たいしたことも、なんにもしないで、一生を過ごすのも、さほど最低ではない、、、と、立ち読みした本の著者からのメッセージを受けた。
なるほど、その通り。
達成感を味わう喜びも知らず、さほどその喜びを手にしようともせず、当然、シャカリキになって努力もせず、結局、だらりと過ごしてきた一生もそれほど悪くないのでは?と著者は言う。
著者は70歳ならではの目線である。
どんなに頑張ってきた人も、頑張って来なかった人も、ボルテージが下がり、体力、気力が下がれば最後は同じということか。
確かに。
ただ、それを、「俺は頑張って来たけど、頑張って来てないヤツと、結局、最終コースは同じか、なあんだ」という著者の気づきが、わたしのカンに障る。
すごく、上から目線を感じる。
頑張った頑張ったと、自分で言い回っている割に、たいした成果が現れない人もいる。
「俺は頑張った!」と、あまり大きな声を上げると、暑苦しさを感じる。
水面下では手足をバタつかせて必死で泳いでいても、水面の上では、何食わぬ涼しげな顔でそっと静かにしているほうが、わたしは好きだ。
ただ、そうしようとしても出来ないことが多い。
思いっきりバタついて、必死で対岸にたどり着き、ふと、横か前か後ろの周辺を見ると、あれ?アイツら、目標も持たずに努力もせずに、ご褒美も欲しがらず、覇気がないヤツばっかり、、、やる気も能力もないんだろうなあ、、、
まあ、岸に着いてのんびりしてたら、結局はあまり変わらないかな、、、みたいな感じだろうか。
頑張ってなかった人を思いっきり軽蔑している深層心理を勝手に読み取った。
頑張った俺は、損をしたわけではないが、頑張らなかった人と、最終的には同じなのか、、、という感想。
ある意味、平等感は、不平等感でもある。
ご苦労様、お疲れ様!なのだが、何かしら人生のプロセスあたりでの意気込みに押し付けがましさを感じてしまう。
なあんだ、必死で頑張っても、俺もそこらへんの無能なバカとおんなじかい、、、のような。
わたしの考えすぎだろうか。
頭脳が優れた人が老化現象で認知症傾向が出た時に、頭脳が優れてなかった人から「あんたも結局はおんなじだね」と思われるほうが、ムカつくとは思うが。
上から目線で、自分から「自分も結局はバカ連中と同じか」と思うほうが傷つかない。
下のバカたちから、「あんたもわたしらと一緒だね」と、にたぁ〜っと笑って仲間扱いされると、プライドが許さないだろう、きっと。
結局は同じでも、上から脱落してくるのか、元々下に居続けて同じになるのかでは、ニュアンスや受け取り方は違うだろう。
今までバカにしていた連中に、仲間扱いされるのは嫌だろう。
思い上がりがある分、没落感はあるだろう。
これは人によって違うが。
老人ホームの幼児体操もどきに、拒絶反応を示すお年寄りがいる。
まだまだ気持ちが付いていかない。
ワシは、絶対にあんな風にはならない!無縁だ! バカにしおって!と怒りさえ出てくる。
いずれ行く道、すんなり受け入れたら気が楽になる。
だが、まだ入り口、過程のところでは無理。
第一線から退いたばかりでは、当然、上から目線になるのは当たり前。
いつまでもかくしゃくとして、年齢を感じさせない人もいるから、気の持ち方は大事かも知れない。
(が、それぞれ個体差がある)
しかし、気持ちとは裏腹に抗えないこともある。
腹をくくる、観念する、執着心を取り払うと、肩の力が抜けて新しい別の世界が開けることもある。
ちなみに、話はころっと変わり、、、
縦糸を家族、先祖、子孫などの血縁とし、横糸を地縁、友縁とすると、、、
わたしは縦の糸に頼りすぎ。というか、それのみ。
横糸が無い。
あるとしたら、インターネット繋がり。
さらに無理矢理あるとしたら、趣味がらみ。
あまりにもお粗末。
努力を怠っている。
しかも、インターネットでは、ろくでもない日記ばかりを綴って恥を晒している。
さらに、友人ネットワークの輪を広げようとする努力は皆無。
たんなる自己満足のツールとなっている。
こんなわたしでは、「あなたのブログ、読んでいます。スローと申します」などとリアルな姿を現してお目にかかろうものなら、、、。
ただただ恐ろしい、、、。
これも自分が蒔いた種。
自分の生き様すら検証し直さなければならない。
過去は変えられないので、変えるとしたら未来。
しかし、未来は変えることが出来るのか?
おこがましいような気もする。
ただ、日々、毎日が動いている。
動きは止められない。心臓が動く限り。
だが、一瞬一瞬は過ぎると過去になる。
方向性を持たせると未来はある程度はデザインできるのかも知れない。
※蛇足です。
中島みゆきの「糸」の歌詞では、縦の糸はあなた、横の糸はわたし、となっているが、縦横どっちがどっちでもあまり変わらないように思う。
縦、時系列血縁を縦の糸とすると、縦の糸はわたし、になり、横の糸はあなた、になる。
相手から見ると、縦の糸はあなたで、横の糸はわたしになる。
どうでもいいことだけど。