みどりの一期一会

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「権力の暴走は十分に予想しうる」秘密保護法訴訟の原告団「廃止」求める声明(全文)

2014-12-11 21:27:12 | ほん/新聞/ニュース
昨日10日から施行された「秘密保護法」、
一夜明けてマスコミがこぞって批判的な記事を
一面トップで扱うだろうと思っていたのですが・・・
どの新聞もノーベル賞授賞式の記事。
届いた5紙で社説で扱っているところはなし。

市民レベルでは、全国で反対のデモや集会が開かれています。

秘密保護法違憲東京訴訟原告団の声明に、
この法律の問題と危険性が、
簡潔に論じられていますので紹介します。

「権力の暴走は十分に予想しうる」秘密保護法訴訟の原告団「 廃止」求める声明(全文)
2014年12月10日 弁護士ドットコムニュース 

国が指定した「特定秘密」を漏らした公務員などを厳しく罰する「特定秘密保護法」が12月10日、施行された。同日、この法律は違憲だとして国を訴えているフリージャーナリストらが東京・日比谷でシンポジウムを開き、「廃止」を求める声明を発表した。

ジャーナリストらの原告団は声明で、「権力の暴走は十分に予想しうる」「ナチス政権のドイツで制定された『全権委任法』のように、憲法を超越した独裁政権の成立を許してしまう」と主張。さらに、特定秘密保護法を「稀代の悪法」と批判したうえで、「施行されたからといっても、決して手遅れではない」「断固として廃止させなければならない」と訴えている。

声明文の全文は、以下のとおり。

●「秘密保護法」違憲東京訴訟・原告団声明
秘密保護法違憲東京訴訟原告団

本日12月10日、特定秘密の保護に関する法律、いわゆる「秘密保護法」が施行されました。

この法律が違憲であるとして、施行の差し止めを求めて争ってきた我われの訴訟は、同法の施行によって揺らぐものではありません。今後も勝訴をめざして本件訴訟を継続して闘っていくことはもちろん、訴訟外においては、むしろ廃止を求める運動をさらに強めていく所存です。

「秘密保護法」は昨年12月、大多数の民意を無視した強行採決によって成立した法律です。法案成立直後に行われた世論調査では、法案に反対する意見が過半数を占めていました。

さらに本年10月には、政府が作成した「秘密保護法」の施行令および運用基準の素案に対して寄せられた約2万4000件ものパブリックコメントがほとんど無視され、施行令および運用基準は、指定基準の曖昧さなどの重大な問題を残したまま閣議決定されてしまっているのです。

「悪法」は、運用の仕方によって解釈が拡大されるなどして、その弊害が顕在化するまでに時間がかかるものです。ところが「秘密保護法」においては、成立から施行に至るまでの経緯からして、すでに、国民主権の原理に違反しています。

「秘密保護法」の施行により、まず最初に懸念されるのは、政府による恣意的な秘密指定。そして、それにともなう「報道の自由」や国民の「知る権利」の侵害などです。

さらには、安倍晋三首相による「日本を取り戻す」とのスローガンや「集団的自衛権」の名のもとに、「戦争のできる」国家体制づくりの第一歩となり得るのが「秘密保護法」です。

「特定秘密」の口実に多くの情報を隠蔽され、国民の監視の目が行き届かなくなった場合、権力の暴走は十分に予想しうることです。たとえば、ナチス政権下のドイツで制定された「全権委任法」のように、憲法を超越した独裁政権の成立を許してしまう恐れさえあります。

そうならないためにも、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法を守り、「稀代の悪法」ともいうべき「秘密保護法」を断固として廃止させなければなりません。

施行されたからといっても、決して手遅れではありません。国会議員の過半数が賛成すれば、いまからでも「秘密保護法」の廃止に向けた世論を高め、日本全国の仲間たちとともに、廃止運動を活発化させていくために全力を尽くしてまいります。
以上
(弁護士ドットコムニュース) 


