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『お母さんが一緒』

2024年07月20日 | 映画(あ行)
『お母さんが一緒』
監督:橋口亮輔
出演:江口のりこ,内田慈,古川琴音,青山フォール勝ち他
 
封切り日の夜の回をイオンシネマ茨木にて。
 
原作はペヤンヌマキ主宰の演劇ユニット“ブス会*”の同名舞台劇
橋口亮輔監督がTVドラマシリーズ化してCSチャンネルで放映。
それを劇場用に再編集した映画版なのだそうで、
「ホームドラマチャンネル開局25周年記念オリジナルドラマ」との触れ込みです。
 
「お母さん」の姿は冒頭で車の中に薄ぼんやり映るだけ。
もとが舞台劇らしく、物語は必要最低限の人数で進んで行きます。
 
母親の誕生日を祝うため、親孝行のつもりで温泉宿に連れてきた三姉妹
長女の弥生(江口のりこ)は容姿にコンプレックスを持ち、
美人と言われてちやほやされてきた次女の愛美(内田慈)に嫌味を言い通し。
一方の愛美は愛美で、優等生の弥生と常に比較されたことを根に持っている。
 
男性と交際経験がまったくないままで見合い結婚をした母親は、
いつも父親の悪口を娘たちに聞かせ、ネガティブな発言ばかり。
そんな母親に嫌気が差して、弥生と愛美は早々に実家を出た。
そのあと母親の面倒を見つづけてきたのが三女の清美(古川琴音)。
 
実は今回の旅行で清美が母親に用意したプレゼントは、自分の結婚宣言。
いきなり母親に会わせるわけにもいかないから、まずは姉たちに紹介しようと、
宿に到着後、相手のタカヒロ(青山フォール勝ち)を呼び寄せる。
 
ところが、まさか清美が結婚を考えているとは想像もしていなかった姉たちは仰天。
祝福してくれるどころか思いとどまるように言われて清美も憤慨し……。
 
江口のりこと内田慈の演技は予想できることでしたが、
古川琴音もこんな役を演じられるとは意外。でもピッタリ。
それぞれの外見と中身(は実のところは私らにはわからないけれど)がハマり、
とても面白いドラマに仕上がっています。
 
もともと橋口監督の作品は好きですが、やっぱり好きだなぁと再認識。
弥生のひがみっぷりが物凄いのと、愛美の色目使いがなかなかキモいのとで、
序盤は鬱陶しくなったりもしたけれど、それもこれも演技が上手いから。
 
男性と女性の思考回路が異なるというのを私に教えてくれたのはこの映画ですが、
男は「それはそれ、これはこれ」で考えられるということが、
青山フォール勝ち演じるタカヒロを見ているとよくわかります。
彼の台詞の中で、「思い詰めて夜に考えたことはたいてい間違っている。
大切なことは太陽の出ているときに考えたほうがいい」がとても心に残りました。
 

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