先週、夙川のあるお宅で、
染色作家・山下房子氏の作品オークションがあった。
山下先生とは、以前、仕事でご縁があって以来、
ずっと作品展のお知らせをいただいている。
だが、なかなか時間がとれす、行けないままにしていたら、
闘病生活に入られ、全作品のオークションを開催するという
お知らせを、先日受け、出向いた。
オークション会場は、お弟子さん宅。
阪急夙川駅を降りて、徒歩7分ぐらいの場所に、そのお宅はあった。
夙川は、素敵なところだ。
谷崎潤一郎でおなじみのスポットが点在する、
関西屈指のお屋敷街として有名な高級住宅街。
以前に「いかりスーパー」に何度か訪れたことがある。
うんと前は、学生時代にバイトで、
また10年以上前にも仕事で、車でよく通った。
駅を降り立った時、周りの風景は見覚えのないものだった。
記憶とは違う印象を受けた。
今回の訪問先は、純然たる住宅街といったかんじだった。
以前に来たところは、川沿いだったので、エリアが違うのだろう。
戸建ての家々の間に、ブティックやインテリアのお店、飲食店が、
さりげなく店を構えている。
それぞれの個人宅も、力むことなく洗練されていて、
さすが高級住宅地だと感心した。
(しかも阪急電車の特急停車駅!!これは、大きい)
一軒の家だけでなく、センスのいい、広い邸宅がバランスよく寄り集まり、
調和され、街全体の付加価値を高めていた。
決して、これ見よがしなところや派手さはないが、
美意識の高いこだわりは、随所にあり、ひとつずつ見ていて飽きない。
とは言うものの、真昼間の、ものすごい猛暑のなか、
くるくる回るうちに、いつものごとく、方向を間違えて、右往左往。
ついには、住宅街の中にある医院に来られている方に、
地図を見てもらいながら、行き先をお教えいただいた。
私は、いつも単独行動なので、人に振り回される心配はないが、
自分自身に振り回されている。
誰よりも、自分が一番信用できない。
オークションが行われるお宅は、
私の居た反対方向の、夙川カトリック教会の近くにあった。
1週間にわたり、オークションは行われるが、結果は最終日に決定の運びだ。
展示されている作品の中から、作品番号と価格を記入してBOXに入れる。
何かを訴えているような、心に響く、印象的な作品に出会った。
山下先生ご自身も、思い入れが大きく、
今まで決して売りには出されなかった作品だそうだ。
恐る恐る価格を提示したが、
その翌日、この値段では無理だろうと、私は思い切って価格を上げた。
ところが、「別の方によって、破格の値段がついてしまいました」
と今朝、お弟子さんから連絡が入り、困っている。
最終日の今日、私が最高額より上を提示しても
破格の値をつけた人が引き下がらず、さらに、セリ上げられる可能性もある。
自分は価格に、ついていけるか・・???
どき、どき、どきどきどき・・・
「金額変更の場合は、こちらから連絡します」と伝えておいた。
時計とにらめっこしながら、迷いに迷った。
優柔不断のせいもあり、時間切れにより、アウト。
あの作品は、諦めた。
実は、「薔薇曼荼羅」という大きなタペストリーを、当日セリなしで買い、持ち帰った。
さらにもう一点、小品ではあるが、スペイン風景画をセリ勝っているのだ。
だから、まあ、もういいか・・・なんて、消極的に思っている。
本当にお気に入りの作品が手に入らなくなるのに、それでいいのか・・・???
