『劇映画 孤独のグルメ』
監督:松重豊
出演:松重豊,内田有紀,磯村勇斗,村田雄浩,ユ・ジェミョン,塩見三省,杏,オダギリジョー他
監督:松重豊
出演:松重豊,内田有紀,磯村勇斗,村田雄浩,ユ・ジェミョン,塩見三省,杏,オダギリジョー他
イオンシネマ茨木にて、前述の『366日』の後に。
久住昌之・作、谷口ジロー・画による同名漫画を実写化したTVドラマシリーズが大ヒット。
初の劇場版は主演の松重豊が監督を務め、脚本も共同で執筆した模様。
ちなみに私は一度も観たことがありません。こんなに有名なシリーズなのに。
だから、主人公の職業が輸入雑貨商であることを知ったのは本作を観はじめてずいぶん経ってから。
ついでに下戸の設定だということも知らなかったから、そうだと知って「えーっ!」。
パリにやってきた井之頭五郎(松重豊)。
かつてこの地で一緒に暮らしていたの恋人の娘・千秋(杏)からの依頼に応えるためだ。
千秋の祖父・一郎(塩見三省)が所望していた絵画を引き渡して御役御免かと思ったら、一郎はもうひとつ頼みがあると言う。
それは、一郎が子どもの頃に母親が作ってくれた汁をもう一度飲みたいということ。
記憶をたどりながら千秋が作ってみたものの、パリでは手に入らない食材もあり、一郎の母親の味とはどうも違うらしい。
手がかりがなければどうしようもないことだが、一郎や千秋の話を掻き集め、その味を再現しようと考える五郎。
ところが、船に乗り損ねてスタンドアップパドルボードを借りた五郎は嵐に遭って遭難。
目覚めるとそこは韓国の離島で、訳あってこの島で共同生活を送る女性たちが食品研究所を設立していた。
女性たちのうちのひとりで日本人の志穂(内田有紀)に遭難に至る食材探しの事情を話すと、
何かの参考になるかもしれないと言って、島の特産品を使った料理でもてなしてくれる。
聞けば志穂は東京で夫(オダギリジョー)と飲食店を開いていたと言う。
順調なスタートを切るがコロナ到来。食材が高騰して入手困難になると、夫婦の仲もギスギスしはじめる。
一旦離れるほうがお互いにとってよさそうだと考えて別れたのだと。
東京に戻った五郎がその店“さんせりて”を訪れてみると、すっかりやる気を失っている店主。
もうラーメンを作る気はないからとラーメン鉢はすべて割り、およそ営業中とは思えない店内は暗く散らかっている。
入店すると「チャーハンしかないよ」と店長の声。しかしこのチャーハンが驚くほど旨い。
それからしばしば“さんせりて”に寄ってはチャーハンを食べるようになった五郎は、
同じようにチャーハンを食べに通いつめる客・中川(磯村勇斗)に話を聴く。
“さんせりて”のラーメンはスープがこのうえなく美味しかったとのこと。
中川はまたあのラーメンを食べたくて店主を口説いているそうだが断られてばかり。
五郎は中川と協力しあって一郎の望むスープを店主に作ってもらおうと口説きにかかるのだが……。
コロナで食材が手に入らなくなり、店も傾いて投げやりな店主。
やってみようかという気持ちにさせたのは、「食材を安く手に入れられます」という五郎の言葉。
食材さえあれば旨いものを作る自信があるし、作りたいのにということなんですよね。
お金がなければ良い腕があってもどうにもならないのだなぁと思うと悲しくなります。
このシリーズは日本のみならず韓国でも大人気とのこと。それで韓国まで行ったのかな。
ボートで韓国に流れ着いた結果、不法入国になってしまった五郎の手続きをしに迎えに行ったら、
腹が減ってたまらなかった五郎がその辺の店に入って食事しようとしています。
食事が終わるまで待ってほしいと言われて仕方なく待ってやることにしますが、
自分だって腹が減っているのに、目の前で五郎が実に美味そうに飯を食いやがる。このシーンは笑いました。
五郎の車のナンバーは「563」。「五郎さん」なのですね。
それにしても下戸かぁ。この食事で酒一滴もなしは考えられんと私は思ってしまうのでした。