夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『キャプテン・フィリップス』

2013年12月05日 | 映画(か行)
『キャプテン・フィリップス』(原題:Captain Phillips)
監督:ポール・グリーングラス
出演:トム・ハンクス,バーカッド・アブディ,バーカッド・アブディラマン,ファイサル・アメッド,
   クリス・マルケイ,ユル・ヴァスケス,デヴィッド・ウォーショフスキー,キャサリン・キーナー他

「映画の日」に映画を観に行けることはそうそうありません。
今月は日曜日と重なり、午後はご近所の方が出演するコーラスを聴きに行く予定。
午前中に1本だけなら観られそうだと、109シネマズ箕面へ。

サッカーの練習でグラウンドへ向かうダンナに送ってもらったため、
みのおキューズモールに着いたのは8時半。
朝早い時間のイオンに入り、見切り処分のパンが38円で売られているのを見て驚く。
この時間帯の買い物客は、一人暮らしとおぼしき若年男性が多いことにまた驚く。

去年観たトム・ハンクス監督&主演の『幸せの教室』(2011)にガクッ。
今年観た『クラウド アトラス』(2012)は賛否両論でしたが、私の心には強く残りました。
さて、予告編で大いに期待させられた本作はどうだったかと言いますと、
予告編倒れではなく、見応え十分、良かったです。

2009年4月、ケニアへの救援物資を運ぶため、
アメリカのコンテナ船マースク・アラバマ号はインド洋をモンバサへ向かって航行。
船長を務めるリチャード・フィリップスは、武装した海賊に襲撃されることを懸念。
抜き打ちで乗組員たちの訓練をおこなってみたところで不安は消えない。

後方を確認すると不審なボートが追ってきている。海賊であることは間違いない。
フィリップスはすぐさま乗組員たちにそれを伝え、
無線を通じて海賊に偽情報を与えるなど策を講じるが、
あきらめない海賊はもうすぐそこまで来ている。
フィリップスは、海賊に乗り込まれる直前に、乗組員数名のみを自分と共に残して、
ほかは機関室で隠れているようにと指示する。

海賊はソマリア人の総勢4名、リーダーはムセという男。
こんなに大きな船に船長と数名の乗組員しかいないなどとは信じないムセは、
船内を案内せよとフィリップスを脅す。
フィリップスや乗組員らの機転により、逆にムセを捕まえることに成功。
非常時資金3万ドルをムセたちに渡して救命艇で逃がすという交渉が成立したかに見えたが、
救命艇にフィリップスまでも押し込んだまま、救命艇は出発してしまう。

事件の一報を受けたアメリカ政府は、海軍特殊部隊ネイビーシールズを出動させ、
人質となったフィリップスの救出作戦を開始するが…。

トム・ハンクスはやっぱり監督には手を出さずに役者に徹するべし。
乗船時に感じた不安、船長としての厳しい態度、乗組員を守ろうという決意、
知的な駆け引き、そして、ようやく解放されたときに見せる表情。
どれを取っても素晴らしいとしか言いようがありません。

海賊たちは胸を張って「俺たちは漁師だ」と言いますが、
武装して平気で人を脅し傷つける彼らに、
フィリップスは「君たちは漁師なんかじゃない」と言い放ちます。
「漁師である君たちが誘拐なんかせずに生きる道はほかにあるだろう」というフィリップスの言葉に、
ムセは「アメリカだったらな」。なんと辛い台詞なのか。

なぜ海賊はソマリア人なのか。
そこには本作で説明されることはなかった軍事がらみの背景があり、
それを抜きにして美談になっている点はちょっと残念かも。
だからやはり話半分と捉えなければいけないとは思いますが、ま、これは映画だ。
役者の演技を堪能すべく、劇場で観るべし。

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