『奇跡』
監督:是枝裕和
出演:前田航基,前田旺志郎,オダギリジョー,夏川結衣,阿部寛,
長澤まさみ,原田芳雄,大塚寧々,樹木希林,橋爪功他
今年の梅雨時に公開、先週末からレンタル開始。
近頃、メジャーな映画作品の多くが小説やコミックを映画化したもので、
映画オリジナルの作品にはなかなかお目にかかれなくなりました。
本作は、『ワンダフルライフ』(1999)や『誰も知らない』(2004)の是枝裕和監督が、
小学生兄弟漫才コンビ“まえだまえだ”を主役に抜擢して、
2011年3月に全線開通した九州新幹線をモチーフに脚本を書き上げたオリジナル。
監督お得意の、「脚本を子役には渡さずに撮影を進行する」という手法が用いられています。
余談ですが、子役の一人は本木雅弘と内田也哉子夫妻の娘だそうで、
ばあちゃん役で出演している樹木希林の実の孫。ほぉ~。
小学6年生の航一と4年生の龍之介は仲の良い兄弟。
しかし、売れないミュージシャンである父親に母親が愛想を尽かし、両親が離婚。
航一は鹿児島で母の実家で、龍之介は福岡で父と暮らしている。
家族4人の絆を取り戻したい。そう願う兄弟。
ある日、航一は同級生からこんな噂を聞かされる。
「九州新幹線が全線開通する朝、鹿児島から福岡へ向かう一番列車と、
福岡から鹿児島へ向かう一番列車がすれちがう瞬間を見ることができれば、
奇跡が起こって願い事が叶う」と。
居ても立っても居られずに、龍之介に電話する航一。
奇跡を起こそうと決意したふたりは、周囲を巻き込んで計画を立て始める。
航一と龍之介の同級生数名がこの計画に乗り、
それぞれがそれぞれの計画に夢中になる姿が愛敬満点。
まずは地図を広げてすれちがう場所の見当をつけます。
熊本が目指すべき地だということが判明し、
今度はそこまで行くのにかかる電車賃の算段。
自販機の下に百円玉を見つければ狂喜。
何しろ極秘計画ですから、必要以上には大人に頼りません。
それでも、心底困ったときは、じいちゃんの出番。
航一たちが早退を試みて保健室を訪れたとき、
頼みのじいちゃんが若干早く現れたのは可笑しすぎ。
列車がすれちがう瞬間、みんなが願いをわめき立てるなか、
何も口には出さない航一。
帰ってきてから龍之介に詫びる航一の言葉がとてもいいです。
そして、あれほど「意味わからん」と嫌っていた桜島の灰をも、
航一は受け入れるようになるのでした。
九州の話だけど、「太陽の塔」も登場。
「仕分け」の意味を知った龍之介がボソリ、
「お父ちゃん、お母ちゃんに仕分けされたんやろぉ」。
子どもって、残酷。(^^;
原田芳雄の元気な姿を見られて得した気分。
じいちゃんのかるかん、食べたいです。
監督:是枝裕和
出演:前田航基,前田旺志郎,オダギリジョー,夏川結衣,阿部寛,
長澤まさみ,原田芳雄,大塚寧々,樹木希林,橋爪功他
今年の梅雨時に公開、先週末からレンタル開始。
近頃、メジャーな映画作品の多くが小説やコミックを映画化したもので、
映画オリジナルの作品にはなかなかお目にかかれなくなりました。
本作は、『ワンダフルライフ』(1999)や『誰も知らない』(2004)の是枝裕和監督が、
小学生兄弟漫才コンビ“まえだまえだ”を主役に抜擢して、
2011年3月に全線開通した九州新幹線をモチーフに脚本を書き上げたオリジナル。
監督お得意の、「脚本を子役には渡さずに撮影を進行する」という手法が用いられています。
余談ですが、子役の一人は本木雅弘と内田也哉子夫妻の娘だそうで、
ばあちゃん役で出演している樹木希林の実の孫。ほぉ~。
小学6年生の航一と4年生の龍之介は仲の良い兄弟。
しかし、売れないミュージシャンである父親に母親が愛想を尽かし、両親が離婚。
航一は鹿児島で母の実家で、龍之介は福岡で父と暮らしている。
家族4人の絆を取り戻したい。そう願う兄弟。
ある日、航一は同級生からこんな噂を聞かされる。
「九州新幹線が全線開通する朝、鹿児島から福岡へ向かう一番列車と、
福岡から鹿児島へ向かう一番列車がすれちがう瞬間を見ることができれば、
奇跡が起こって願い事が叶う」と。
居ても立っても居られずに、龍之介に電話する航一。
奇跡を起こそうと決意したふたりは、周囲を巻き込んで計画を立て始める。
航一と龍之介の同級生数名がこの計画に乗り、
それぞれがそれぞれの計画に夢中になる姿が愛敬満点。
まずは地図を広げてすれちがう場所の見当をつけます。
熊本が目指すべき地だということが判明し、
今度はそこまで行くのにかかる電車賃の算段。
自販機の下に百円玉を見つければ狂喜。
何しろ極秘計画ですから、必要以上には大人に頼りません。
それでも、心底困ったときは、じいちゃんの出番。
航一たちが早退を試みて保健室を訪れたとき、
頼みのじいちゃんが若干早く現れたのは可笑しすぎ。
列車がすれちがう瞬間、みんなが願いをわめき立てるなか、
何も口には出さない航一。
帰ってきてから龍之介に詫びる航一の言葉がとてもいいです。
そして、あれほど「意味わからん」と嫌っていた桜島の灰をも、
航一は受け入れるようになるのでした。
九州の話だけど、「太陽の塔」も登場。
「仕分け」の意味を知った龍之介がボソリ、
「お父ちゃん、お母ちゃんに仕分けされたんやろぉ」。
子どもって、残酷。(^^;
原田芳雄の元気な姿を見られて得した気分。
じいちゃんのかるかん、食べたいです。