夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ガチ☆ボーイ』

2008年09月24日 | 映画(か行)
『ガチ☆ボーイ』
監督:小泉徳宏
出演:佐藤隆太,サエコ,向井理,仲里依紗,宮川大輔,泉谷しげる他

『タイヨウのうた』(2006)と同監督の作品。
同じ難病ものとはいえ、あまりにイメージがちがうので、ちょっと驚きでした。
だけど、「人の記憶に残る生き方をする」という点では一緒。

某大学のプロレス同好会。
スター選手が抜けて、新人は一向に入ってくる気配がなく、
部員たちの表情は暗い。

そこへやって来たのが、背だけは高いが、見るからにひ弱な五十嵐。
去年の学園祭でおこなわれた試合を観戦して、
スター選手のドロップキックに魅せられたが、
それ以上に部員みんなの楽しげな様子が忘れられず、
自分もその一員に加わりたいのだと、彼は言う。
部員たちは大喜びし、五十嵐にプロレスのいろはを教え始める。

ところが、五十嵐は信じられないほど物覚えが悪い。
五十嵐にその自覚はあるようで、何でもメモに取り、
ポラロイド写真におさめてまで懸命に覚えようとしているが、
昨日教えたことを思い出すのに、メモを繰らなければわからない。

そんな五十嵐も、デビュー戦を迎えることに。
大学プロレスは安全第一。危険を回避するために台本が存在する。
しかし、それを思い出せなくなった五十嵐は、いきなりガチンコ勝負に出てしまう。
そのおかげで一躍人気者になるのだが……。

五十嵐がメモを取りまくる理由は、物語中盤で明かされます。
学内でも有名な秀才だった五十嵐は、数カ月前の事故で頭を打ち、
記憶を1日しか保てない障害を負いました。
眠れば前日のことを忘れてしまうため、毎日丁寧に日記を付け、
目が覚めたときにはまず日記を読むようにと、
ベッドから見える壁という壁に「日記を読め」という貼り紙をしています。

泣けるやんか~。でも、湿っぽくはありません。
ベタですけど、青春時代の友情とか、恋心とか、親心とか、兄妹の絆とか、
あらゆるものがちょうどいい具合に詰め込まれています。
そんなに詰め込まれたら、涙腺に響くやん。
最後の回想シーンのせいで、一気にTVドラマっぽくなってしまうことを差し引いても
私には直球ド真ん中。

翌朝になると前日の記憶が消えてしまうという設定が
『50回目のファースト・キス』(2004)と同じです。
こちらは女性がその記憶障害の持ち主で、
彼女を好きになってしまった男性が、
告白するところから毎日やり直すというラブ・コメディ。
これもオススメ。

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