夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『オーガスト・マイ・ヘヴン』

2025年03月09日 | 映画(あ行)
『オーガスト・マイ・ヘヴン』
監督:工藤梨穂
出演:村上由規乃,諏訪珠理,藤江琢磨,長谷川七虹,山﨑龍吾,西出明,鈴木卓爾他
 
第七藝術劇場にて、前述の『ザ・エクソシズム』の次に。
十三まで出かけてコインパーキングに駐めて、映画1本だけで帰るのはもったいないなぁ、
でもたまには早く帰りたいなぁと思っていたところ、この40分の短編が。
これを観たって終わるのは21時過ぎだから、早めでありがたい。
 
奇しくも京都が舞台の作品は数日前に観たばかり。『事実無根』がそれでした。
あっちが京都全開の作品だったのに対し、こっちは標準語だということもあり、京都っぽくはありません。
 
城野譲(村上由規乃)の仕事は代理出席屋。
依頼人の親族のふりをして冠婚葬祭に出席したり、友人のふりをして依頼人が必要とする場に顔を出したり。
いろんな人のふりをしているものだから、出かけた先で誰某さんと声をかけられることもしばしば。
いつも上手く受け答えして流している。
 
譲の行きつけの中華料理店で働く三枝南平(諏訪珠理)は彼女への想いを打ち明けるもかわされてしまう。
8月が終わればこの町から出て行くかもしれない譲。落ち着かない南平。
 
ある日、代理の仕事で葬儀に参列した譲は、夢の中に現れた見知らぬ男・長谷薫(藤江琢磨)に遭遇。
どうやら譲は薫の旧友・いづみにそっくりらしく、薫は譲のことをいづみだと思い込む。
しかも薫は南平といづみの共通の友人で、薫はいづみになりすました譲を連れて南平の勤め先に現れて……。
 
「自らの肉体を持ちながら自分ではない何者かになる“演じる”という行為へ、
そして関係性を演じる中で積み重ねられる“時間”という事実へアプローチをかけながら、
人と人が共に在ることへのかけがえのなさを映し出した意欲作」とあります。
正直言って、そんな難しいことを言われても私にはさっぱりわからない。(^^;
 
けれど、深い意味があることを考えなければ、話の流れはいたってシンプル。
知らない人に夢の中で出会うこと。誰かになってみること。誰かと誰かが繋がっていること。
ひと夏の思い出として観ることができました。澄んだ空気に触れられたような気がします。

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『ザ・エクソシズム』

2025年03月09日 | 映画(さ行)
『ザ・エクソシズム』(原題:The Exorcism)
監督:ジョシュア・ジョン・ミラー
出演:ラッセル・クロウ,ライアン・シンプキンス,サム・ワーシントン,クロエ・ベイリー,
   アダム・ゴールドバーグ,エイドリアン・パスダー,デヴィッド・ハイド・ピアース他
 
十三・第七藝術劇場にて。あんまりこの劇場で上映するタイプの作品ではないような気がします。
実際、いつもはもっと客が入っている劇場なのに、この日はかなり少ない。
ここでラッセル・クロウを観るのはなんかちょっと違うんだなぁ。でもここでしか上映していないし。
 
ジョシュア・ジョン・ミラー監督は、あの『エクソシスト』(1973)でカラス神父役を演じたジェイソン・ミラーの息子。
ラッセル・クロウ演じる主人公の名前をミラーとしたのは、別に実体験に基づいているわけではないですよね!?
 
俳優のアンソニー・ミラーは、妻がいまわの際にいるときに娘のリーを置いて逃げ出し、酒に走った。
以降、数年の間、アルコール依存症に苦しんでいたが、このたび悪魔祓いを題材にしたホラー作品への出演が決定。
しかしこの作品は、もともと神父を演じるはずだった俳優が撮影現場で謎の死を遂げた曰く付き。
 
撮影に入ろうかという頃、リーが高校を退学処分になってアンソニーのもとへ帰ってくる。
リーはアンソニーの付き人として現場に出入りすることに。
 
久しぶりの仕事に意気込むアンソニーだったが、監督のピーターはアンソニーの演技に納得してくれない。
駄目出しばかり喰らう日々に、心身ともに追い詰められていき……。
 
冒頭、こういった悪魔憑きの作品を撮るときには、きちんとお祓いをする必要があるという女優の話があります。
たかがフィクションだとナメてかかると、あり得ない出来事が起こるのか。
ここで起きることはやっぱり芝居じみているから、途中からは茶番に見えてしまったけれど、
こんなふうに笑っていては呪われるかもしれないよとちょっとビビる。
 
『ヴァチカンのエクソシスト』(2023)でも神父役を演じていたラッセル・クロウ。
こういう役が気に入ったのだとしか思えないぐらいののめり込みよう(笑)。
自身を犠牲にしてアンソニーを救おうとするコナー神父役のデヴィッド・ハイド・ピアースがよかったです。
アンソニーの不調により代役を務めることになった俳優役のサム・ワーシントンがぶった切られるシーンは、
えっ、彼、そんな扱い!?とまたしても笑ってしまったのでした。
 
ずいぶん私もホラーに慣れたもんだわ~。

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