夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『愛の旋律』

2021年04月06日 | 映画(あ行)
『愛の旋律』(英題:Rosebud)
監督:チョ・ソクヒョン
出演:ユ・ホジョン,パク・ソンウン,オ・ジョンセ,チェ・スビン,
   ハ・ヨンス,イ・ウォングン,チェ・ウシク他

初めての緊急事態宣言が発令された昨春。
4月初めにこの作品を観たのを最後にどこの劇場も休業に入りました。
そりゃもう悲しくて寂しくて、以後はなかば意地でネット配信の映画を観まくり、
休業明けには劇場で映画を観まくり、

おかげで一日たりとも休むことなくブログを更新できましたが、
今年はダンナがリモートワークでほぼ毎日家におるから、終業後の劇場通いができません(笑)。
一昨日まではなんとか毎日更新してきたものの、このままではネタが尽きる。
ええい、意地で更新するのは止めてしまえ。ということで昨日休んでみた。
今後は意地を張る必要もなくなったので、更新頻度をちょっと落とします。
 
さて、で、2016年の韓国作品をDVDレンタルにて。

日本では劇場未公開だった作品です。
この邦題はまちがいなく韓流大ヒットドラマ『愛の不時着』に乗っかったのでしょう。
と思ったら、『愛の不時着』に出演しているパク・ソンウンも出ているのか。
『愛の不時着』を飲み友だちのお姉さんに借りたまま、
まだ第1話の冒頭しか観ていないので、パク・ソンウンの役どころを知りません。
 
主演は『サニー 永遠の仲間たち』(2011)の主演女優ユ・ホジョン。
これは『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)として日本でもリメイクされましたが、
韓国のオリジナルのほうが百倍ぐらいよかった。
ほかにもなんかわりと有名な俳優が出演しているようです。知らんけど。
 
1970年代なかば。
昼間は町工場、夜はライブ喫茶“ルノアール”でウェイトレスとして働くローズ。
ある晩、ライブ予定のバンドが来ず、客が文句を言い始めて暴動が起きる寸前。
店長から「なんとかしろ」と言われたローズが舞台に上がって歌ったところ、大盛り上がり。
ちょうど来店中だったレコード会社の女社長の目に留まり、スカウトされる。
 
同じ夜、来店していたソウル大学医学部の学生ミョンファンはローズに一目惚れ。
思わずローズに声をかけ、デートに誘う。
交際を始めたふたりは毎日幸せで楽しくてたまらない。
 
しかし、ミョンファンの父親はこの交際に大反対。
ハーバード大学への留学を息子に強いる。
ローズに相談するつもりで会いに行ったミョンファンだったが、
彼女がチームを組む男性と一緒に歌を練習するのを見て嫉妬し、
そのままアメリカへと旅立ってしまう。
 
歌手デビューも夢ではなくなったというのに、ローズは妊娠。
シングルマザーとして娘ヒョナを育てるのだが……。
 
韓国も日本もおそらく1970年代は似ているのでしょう。
こんな化粧をして、こんな服を着て、音楽のかかるお店にたむろする。
ノスタルジックな雰囲気がなんともいえず楽しい。
 
ローズとミョンファンが偶然再会したのち、
ミョンファンはすぐにヒョナが自分の娘であることを知ります。
可愛らしい顔立ちのミョンファンが中年になったらパク・ソンウンの顔というのは
なんだか納得がいきませんが(笑)、
わりと悪役のイメージがあるパク・ソンウンがこんな温かみのある役とは。
 
ミョンファンに手を差し伸べられても固持し、
自分ひとりでヒョナを育てることにこだわるローズは、
友人から誘われてそうとは知らずにマルチ商法でモノを売ってしまう。
客から「安全なのか」と尋ねられて、
「国が破産しないかぎり大丈夫です。国が破産なんてするわけがない」と
マニュアルで用意されたとおりに答えるけれど、国家が破産する日が来ます。
 
自分が叶えられなかった夢を娘も追っていると知り、
ヒョナをミョンファンに託すことにしたローズ。切ないです。
 
切ないんですけれど、製作当時に日本で劇場公開が見送られたのも納得。
涙が止まらないなんてこともない。
はぁ、この程度ですかという出来具合。
 
『愛の不時着』が大ヒットしたせいで慌ててDVD化したのか、日本語字幕も雑。
「子どもを堕ろす」と書くべきところ「子どもを降ろす」になっているし、
「浴びれた」などほぼすべてら抜き
「している」が「しいてる」になっていた箇所もありました。
なんぼ急いでいたとはいえ、もう少し丁寧にお願いしたいものです。
 
ちなみに、パク・ソンウンの『愛の不時着』での役どころは、
名もなきタクシー運転手だと、同僚に教えてもらいました。
私も早く観なくちゃ、『愛の不時着』!

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