夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『東京少年』/『東京少女』

2008年09月11日 | 映画(た行)
『東京少年』/『東京少女』
監督:平野俊一/小中和哉
出演:堀北真希,石田卓也他/夏帆,佐野和真他

若手女優の発掘で定評があるプロデューサー、丹羽多聞アンドリウ。
その代表作『恋する日曜日』と同様、
本作もBS-iとTBSで放送されたオムニバス形式のTVドラマです。
そのうち、堀北真希と夏帆主演の2作が、今年初めに劇場公開されました。
どちらも、「決して逢えない二人の叶わぬ恋」がテーマです。

『東京少年』は、二重人格の片割れ同士の恋。
幼い頃に両親を亡くした少女、藤木みなとは、
心の支えとなってくれる文通相手、朝倉ナイトを自分の中に創りあげるが、
自分ではそのことに気づいていない。
バイト先のコンビニに来た浪人生、唐沢シュウに恋したことを、
みなとはナイトへの手紙に綴る。
みなとの中の別人格ナイトは、彼女のことを想うあまり、
シュウを攻撃にかかる。

『東京少女』は、平成と明治に生きる男女の恋。
10年前に父親を亡くした女子高生、藤咲未歩は、
母親の交際相手に会わされてイライラしていた日、
高層ビルの階段下に携帯電話をうっかり落とす。
時空のトンネルに落ちたと思われる携帯は、
明治45年の同じ場所で、夏目漱石の門下生、宮田時次郎に拾われる。
あり得ないことだと、最初は相手を嘘つき呼ばわりするが、
SF作家を目指す未歩は、やがて状況を受け容れる。
月の綺麗な夜にのみ繋がる携帯で、ふたりは会話を重ねるように。

キャッチコピーは同じでも、全然ちがう味わい。
2本併せてどうぞ。

前者は、堀北真希演じるナイトがオトコマエで怖すぎ。
ちょっとホラーっぽくもありました。
みなとがシュウとの初デートで、食べたいものを言えずにいると、
シュウが勝手にオムライスを注文してしまうシーンがあります。
そのときの表情は、今になっても解せません。
あれは、苦いとまどいの表情だと思いましたが、ちがった!
だけど、今の堀北真希なら、嬉しいとまどいの表情が出せる気がします。

後者は、時空を超えた恋愛話にハズレはないと思ったほど。
未来がわかっていたとしても、
人として、しなければいけないことがある。
そうすることで、未来が変えられることだってある。
ネタとしては決して目新しくありませんが、
やっぱりジワ~ンと来てしまうのでした。
ふたりと唯一、同じ時間に居合わせることができたおばあちゃん。
その表情を見れば幸せが伝わって来ます。

時空を超えたデート、してみたいと思いませんか。

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