昨夜見たNHK TV番組、クローズアップ現代。
私の知らない「私の息子」〜急増する闇バイト・転落の真相。
これは深刻だった。
胸の深くを切り裂かれるような気になった。
何不自由なく育てた一人息子。
明るく素直に育っていた、、、ように見えた。
親ともちゃんとコミュニケーションを取り、生活にも困った様子はなかった。
反抗期らしきものはなく、優秀な私立中学にも進学し順風満帆な学生生活を送っていた、、、はずだった。
大学入学後は親元を離れて念願の一人暮らし。
親の仕送りにもあまり手を付けず、バイトをしたりするのだが、ホストにも挑戦。
が、3週間で辞めている。
よほど目的があるなら別だが、興味本意では、見た目と、内情、報酬、得るものを比較すると、やってられない、、、になったのだろうか。
やがてインターネットで闇バイトを知り、消極的な犯罪加害者になり、同時に交通事故に遭い被害者になる。
何よりも逆縁(子供が親より先に亡くなる)は耐え難い苦しみ。
親の心境を察すると気の毒だ、では済まされない。
お父さんは、
「もっともっと小さな失敗を息子にさせるべきだった」と悔いる。
困難と思えることを先に取り除いてしまうような、ある意味、過保護だったのかも、とこれまでを振り返る。
子供は親から自立する過程で、色んなことがある。
夜の街に消えていく女子は転落がわかりやすい。
まだ未熟な社会を知らない男子の場合、転落の機会や場が見えにくい。
正に闇。
あらゆる可能性に挑戦し、知っていることが実際にそうなのか、実験して答え合わせをしたくなる。
方程式通りの答えが出るのか、身を持って確認したくなる。
純粋無垢に育って、いざ、親の目がない一人暮らしが手に入ると、タガが外れ弾けるのだろう。
と、ここで蛇足、脱線。
わたしの場合、その瞬間は弾けたが、長く続かなかった。
わたしは、結構、真面目なところもあり、猪突猛進タイプだったので、チャラチャラ遊んでばかりの生活には不安がある。
少し先を見据える。
フードコートで自分の席を確保してから料理を注文するタイプ。
と、優等生的なことを書いても全く面白くもなんともないが。
まあそれはそれとして。
無茶をする人生お試し期間には、無茶をしなかったからといって、その反動で自由になっても無茶をするかと言えば、する場合もしない場合もある。
人生経験が浅く無知といっても、ある程度の常識や加減というものがある。
大概は危険察知能力は、小さい頃から養われていると思われる。
これぐらいやれば、人は怪我をしたり死に至るとか、湯気が出ているヤカンを触れば熱い、、、から、徐々に経験値を上げていく。
中には、不運なケースもあるだろう。
周りに信頼できる大人がいない、とか。
今回の番組のケースは、友人たちが危ない世界に首を突っ込むのは危険だからやめておけと止めたにもかかわらず、本人の強情な性格が裏目に出た、と友人の弁。
ちゃんとした親も友人もいても、色々あるようだ。
たいして必要に迫られているわけではないので、自由意思ですぐ引き返せるだろうという、そういう気持ちは誰にもあるかも知れない。
闇というものは怖い。
若さ故、幸運故に、大事に至らず乗り切ってしまうこともある。
ほんのちょっとした違い、というよりも、ほとんど同じなのに、間一髪でセーフになることも、不運でアウトになることもある。
他人事とは思えない。
だからこそ、社会全体で注意を喚起するのは事故や不幸を未然に防ぐ役に少しでも立つ。
若者だけでなく、どんな年齢層の人も危険がいっぱい。
君子危うくは近寄らず。
スリルがなくても、退屈でも、ローリスク、ローリターン。
だが、血気盛んな若者には通用しないかも。
年寄りの冷や水。
わたしは、ヒヤヒヤドキドキする。
ひょっとして血圧が高いのか?