わたしは、見た目、悪いイメージではない(らしい)。
が、ひとたび、口を開くと、イメージがた落ち、だそうだ。
じつに、もったいないではないか。
せっかくのイメージ、こんなものは、無理して出そうとしても、出るものではない(はず)。
俳優か、詐欺師でもないかぎり。
複数の人から言われた、わたしの見た目は、
子供の時は大人っぽく、若い頃はセクシー、年を重ねてからは、清楚、
時として近寄りがたい雰囲気もあり、だが、しゃべると、真逆。
中身は、小さい頃から現在に至り、一貫して、おかしなヤツ。変人。ユニーク。
じつは、その変人傾向は、小学校高学年ごろから始まり、中学ではピークに、
高校時代は、それを隠そうとして殻に閉じこもり気味だった。
小学校や中学の学期末お別れ会では、出し物として、わたしは先生やクラスメートのモノマネをやった。
けっこう、ウケていた。
「スローちゃん、ようやるわ・・・」と、涙を流して笑う、クラスのかわいい女子の顔を見て、
わたしも、かわいく上品に笑いたかったのに、なんで笑われる側に、しかも自ら望んでやっているんだろう、って、
ふと思ったりもして、自分がかわいそうにもなったりした。
思春期には、そういう過去の自分がカッコ悪すぎて、自己嫌悪ぎみに、ふてくされて、怒っていた。
高校を卒業したあたりからは、急に、男子から、女性として意識され、戸惑った。
おかしなヤツだったわたしは、フェロモン系っぽい、わたしになった。(作為的ではなく無意識)
当たり前の成長過程の一環ではあるが。
この時期は、悪女に憧れた。
だが、中身はあいかわらず、へんなヤツ。そして、当然、悪女でも、遊び人でもなかった。
外見や雰囲気と、生真面目な未経験な中身とのギャップで、流さなくてもいい涙を流した。
外見と中身を統一したほうがいい、と、思った。
そのほうが、トラブルが少ないし、他人にも自分にも混乱を招かない。
結婚し、子供を産んでからは、ママだけの自分が嫌だった。
母、妻、嫁だけの自分、家族という限られた枠の中にだけしか存在理由のない自分は嫌だった。
アイデンティティを求めてさまよった。
で、仕事をした。
結局、仕事人としても、ダメ人だった。
結婚制度の枠内で、下駄をはかせてもらって、ぬくぬくと生きていたら気づかないような辛酸もなめた。
小学校の、あのかわいいクラスメート女子みたいに、わたしのモノマネを見て、無邪気に笑っていたほうが、幸せだったかも。
純粋無垢で、(自分のレベルの低さとか、低能ぶりを)なにも知らないままのほうが、良かったかも知れなかった。
世間の垢にまみれず、すくすくと(偏差値の低い)一貫校のお嬢様学校にエスカレーター式に進学し、
同じような環境のお嬢様たちと、きゃあきゃあ、はしゃいでいたほうが、ずっとずっと美しい人生を送れたに違いない。
(いや、どんなところに進もうが、その道では落ちこぼれ、失敗していたかも知れない)
でもわたしは、家庭内のことばかりネタにする、街でお見かけする、ぎらぎらランチ・ママ軍団みたいにはなりたくなかった。
いくら着飾っても、あの光りの元は、太陽のように自らが輝いているのではなく、
自分で稼いだわけでもないお金の上にあぐらをかいているだけに思えた。
一番、問題なのは、てかてかランチ・ママ本人に、その意識がないということだった。
でも、集団によっては、ただただ、気晴らしに、おしゃべりしているだけでなく、
目的意識を持って、得たい情報を手に入れるために参加しているツワモノもいた。
(最近は、あの、きんきらランチ・ママの輝きも、人によっては、まあ、わからないでもないなあ、と、こきおろすというよりは、
ある意味、評価をしている。
が、あい変わらず、どうしても首をかしげたくなる人種が現存し、絶滅していないように思う。
これは、おそらく、なんの裏付けも取らない、根拠のない思い込みだろうけれど)
で、自らが蒔いた種とは言え、
こんなに、くたくたになって、暗い地下であえいで、ふてくされていたにもかかわらず、
今は、外見としては、楚々としている、と言われる。
人は、見かけによらない。
見かけなんか、大嘘だ。
でも、せっかくいいように思ってくださるのだから、あえて、否定するのも、もったいないので、
静かに微笑している。
だが、中身は、あい変わらず、変人だ。
ほんの最近、ホンネトークで、内面を、つい、うっかり出してしまったことがある。
で、外見と中身とのギャップを指摘され、今度は、別の機会では、だんまり、モナリザの微笑み作戦で行ったら、
「みんなと、もっと話さんと、あかんで」と別の人にアドバイスされた。
話題や内容を選択したりして、あまり変人ぶりがバレないよう、
意見や感想を言うのときは、さらっと、ノーマルな感覚で受け入れられるように吟味して、厳選して、口に出す?
外見と中身を、どうやって調整しようか、折り合いをつけようか、試行錯誤中だ。
あれ、この人・・・???
口の動きと、声が出る瞬間に微妙なズレがある???(口ぱく?)
人間のカタチをした人工知能ロボットのように、
ちょっとしたぎこちなさを、目ざとく気づかれないようにしなければ・・・。