夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『スケルトン・キー』

2006年01月16日 | 映画(さ行)
『スケルトン・キー』(原題:The Skeleton Key)
監督:イアン・ソフトリー
出演:ケイト・ハドソン,ジーナ・ローランズ,ジョン・ハート他

意を決して借りた、劇場未公開のオカルト・ホラー。

ルイジアナ州、ニューオーリンズが舞台。
ハリケーン“カトリーナ”に直撃されたこの地は、
ジャズ発祥の地として活気溢れるイメージがある一方、
湿地帯が多く、そのじめじめした暗い雰囲気が
かねてからホラーやミステリーに使われ易いようです。

『エンゼル・ハート』(1987)と同じく、
本作もブードゥー教がおどろおどろしさの基本。
ブードゥー教とはカリブ海周辺の黒人奴隷の間で広まった信仰で、
ニューオーリンズにもたくさんの信者がいるそうです。
本作に登場するのは「ブードゥー」ではなく「フードゥー」で、
ブードゥーは宗教、フードゥーは呪術であると説明されています。

病院に勤務する看護師のキャロラインは、
身寄りのない老人が亡くなると、ビジネスライクにさっさと病床を片づけることに嫌気がさす。
余命わずかな老人の住み込み介護の求人を新聞広告で見つけ、さっそく応募する。

面接に訪れたのは沼地にたたずむ屋敷。
脳梗塞で倒れて寝たきりのベンと、その妻のヴァイオレットが暮らす。
夫妻の資産管理を担当する弁護士のルークがキャロラインに応対する。
ヴァイオレットはキャロラインを気に入らない様子で、
「彼女にはこの家を理解できない」と不可解なことを口走る。
辞退しようとするキャロラインにルークが懇願。

こうして住み込むことになったキャロラインは、
ヴァイオレットから屋敷を案内され、
施錠された30もの部屋を1本で開けられるというマスターキーを受け取る。

ある日、マスターキーでも開かない部屋が
屋根裏にあることにキャロラインは気づく。
ピンで鍵穴をこじ開けて入ってみると、
そこにはフードゥーに関する本やレコード、
ホルマリンの瓶、布で覆われた無数の鏡が。
やがてキャロラインはこの屋敷の秘密を知り……。

凝った映像は何もないのに、、役者がみんな巧くて怖いんです。
観終わったときは平気だったのですが、寝る前になったら思い出してゾワ~ッ。
塩盛りを思わせるレンガくずや、
土地の人が食べる生牡蠣も不気味さを煽ります。
両脚を骨折しても這い続けるヴァイオレットの姿は
『運命を分けたザイル』(2003)の登山家より凄絶。

信じる者は救われると言うけれど、
信じる者は呪われる。

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