蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

はんなり、まったり、優雅なひととき

2008-06-15 | お付き合い
一昨日、学生時代の友人たちを実家にお招きした。
姫路、大阪、奈良と、遠くからわざわざお出でいただいた
初めてのご招待イベントも無事終了し、ほっとしている。

実家では、去る日曜日には、「お香の会」が催され、
西日本各地から、総勢30名、お着物の麗人の方々が一堂に会した。
その前日は、数人の方がホテルに泊まられたとか。
男性も4人、羽織袴。

各部屋内のテレビは撤去、茶箪笥、お道具類は大移動、棚や箪笥は、目隠し。
準備にテンテコマイの様子がうかがえた。


玄関を入ると、大壷に大胆に投げ入れられた、青々したもみじが目に飛び込んだ。
当日、庭の木々から感性でチョイスされ、活けられたそうだ。

部屋には真っ赤な毛せんが敷き詰められ、お香の道具が置かれていた。
お香の道具、初めて見た。
漆塗りに金箔の美しい工芸加工が施され、繊細な美しさを放っていた。

ちなみに、「お香」って、昔のお公家さんのお遊びなんだろうか・・・?
お香を「聞く」んだそうだ。(「嗅ぐ」「匂う」のではなく・・・)
私は、全くその方面は疎くて、ちんぷんかんぷんだが・・・

私の会の前日には、母主催のお寺関連の会が催され、9名が集まった。
その翌日が私の会(5名)。
お昼は、「菊水寿司」。とても美味。

5日間の間に3つ、イベント目白押し週間だ。


母は、準備など、かなり前々から、大変だったと思う。
この度の庭師は、あるご縁で知り合った庭師の方々だそうだ。
千早赤阪村から、朝6時半には出発して、実家に到着の日々だったとか。
ご苦労様。
前々からの庭師の方ではない、ということを昨日、初めて知った。
道理で、なんだか少しニュアンスが違うなあ・・・と感じていた。
いずれにしても、縁の下の力持ちが、あってこそ。
感謝、感謝だ。

友人のひとりが、庭に咲いていた花のところに立ち止まって、
あやめ、かきつばた、菖蒲の違いについて説明してくれた。

「これが、あやめ。これは、かきつばた・・・。その特徴は・・・」など等、よく知っている。
私は、庭のその花群は、全部同じ種類の花だと思っていた。
いずれがあやめか、かきつばた・・・とは、よく言ったものだ。
青紫の色が美しい、まさに6月の花。

応接間のソファーの古典柄の生地模様「金華山織り」について説明してくれる人も。
ついでにゴブラン織りやら、あれこれ、結構、ここでも話の花が咲いた。
(そのほか学生時代の話や、他愛無い話に、お腹を抱えて笑い合った。)


女性はファブリックや調度品、食器をはじめとするテーブルウエアーなど、
そういうことに、とても興味がある。
文化的、歴史的背景を知っていると、見た目の上っ面だけでなく、奥行きまで楽しめる。
確かな目をもって愛でたい。
ギンギンにブランド品で身を飾り固めたような人については、皆、同じような感想を持っていた。

西洋・東洋・中世・近代・モダン。 美も多岐にわたる。好みも人それぞれ。
空間との調和も大事な要素。
女性は、美しいもの・美味なものが大好き。美の追求には貪欲だ。

美の追求者として、学者や高名なコレクターは男性が一般的に知られているが、生活レベルでの実践者は、ほとんどが女性の方々。

美の感性や方向性は、人によって多少違うものの、美を愛する思い、真髄は同じだろう。
うっとり、自分の世界に浸る至福の時間・・・。


あれこれ感慨に耽っていたら
雨の香りが漂ってきた。
もうじき、一雨くるのだろうか。
涼しくて、しっとりした6月の日曜日も悪くない。

こころ伝わる美しさ 

2008-06-13 | お付き合い
この日曜日、一年に一度の、ある集まりがあった。

去年は戸建てレストランの帰りに、私の家に寄っていただいたが、
今年のサプライズは、会場レストランの帰りに
「うちに寄る?」と突如申し出た、Sさん宅だった。

どんなお宅かな・・と、なんにも考えずにお邪魔してみて・・・

Sさん宅があまりにも素敵過ぎて、言葉を失ってしまった。

なにしろ、私の価値観に基づく理想にピタっと一致するお宅だった。
(当然ながら、私などは足元にも及ばないが。)

日ごろは心のなかで静かにぼんやり思っている、
まとまらない思いが、はっきりとはカタチになって、
まるで邸宅となって現れたような、そんなお屋敷だった。


そのSさんのお屋敷は・・・・

文化遺産的、時代の顔をもつ、超一流和風建築と庭園。
門構えはどっしり格調高く、白壁の蔵が土塀に続く。

門から玄関へとは石畳によって導かれるが、
辿り着くまでは何種類もの植物が植えられた庭にこころ和む。
庭も、外庭と、前栽(せんざい)があったが、中でも松は年月の重さを醸し出していた。
松の枝ぶりから、かなりの銘木とお見受けした。

