R18(18歳未満お断り)の映画を1人で観に行った。
ハードコアポルノみたいなかんじで、男性ばかりだったらどうしよう?
まして、わたしは前期高齢者。
変な女性と思われないかとドキドキしながら上映室に入った。
すると、、、次から次へと女性のお一人様のお客さんが入り、場内を見渡すと、女性が多かった。
お一人様女性や、女性同士などの姿が目に付き、男性は少なかったように思う。
ほっとした。
なんでだろう?
それは、映画のテーマが「女性の解放、平等」という女性向きだったことと、ヒロインのセリフに頷き納得し笑ったりするからだ。
女性にエール。
女性目線の男性に対する評価も、男性は身も蓋もなくオトコをコケにしている、と男性が怒るかも知れない。
が、見る目が変わるとそんなものだ。
「男性から見られる性、望まれる性」であった女性が、男性本位からの性から解放されると、違ってくる。
男性の一方的な思い込みには、コメディ的要素がたっぷりあり、笑える。
男性は必死なのに。
1月26日、先週金曜日に上映開始されたばかりの映画なので、ネタバレしてはいけない。
主演女優エマ・ストーンの他の作品「ラ・ラ・ランド」も「女王陛下のお気に入り」も上映当時に観た。
ゴールデングローブ賞に6部門7ノミネートされたには、それだけの意味がある。
美術、衣装はなかなか楽しませてもらえる。
室内装飾にはルートヴィヒ2世が建てた、シンデレラ城の見本になったと言われるノイシュヴァンシュタイン城を(個人的に勝手にイメージとして)彷彿させるものがあり、とても魅了された。
ぱっと見は似たような同じ範疇だが、19世紀に17世紀のお城を模倣して建てられていたり、建築された時代には様式にズレがある。
そういう絶妙さ。
パリの街で見た建造物、ぬあっと曲がったアール・ヌーヴォー・テイストも感じた。
室内装飾のやわらかい優しいライン。
と言っても、映画に出てくるものは、明らかな想像の創造物だとわかるようにデフォルメされている。
誰が見ても、現実ではない造りものの世界であることが意図して主張されている。
ヨルゴス・ランティモス監督が懲りに凝ったのだろうけれど。
好きな部分もあるが、やり過ぎの部分もある。
わたしの「好き」と「不快」が、混ぜ混ぜに出てくる。
性の部分を誇張しすぎだと思うが、「女性」を掘り下げ訴えたい芯の部分には外せない要素だったのだろう。
ただし官能ゼロ。乾きの代わりに、笑いはあり。
女性客が多いのは納得できる。
アベック客の男性は気まずいかも。
お一人様男性観客も、力強い女性に押されて肩身が狭いかも。
ヨーロッパの各有名都市、建物、食事、ファッション、ダンス、、、真正面からではなく、かなり変わった味付け、演出にはなるが。
ありきたりの正攻法では、飽き足らない、グルメを追求し食べ飽きた、映画飽食の人には刺激的かも知れない。
ちなみに、わたしは、アニメであろうが実写であろうが、あり得ない空想のファンタジーよりも、現実描写のほうが好き。
想像による創造はそれはそれで良いが、空飛ぶ魚のような妖怪的なイマジネーションよりも、現実的にあり得る想像のほうが好きだ。