自分の目に、まだ確信はないし、金銭的な事情もあるし・・・
自問自答を繰り返した結果、
とりあえずは、ここのところは引き下がることにした。
自分で自在に好きな色、形、感触のものが生み出せれば一番だけれど、
自分の力量と、人生の残り時間を考えれば、
お気に入りを収集するほうが良さそうだ。
また別のジャンルのものが欲しくなるかもしれないし・・・。
あっちこっちで、思い出の品々をコレクションするのは、
私の喜びになっている。
いつか遠~い将来、人生の終末期を迎え、施設か病院に入るときが来る。
そのとき、「どれも大好きだけど、どの作品を持っていこうかしら」と、
あれこれ迷いながら選択する楽しみが、またひとつ増えた。
(その時は心身ともに、そんな余裕はないだろうけれど・・・)
楽しい夙川の一日を満喫できたのだし、私はそれで十分満足だ。
この染色作品を見るにつけ、美しい夙川の風景を思い出すことだろう。
染色作家・山下房子氏の作品オークションがあった。
山下先生とは、以前、仕事でご縁があって以来、
ずっと作品展のお知らせをいただいている。
だが、なかなか時間がとれす、行けないままにしていたら、
闘病生活に入られ、全作品のオークションを開催するという
お知らせを、先日受け、出向いた。
オークション会場は、お弟子さん宅。
阪急夙川駅を降りて、徒歩7分ぐらいの場所に、そのお宅はあった。
夙川は、素敵なところだ。
谷崎潤一郎でおなじみのスポットが点在する、
関西屈指のお屋敷街として有名な高級住宅街。
以前に「いかりスーパー」に何度か訪れたことがある。
うんと前は、学生時代にバイトで、
また10年以上前にも仕事で、車でよく通った。
駅を降り立った時、周りの風景は見覚えのないものだった。
記憶とは違う印象を受けた。
今回の訪問先は、純然たる住宅街といったかんじだった。
以前に来たところは、川沿いだったので、エリアが違うのだろう。
戸建ての家々の間に、ブティックやインテリアのお店、飲食店が、
さりげなく店を構えている。
それぞれの個人宅も、力むことなく洗練されていて、
さすが高級住宅地だと感心した。
(しかも阪急電車の特急停車駅!!これは、大きい)
一軒の家だけでなく、センスのいい、広い邸宅がバランスよく寄り集まり、
調和され、街全体の付加価値を高めていた。
決して、これ見よがしなところや派手さはないが、
美意識の高いこだわりは、随所にあり、ひとつずつ見ていて飽きない。
とは言うものの、真昼間の、ものすごい猛暑のなか、
くるくる回るうちに、いつものごとく、方向を間違えて、右往左往。
ついには、住宅街の中にある医院に来られている方に、
地図を見てもらいながら、行き先をお教えいただいた。
私は、いつも単独行動なので、人に振り回される心配はないが、
自分自身に振り回されている。
誰よりも、自分が一番信用できない。
オークションが行われるお宅は、
私の居た反対方向の、夙川カトリック教会の近くにあった。
1週間にわたり、オークションは行われるが、結果は最終日に決定の運びだ。
展示されている作品の中から、作品番号と価格を記入してBOXに入れる。
何かを訴えているような、心に響く、印象的な作品に出会った。
山下先生ご自身も、思い入れが大きく、
今まで決して売りには出されなかった作品だそうだ。
恐る恐る価格を提示したが、
その翌日、この値段では無理だろうと、私は思い切って価格を上げた。
ところが、「別の方によって、破格の値段がついてしまいました」
と今朝、お弟子さんから連絡が入り、困っている。
最終日の今日、私が最高額より上を提示しても
破格の値をつけた人が引き下がらず、さらに、セリ上げられる可能性もある。
自分は価格に、ついていけるか・・???
どき、どき、どきどきどき・・・
「金額変更の場合は、こちらから連絡します」と伝えておいた。
時計とにらめっこしながら、迷いに迷った。
優柔不断のせいもあり、時間切れにより、アウト。
あの作品は、諦めた。
実は、「薔薇曼荼羅」という大きなタペストリーを、当日セリなしで買い、持ち帰った。
さらにもう一点、小品ではあるが、スペイン風景画をセリ勝っているのだ。
だから、まあ、もういいか・・・なんて、消極的に思っている。
本当にお気に入りの作品が手に入らなくなるのに、それでいいのか・・・???
自分の目に、まだ確信はないし、金銭的な事情もあるし・・・
自問自答を繰り返した結果、
とりあえずは、ここのところは引き下がることにした。
自分で自在に好きな色、形、感触のものが生み出せれば一番だけれど、
自分の力量と、人生の残り時間を考えれば、
お気に入りを収集するほうが良さそうだ。
また別のジャンルのものが欲しくなるかもしれないし・・・。
あっちこっちで、思い出の品々をコレクションするのは、
私の喜びになっている。
いつか遠~い将来、人生の終末期を迎え、施設か病院に入るときが来る。
そのとき、「どれも大好きだけど、どの作品を持っていこうかしら」と、
あれこれ迷いながら選択する楽しみが、またひとつ増えた。
(その時は心身ともに、そんな余裕はないだろうけれど・・・)
楽しい夙川の一日を満喫できたのだし、私はそれで十分満足だ。
この染色作品を見るにつけ、美しい夙川の風景を思い出すことだろう。