紋入りの見事な瓦が光っていた。
おそらく明治か大正の建物だろう。
玄関土間は広々、そのむこうには10畳ほどの和室が6つ、つながっていた。

大おばあ様は、お茶の先生だったそうで、わびさびの世界を表現(茶室あり)
リフォームもされていて、和洋しっくり見事に融合していた。
お嫁さん(おばあ様)が建造物に造詣が深い方だそうで、凝った造りになっていた。

娘さんのご主人がイタリア人だったこともあり、水周りは色鮮やか、大胆でモダン。
ステンドグラスのトイレや、陽光が差し込む明るいバストイレ、
テラコッタを敷き詰めた土間が続く。
お客様が靴のままくつろぐ、第二、第三の談話室。

洋室もいったい、いくつあったか・・・???
ある部屋の床には、ホンモノの切り株(バームクーヘンみたい?)を
10センチ角ぐらいの木枠にはめ込んだものをびっしり敷き詰めてあった。
切り株といっても、骨太タイプのログハウス風ではなく、
よく見てみないとわからないぐらいの、あくまでも繊細な風情。
さりげない上質感。

和室には見事な欄間。その下の鴨居は低く、頭上すれすれだが、
昔の人は身長が低かったので、それは時代の特徴だ。

リビングルームには、太い梁、高い天井。
ほんのり暗めの部屋から見る庭の緑が、鮮やか。
一流の素材を品良く設え、調和されていた。
決して派手さはないが、格調高い佇まい。
うわべだけでない、確かな光を放っていた。

お手入れやメンテナンス、毎日の庭の水やり、大変だろう。
しかも、このお屋敷は、ご親戚の方から2年前に譲っていただいたそうだ。(購入)
Sさんは、すぐ近くにある、同じように時代を重ねた重厚な純和風のご自宅があり、この度お邪魔したお屋敷には住まわれていない。
なので、家を良好に保持するため、
部屋の扉をあけて、風を通さなければいけないようだ。
お仕事をされる忙しい身で、ご自宅だけでなく、このお屋敷を管理されるSさんは、実に上手に時間をやりくりされている。

Sさん邸・・・
私の目には、今もしっかり鮮明に焼きついている。
その光景。
光、風、空気、緑。におい、湿度、薄明かり。

私は建物フェチだ、きっと。
洋の東西を問わず、邸宅やお庭を拝見するのは大好き。
空間も大好き。
美しい調度品や美術品も大好きだ。

最も感激したのは、
お屋敷の維持を願う前住人の意思を尊重して、親戚であるSさんが、
日々、邸宅を管理していること。その美しさを維持してること。

お金持ちが道楽で、キンピカの屋敷を手に入れ、
使用人に手入れを丸投げして任せるのではなく、
ご自身で文化遺産を守ろうとしている姿勢に頭が下がる。

お金では買えない価値観をそこに見出した。
地方の素封家は、静かに、逞しく、脈々と続いている。

(とは言え、文化遺産を守るにも、実のところ、お金がモノを言うのだが・・・。)

頭にカンフル。香港金融事情

2008-06-10 | 
先週、香港金融視察セミナーに参加した。

世界の4大マネーの中で、
世界的経済動向に対して、反応が速い順は
①ユダヤ・マネー②華僑・マネー③オイル・マネー④日本・マネー

日本は、4大マネーに入っているものの、動きが一番鈍いそうだ。

しかしながら、今、海外のHSBCなどでオフショア口座を開設する日本人を実によく見かける。
現地ならではオフショア口座を利用した、海外ファンドのメリット・デメリット等、時には通訳を交えてレクチャーを受けた。


香港の金融中心街は、超高層ビルが立ち並ぶ、香港版ウォール街。
土地が狭いので、すごい勢いで、建物は上へ上へと伸びる。
土地が貴重な割には、ただっ広い旧空港跡地は、再開発されることもなく、ほったらかし。
冬も冷房をつけるという香港。
地震対策やエコ意識など、まるで念頭にない???

連泊したコンラッドホテルは、
地下鉄金鐘駅に直結するパシフィックプレイスにもつながっているので、
どこに行くにも、らくらく移動。

地下鉄に乗るために、
マイクロチップを埋め込んだ電子マネー式のオクトパスカードを買った。
専用センサーにタッチすれば通過できるが、
バッグに入れたままでもOK。
残った分でスーパーで買い物をしようとしたが、
たまたまその店ではNG。
残りは換金した。


コンラッドホテルは、61階建てのタワーホテル。
ヒルトンホテルグループによって
「究極のくつろぎ」を目指して作られた、最上級ホテルだけあって、
さりげないサービスが行き届く。
良質のくつろぎ空間を満喫することができた。


国外への金融視察は今回が初めてのこと。
まさに「金融という生き物」を肌で感じた。

手なずけたつもりでも、突如、暴れだす、
幸運も不幸も、もたらす
決してあなどれない、怖い生き物である。


国内出張感覚の視察では、日程上、
「これぞ香港!!」という下町には、足を伸ばせなかったのが残念だった。

また今度、人ごみギューギューの女人街あたりで、
キッチュっぽい、チャイナ・グッズをぜひ、買いに行こうっと。