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秘密法施行、やまぬ反対 うねる群衆「民主主義って何」
2014年12月11日 朝日新聞

 国民の「知る権利」や人権を脅かすおそれが指摘されたまま、動き出した特定秘密保護法。10日、東京・永田町の首相官邸前など、各地で施行反対や廃止を訴えるデモや集会が開かれた。この日、安倍晋三首相は関西で遊説。「民主主義って何だ!」の声は、主(あるじ)不在の官邸に届いたのか。

 この日午前に官邸前であったデモには約350人(主催者発表)が参加。日弁連で秘密法対策を担う海渡雄一弁護士が「これまでの抗議で問題点を多くの市民と共有できた。廃止まで戦い続けよう」と呼びかけた。東京都日野市の警備員都筑高志さん(64)は「情報統制された戦前の記憶が薄れた結果だ。廃止を求める手を緩めない」。夜は学生ら約1700人(同)が抗議の声を上げ続けた。

 「秘密保護法なんて許さない」。名古屋・栄の久屋大通公園では、市民団体「秘密保全法に反対する愛知の会」が集会を開き、ビラを配りながら訴えた。無職松原美佐子さん(66)=名古屋市守山区=は、「今回の選挙で秘密法は触れられない。政治家と国民の沈黙が信じられない」。

 大阪市中央区の自民党大阪府連前。約150人が「怒」「秘密はNO!」と書いたプラカードなどを持って並んだ。会社員の松尾孝子さん(53)=大阪市城東区=は仕事帰りに加わり、「国民に十分な情報が開示されないまま、子どもの世代で戦争が始まらないか心配」と話した。

 一方、金沢弁護士会は10日夕に金沢市内で予定していた秘密法廃止を求める活動を中止した。石川県選挙管理委員会の「活動は政治的な主義・主張に当たる」との見解を受け、選挙期間中の政治活動を禁じた公職選挙法に触れるおそれがあると判断したという。兵庫県弁護士会も、10日に予定していたビラ配りを中止した。総務省選挙課の担当者は「(選管の見解は)あくまでもアドバイスで、判断は各団体に委ねている」とする。
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 ヘイトスピーチは人種差別 在特会側への賠償命令確定 
2014年12月10日 朝日新聞

 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会員らによるヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)を人種差別と認め、在特会側に計約1200万円の賠償と街宣活動の差し止めを命じた今年7月の二審・大阪高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)が9日付の決定で、在特会側の上告を退けた。

 在特会の会員らが2009年12月~10年3月、3回にわたり、京都朝鮮第一初級学校(京都市、現・京都朝鮮初級学校)が隣接する市管理の公園を校庭として不法に占拠しているとして、同校周辺で拡声機や街宣車を使い、「朝鮮人を日本からたたき出せ」などと演説。この行為が名誉毀損(きそん)や授業の妨害行為にあたるとして、同校を運営する学校法人「京都朝鮮学園」が在特会を相手に損害賠償と街宣活動の禁止を求めて10年6月に提訴した。

 在特会側は、学校側が公園を占拠していたことに抗議する公益の目的があったと主張。「表現の自由にあたる」として争っていた。

 昨年10月の一審・京都地裁は「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図の下、在日朝鮮人という民族的出身に基づく排除で、人種差別撤廃条約が禁止する人種差別にあたる」と認定。「条約上の責務に基づき、人種差別行為に対し、被害者の効果的な保護や救済措置となるような額にするべきだ」とし、名誉毀損(きそん)訴訟としては異例の高額賠償を命じた。

 今年7月の二審・大阪高裁も「何の落ち度もない児童らが、民族的出自だけのために卑俗な攻撃にさらされた。人種差別という不条理な行為で受けた精神的被害は多大だ」と述べ、一審判断を支持した。

 在特会側が二審判決を不服として上告していたが、最高裁も主張を退けた。 


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