年間では、国民の多数が反対するにもかかわらず、強引に進めることが続いた。 昨年十二月には特定秘密保護法の成立を強行し、今年七月には歴代内閣が堅持してきた憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。原発再稼働に向けた手続きも進む。 自公両党で過半数を獲得し、安倍政権が続けば、国民の多数が反対するこれらの政策も包括的に支持されたと解釈されかねない。 安倍政権継続の先には、自衛隊を同盟国とともに戦う国防軍と位置付ける憲法改正が視野に入ることにも留意せねばならない。 今回の衆院選が終われば二〇一六年夏の参院選まで、国民が政権を審判する機会はないだろう。安倍政権に「歯止め」をかけるのなら今しかない。私たちに必要なことは、日本の針路を決める岐路に立っているとの自覚ではないか。 投票は弾丸より強し 共同通信社の最新世論調査によると、与野党の勢力伯仲を望む人は五割を超えた。自民党「一強支配」への違和感からだろう。 しかし、棄権や浅慮の「お任せ民主主義」では政治状況を変えられない。覚醒した民意こそが権力と向き合う力になる。 手間がかかっても各党・候補の訴えを比較して投票所に足を運びたい。自分の考えに近い投票先が見当たらなければ、「よりまし」な政党・候補に託すのも一手だ。 「投票は弾丸より強し」。第十六代米大統領、エーブラハム・リンカーンの至言である。 |
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社説:政治とカネ 透明度高める努力を 2014年12月1日 中日新聞 「政治とカネ」に対する国民の目は厳しい。女性閣僚の辞任も、政治資金収支報告書への記載などが問題視されたからだ。どう透明度を高めるかが問われている。 衆院解散までは、国会は「政治とカネ」の問題で紛糾していた。小渕優子前経済産業相の政治資金疑惑と松島みどり前法相のうちわ配布問題で、二人が辞任したからだ。「女性活躍推進」を掲げていた政府にとって、女性閣僚のダブル辞任は痛手だったはずだ。この問題が解散・総選挙によって、かき消されてはいけない。 宮沢洋一経産相の資金管理団体では「SMバー」への支出があったし、望月義夫環境相や江渡聡徳防衛相をめぐっても、収支報告書の会計処理などで問題点が指摘されていた。いまだに閣僚らの政治資金がずさんに扱われている実態に驚かざるを得ない。 とくに小渕氏の場合は、既に東京地検が強制捜査に乗り出している。明治座(東京)での観劇会などで、二〇〇八年から一一年にかけての収支報告書では支出が収入を約五千五百十万円も上回るという点が疑惑となっている。 先月下旬に公表された一三年の収支報告書でも、小渕氏関係団体では収支のずれが約七百八十万円にのぼった。政治資金規正法や公職選挙法に照らして、違法性がないかどうか、徹底的に調べてもらいたい。 総務省によれば、総務相に届け出のある政治団体の収支報告書については、過去三年分にわたって、ホームページで公開されている。だが、都道府県レベルになると、インターネットでの公開はまちまちだという。国民が誰でも、いつでも閲覧できるように仕組みを変えたらどうか。 政治家には歳費のほかに、政党交付金や文書通信交通滞在費などが入る。もちろん国民の税金だ。文通費は議員一人あたり年間千二百万円が支給されるが、領収書が不要で、使途公開の義務もない。これには納得できない。 地方議員に渡される政務活動費について、最高裁は十月、一万円以下の支出も開示すべきだとの判断を示した。 「調査研究活動の自由をある程度、犠牲にしても、使途の透明性を優先させる」という考え方が基本にある。 国会議員も同じではなかろうか。「政治とカネ」の問題は政治不信の元凶になる。政治家自身が厳しくルール化してほしい。 |
厳罰化や情報公開など 「政治とカネ」各党公約 2014年11月29日 東京新聞 政治資金をめぐっては、今秋の臨時国会で閣僚らの関連団体による不透明な処理が次々と判明した。後を絶たない「政治とカネ」の問題に対処するため、主要政党はどのような対策を検討しているのか。衆院選公約を読み比べた。 閣僚らの「政治とカネ」の問題を招いた自民党の公約に対策は書かれていない。安倍晋三首相は衆院解散を表明した十八日の民放番組で、「政治とカネ」で二閣僚が辞任したことを踏まえ「私の任命責任だ。このことも含めて信を問いたい」と、衆院選で国民の審判を受ける意向を強調した。 公明党は、会計責任者への政治家の監督責任を強化する政治資金規正法改正を打ち出す。秘書らが政治資金収支報告書への虚偽記載など不正を行った場合、注意を怠った政治家は公民権を停止して失職させる厳罰化を盛り込んだ。 野党側の多くは、政治資金に関する情報公開や企業献金の禁止を目指す。 民主党は、総務省や各都道府県の選挙管理委員会が別々に公表する国会議員関連団体の収支報告書を、インターネット上で一括掲載することを掲げて「政治とカネ」の争点化を狙う。 維新の党は公約の二番目に「『政治とカネ』に終止符」を掲げる。現行では使途公開の義務がない、国会議員に支給される月額百万円の文書通信交通滞在費の公開を盛り込んだ。衆院選後、今年十月分以降の使途を公開する方針だ。 共産党は、政党助成金制度の廃止と企業団体献金の禁止を重ねて強調。社民党も企業団体献金の禁止と、収支報告書のネット上での一括公開を目指す。 次世代の党、生活の党、新党改革、地域政党の減税日本は公約に掲げていない。 ただ、次世代の山田宏幹事長は、安倍内閣の閣僚の政治資金問題について「政治倫理審査会を活用して真実を明らかにすべきだ」と主張。生活は政治資金の徹底した情報公開を訴える。 改革の荒井広幸代表は「政治資金の透明化を図るため、必要な制度改正を行う」と話す。 (新開浩) |
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