常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

成人の日

2014年01月17日 | 日記


「成人の日の振袖は私のを」という話が娘からあった。来年には孫が成人になる、思えば感慨が深い。それほど過ぎ行く日が早いということである。1月13日は過去一年間に満20歳に達した男女の祝日だが、歴史をみるとこの祝いは20歳より早く行われていた。

吉川英治の『新平家物語』には、鞍馬の山寺に監視されながら僧の修行をしていた牛若がこの山を抜け出し、陸奥の藤原秀衡の館へと下る途中で、熱田神宮で元服の加冠の式を行う様子が描かれている。このとき牛若は16歳、加冠を終えると自ら九郎義経と名のった。

男子の元服が15歳ころ、女子の「裳着」は13歳くらいであった。今日の20歳という年齢はすでに男盛り、女ざかりの年頃と言っていい。まして人生50年と言われたことを思えば、いまどきの成人に比べれば、はるかに若くして成熟していた。

職すでに身につきゐたり成人祭 下村ひろし


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根昆布

2014年01月16日 | 日記


65歳を過ぎたころから高血圧を指摘されるようになった。以来降圧剤を飲み続けている。だいぶ血圧が落ち着いたように思われたので、医師とも相談せずに降圧剤を飲むのを止めてみた。すると2ヶ月も経たないうちに異常な血圧の上昇が見られた。止むを得ず降圧剤を再び飲むようにしている。なんとか薬に頼らず血圧を安定させたいと思って始めたのが根昆布水である。根昆布一枚をコップの水に一晩浸ける。すると根昆布からぬめりのある昆布のエキスが染み出した水が出来上がる。これを毎日飲む。どれだけ効果があるか分からないが、この昆布水に昆布のうまみが溶け出してとてもおいしいので続けている。

昆布と日本海航路は深い関係がある。北海道で獲れた昆布が日本海航路を通って上方へ運ばれた。原料は北海道だ加工して昆布を大衆化したのは大阪の塩昆布である。根昆布はネット通販で手に入れたが、原料は北海道。そし商品化は九州で行われていた。狂言に「昆布売り」というのがある。これは京で商いをする小浜の昆布売りの話だ。小浜で昆布をおぼろ昆布にして京で売り歩いた。上質な原料に手を加えておいしい食品を作り上げる伝統がこの国の食文化である。

「昆布召せ、昆布召せ、お昆布めせ、若狭の裏のめしの昆布」と叫びながら売り歩く。めしの昆布とは召しあげられた昆布という解説もある。小浜では今でもおぼろ昆布を作っているが、熱いご飯のともによいとされる。とろろ昆布のように昆布汁にして食べてもよい。

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折々のうた

2014年01月15日 | 日記


大岡信の『折々のうた』が朝日新聞のコラムとして一面に掲載されたのは、昭和54年1月25日のことである。朝日新聞が創刊100周年を記念して始めたコラムである。このコラムはロングランになったので記憶している人も多いだろう。朝、新聞を開いて先ず目をやるのがこのコラムであった。うたといっても和歌や詩、俳句など広い分野にわたっていたので非常にバラエティに富んだ連載であった。

いくたびも雪の深さを尋ねけり 正岡子規

冬の時期のコラムに正岡子規のこの句が登場した。東京は雪も最高気温が零下になることも非常に稀だ。この句が詠まれたのは明治29年で、この年その珍しい大雪が東京に降った。この年、子規は重症の腰痛でほとんど病床を離れることができずに臥していた。東京には珍しい大雪というので、子規は看病していた母や妹に戸外の様子を聞いた。

大岡信はこの句について、「大雪が降ったという戸外の景色を思いえがきつつ、何度も看護の母や妹に積雪の状態を尋ねたのだ。俳句の省略された語法が、病人の心踊り、空想、あこがれを表現し得て、言うに言われず深い」と書いている。

今日、東京は寒波で都心に雪が降るかと心配しているようだが、記録では東京の最大の積雪は33cmだという。あるいは子規が見たかった雪がその記録に残る雪であったかも知れない。積雪の記録はこの他に指折り数えるくらいしか降っていないから東京に雪が降るとニュースになるのも分からないではない。

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だんご木

2014年01月14日 | 日記


正月も松の内を過ぎると日常の生活を取り戻す。半月が過ぎた15日を小正月といい、農村では豊作を予祝する様々な催しがあった。今朝の新聞に載っていたが、新庄では「雪中田植え」が行われた。水田に見立てた雪の田に、稲藁や豆ガラを束ねた「稲」を差し込む。秋の豊作を祈願して、大人に教わりながら子どもたちが行事の主役となる。

「だんご木飾り」も小正月行事のひとつだ。ミズキの枝に団子を刺し、根元には昆布を巻き、タイや巾着餅、折鶴、繭球を吊るして室内に飾る。これは豊作にあわせて蚕の飼育が無事に済むことを祈願するものだ。小正月の行事は、農耕に関係するものが多く、農村では多くの人々に親しまれた行事だ。

昨日の新聞には、尾花沢の「地蔵ころがし」の行事が紹介されていた。地蔵堂の地蔵を縄をつけて雪の中を引き回し、家々を回る。玄関に着くと「地蔵様きたよー」と声をかけ、地蔵を勢いよく置く。すると地蔵についた雪が沢山落ちると縁起がよいとされる。こちらも秋の豊作祈願で、行事の主役はやはり地区の子どもたちである。

父母居ねばしきたり失せつ小正月 谷  迪子

一遇に餅花あかり地酒酌む    上谷 昌憲

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初吟会

2014年01月13日 | 詩吟


山形岳風会の新年会が葉山温泉古窯で開催された。心配された雪も時おり晴れ間が見える天候となった。山形県の内陸と仙台にある支部の吟友400名が集う恒例の催しである。会場付近では晴れ間が見えたが、新庄、長井などの豪雪地域では、朝吹雪との話が聞こえた。先週から居座る寒波は当分日本列島を去る気配はない。

今年初めて会う吟友は、皆元気に見える。久しぶりに会う人も多い中、いつも見えている人の顔がなく一抹の淋しさもあった。吟では丹野副会長の「新年祝いの詩」が初吟会の雰囲気をかもしつつ、おだやかな年の始めにふさわしいものであった。

新年祝いの詩 木村 岳風

初夢円かに迎う元旦の天

暁風に颯爽として旭旗翻る

屠蘇一献心身朗らかに

吟じ起こす新春の正気篇 




初吟会のメインは懇親会と抽選会である。古窯のお節風の弁当は、彩りが鮮やかでビールが美味しく飲めた。少ない会費のなか、高齢者の多い会にとっては十分ではないか。今年一年の活躍と来年の初吟会での再開を誓う楽しい新年会となった。

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