夜な夜なシネマ

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『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』

2011年11月08日 | 映画(あ行)
『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』
監督:本田隆一
出演:竹野内豊,水川あさみ,樹木希林,片桐はいり,荒川良々,
   橋本愛,でんでん,山里亮太,柄本明他

今年のGWの頃に見たTV番組で、水川あさみが宣伝をしていたのを見ました。
おもしろそうだとは思いつつも、劇場までは足が向かず。
先週レンタル開始になったので早速。

監督の名前に聞き覚えはありませんでしたが、
あらま、この人の作品は結構観ていることが判明。
特に『GSワンダーランド』(2008)は大のお気に入り。
深夜ドラマ『傍聴マニア』もこの監督の演出だったようで。

ちなみに、先日『パラダイス・キス』(2011)を観ましたが、
向井理くんなら、私は『傍聴マニア』の自信なさげな学生役がいちばん好きでした。
気取っていて、チャラそうな役は、どうも演じている向井くん自身、
照れくささがあるのではと感じてしまいます。

閑話休題、『大木家』のお話。

長い同棲生活の末に結婚した大木信義と咲は、新婚だというのに倦怠モード。
おまけに、引っ越しの荷物を全部開けるも炊飯器が見当たらず、
ごはんが食べたい信義は文句たらたら、咲はキレ気味。

ダレダレで近所のスーパーへ買い物に出かけた咲は、
通りすがりの怪しげな女性占い師から炊飯器のことを言われて驚く。
どうも占い師が炊飯器の行方を知っている様子。

翌日、ふたり揃って再び占い師のもとを訪れると、
占い師の隣にはこれまた怪しげな、但馬と名乗る女性が立ち、
ふたりに地獄ツアーなるものを勧める。

当日の集合場所はスーパーの屋上。
地獄エビ食べ放題、1泊22,000円也のコースを選び、
なぜか屋上に設置されたバスタブを覗き込むと地獄に落ちて……。

非常にゆるいです。けど、DVDで観るにはうってつけ。

占い師と但馬コンビには樹木希林と片桐はいり。
このキャストからしてめちゃくちゃ可笑しい。

ツアー開始後、決して振り向いてはいけないと警告を受けていたのに、
好奇心に負けて振り向いてしまったふたりは、「赤い人」に襲われます。
人は地獄に長く滞在すると体表面が赤か青に変わるそうで、
赤くなるとどんどんモノを忘れ、言葉も話せずうめくだけ。
その「赤い人」を演じるでんでんが、『冷たい熱帯魚』(2010)とは異なる怖さ。
赤い人になってもいいかなとつぶやいた信義が印象的でした。

「青い人」で地獄旅館の主人、いいじま役の荒川良々が最高。
信義と咲が宿のアップグレードをケチったせいで、
ふたりの宿泊階は22階、エレベーターは無し。
温泉階の説明をするいいじまは、「46階と127階にございますが、
たいていのお客様は127階は断念されます。46階がお勧めです」。
「振り向いたから危険な目に遭ったのだろうか」という、
ふたりの質問に対するいいじまの答えにも大笑い。
46階の温泉でも危険にさらされますが、これがまた「悪くない」。

青い少女ヨシコに案内されるナイトマーケットも楽しげです。
炊飯器は地獄への置き土産。
お決まりだけど、ハッピーエンドで後味良し。
地獄エビの食べ放題はパスで。

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