『きこえなかったあの日』
監督:今村彩子
緊急事態宣言が発令されても、ミニシアターは営業可能だろうと思っていたのに。
大阪で営業している劇場は2館のみ。
十三といえば、先週の“秘密のケンミンSHOW”に映っていましたね。
みたらし団子で有名な喜八洲本店があるのがまさにココ。
被災した聴覚障害者がどのように暮らしているのか。
宮城、熊本、広島など、地震や豪雨に見舞われた土地に足を運び、
コロナ禍の昨年まで10年に渡って取材したドキュメンタリー。
今村彩子監督自身が生まれつき耳が聞こえません。
今村監督が撮影中に揺れを感じるシーンから始まります。
東日本大震災直後の宮城。
聴覚を持たない今村監督は、地震が起きていることはわかる。
でも、警報は聞こえないから、津波の情報などはわからない。
被災者は避難場所に行っても戸惑う。
食糧などが支給されるときも、周囲の人々がざわめいて立ち上がる、
今から何があるのかわからないけれど、ついていくだけ。
東日本大震災のときの経験から、熊本では聴覚障害者であることを自ら示せるよう、
工夫が凝らされるようになりました。
みんなの不安を少しでも払拭しようという動きが見て取れます。
逆に、聴覚障害者がボランティアを買って出ることも。
ある被災地では、自分が聴覚障害者であることを話すと困惑され、
ボランティアを断られたという人がいました。
でも、その後の被災地ではボランティア志望が快諾されたそうです。
耳の聞こえない人にボランティアは無理だと決めつけてしまう。
耳が聞こえる人のほうが上で、耳が聞こえない人を守る立場のようにも思ったりする。
でも耳の聞こえない人が下なんてことはなく、こちらが救われることも多い。
ろう学校で口話の教育に重きが置かれ、手話を禁じられた実態があったことに驚きました。
手話言語条例が広まればいいと思います。
いろんな気づきのある作品。