みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ガラスの天井:とらわれの私たち/5 性別越えた「自立教育」

2015-08-27 11:58:50 | ほん/新聞/ニュース
大きな台風が九州を直撃したので、
岐阜もぐずぐすしたお天気です。

畑に過熟で割れた西瓜がいくつかあるということなので、
いくつか持ってきてもらって皮をむいて冷蔵庫で冷やしておきました。

こうすると、かさばらなくて、
いつでも好きな時に食べられます。

黄色は、小玉西瓜です。


やっと食べたと思ったら、
また、黄色の小玉西瓜が二個、玄関に届きました。

一つは、過熟で実がやわらかいので、西瓜ジュースに、
もう一つは、生食用。
今日も冷蔵庫には、スイカが入っています(笑)。

応援クリック 人気ブログランキングへ してね 

毎日新聞のシリーズ「ガラスの天井:とらわれの私たち」。
「5性別越えた「自立教育」、とってもおもしろいです。

  ガラスの天井:とらわれの私たち/5 性別越えた「自立教育」
毎日新聞 2015年08月26日

●「生徒に必要」
 「自立して社会に参加する」
 教室前方のホワイトボードに、授業のテーマが大きく映し出された。かたわらには、等身大の赤ちゃんの写真が張られている。7月上旬、茨城県立土浦第二高校(飯塚弘之校長)=同県土浦市=の家庭科室で1年生が学期末の授業を受けていた。

 「親や家族として、乳幼児とどのように関わったらよいか話し合ってください」。女性教諭が指示する。男子生徒の一人が「男女に関係なく育児に関わる」「子育て支援の制度を調べて利用する」などの意見を述べた。ある女子生徒が「夜泣きをしたら、私が中心に世話をすると思う。そしたら、夫がホットミルクを作り、私をいたわってほしい」と話すと、笑いが起きた。

 家庭科教育に力を注ぐ同校は、授業以外にも家庭科に絡んだ学校行事を積極的に開催している。今年6月も子育て中の男女を招いて話を聞いたり、赤ちゃんに直接触れたりする機会を設けた。

 飯塚校長は「今は男性が家事・育児をするのは当たり前の時代。生徒が将来、社会人として必要とされる教育を行っている」と自負する。

 ●男性の意識変化
 戦後、新憲法は「男女平等」をうたったが、家庭科は長い間、高校では女子のみの必修、中学では男女別々で中身も異なっていた。それが中学、高校とも、男子も必修(男女共学)になり約20年たつ。扱う単元は衣食住のほか、保育や高齢化社会、生活経済など多岐にわたる。

 必修化により、家事に対する意識の変化も生じているようだ。

 花王が今年5月、既婚男性を対象に実施した「『家事シェアリング』に関する調査」によると、「そうじ」「洗濯」「洗い物」など家事の各項目の実施率について、中学・高校で家庭科(家庭分野)が必修だった世代(25〜34歳)は、そうではない世代(40〜59歳)をいずれも上回った。例えば「台所そうじ」は、必修世代は61%で、そうではない世代の39%を20ポイント以上、上回った。

 また「家事は夫婦どちらかに負担が偏らないようにしている」と答えた割合は、必修世代が63%、そうではない世代は48%にとどまった。必修世代では、妻が専業主婦の場合でも61%がリビングの掃除をすると回答しており、世代間の違いが浮き彫りになった。

 お茶の水女子大の牧野カツコ名誉教授は「近年、男女が協力し、家事や子育てをする姿が違和感なく受け止められるようになったのは、中高での男子の家庭科必修化、すなわち家庭科の男女共学化の影響が大きい」と教育効果を評価する。

 ●中絶についても
 性的役割分担の意識を乗り越えた生き方を学ぶ教育は、男女ともに必要だ。私立吉祥女子中学・高校=東京都武蔵野市=では、半世紀近くにわたり「女子の自立教育」として、性教育を取り入れてきた。1968年に社会、家庭、保健、生物の各教諭が「性教育委員会」を結成し、「『女性としての性』をどう学ぶか」を考えてきた。

 中学の公民では、ジェンダー論や生き方、働き方について学び、法律面からも解説。高校の保健では、女性器の名称や、避妊具の装着方法も学ぶ。これらの授業は「性の正しい知識を得ることは、性を科学的にとらえ、自分や他人を守る人権意識につながる」との理念で行われ、「将来、主体的に自分の生き方を選択できるように」という思いが込められている。

 人工妊娠中絶についても真正面から教え、生命を尊重し反対する立場と、女性の自己決定権を尊重して容認する立場の両方を紹介。高野弘前委員長は「一つの物事をいろいろな視点から見ることで、多様性を認め合えるようになる」と説明する。

 ●「らしさ」押し付け
 「男の子はこれくらいで泣かないよ」「面倒見がいいね、やっぱり女の子ね」

 幼少期にかけられる、こうした善意の言葉が「男らしさ、女らしさ」の刷り込みにつながることもある。

 乳幼児期のジェンダー教育を研究する、池田政子・山梨県立大名誉教授は「保育者や保護者が性別役割分担意識にとらわれている場合も多く、無意識のうちに子どもにその意識を植え付けてしまう」と指摘する。

 同県中央市の「まみい保育園」は、池田さんの調査研究に協力し、園内を映像などで記録した。確認してみると、園児の掲示物は男の子なら青系、女の子なら赤系の色でまとめられ、名札のキャラクターは女の子は花柄や小動物で、男の子は乗り物や大きな動物に分かれた。その理由について保育士たちは「無意識だった」「男女がそれぞれ好きそうな色だから」と答えた。乙黒いく子園長は「当時は無意識のうちに『男の子らしさ』『女の子らしさ』の枠を作ってあてはめていた」と振り返る。

 調査協力から約15年たち、同園では「その子らしさ」を尊重し、「男の子なんだから」という言い方はしなくなった。色やキャラクターも、園児の好きなものを選ばせることにした。すると、青と赤の2色が多かった園児たちの作るこいのぼりが、今ではカラフルで個性的な作品が、いくつもできあがるようになったという。=つづく

==============
 ◇家庭科教育の歴史

 戦後の家庭科教育は、戦前の「裁縫」科目から、「民主的な家庭建設のための教科」としてスタートした。

 当初は小中学校で男女一緒に履修していたが、1958年に中学の「職業・家庭科」が「技術・家庭科」に変更された。内容も「男子向き」「女子向き」に分けられ、男子は技術がメインになった。高校は70年に女子のみが必修となり、男子は代わりに体育(格技)を履修することが多かった。

 牧野カツコ・お茶の水女子大名誉教授は「明治以降、儒教思想を取り入れてきた日本の教育では、男女別の教育が抵抗なく受け入れられ、それが、戦後の経済成長を支えた、性的役割分業に基づく『男は仕事、女は家庭』のスローガンにも結びついた」と説明する。

 しかし、70年代に「女子のみの家庭科」に対する批判運動が起き全国で展開された。さらに80年には日本が女子差別撤廃条約に署名し「家庭科の女子必修」が条約にある「男女同一の教育課程」に抵触する事態となった。このため学習指導要領が改訂され、中学では93年から男女が同一内容で家庭科を学ぶ「共学」となり、翌94年には高校で男子も家庭科が必修となった。

 取り上げてほしい話題やテーマをお寄せください。郵便は〒100−8051(住所不要)毎日新聞くらしナビ「ガラスの天井」係へ。メールはkurashi@mainichi.co.jp 


最後まで読んでくださってありがとう
  クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする