『サバカン SABAKAN』
監督:金沢知樹
出演:番家一路,原田琥之佑,尾野真千子,竹原ピストル,貫地谷しほり,草彅剛,岩松了,
村川絵梨,福地桃子,ゴリけん,八村倫太郎,茅島みずき,篠原篤,泉澤祐希他
109シネマズ大阪エキスポシティにて17回目の『トップガン マーヴェリック』を観た後、
109シネマズ箕面へ移動。21:25からの上映まで少し時間があったからスタバでお茶。
キューズモール箕面のスタバは22時まで営業しているからありがたい。
金沢知樹監督は元お笑い芸人らしい。
本作にチラリと出演しているゴリけんと同期で、ゴリけん曰く「永遠のライバル」だとか。
バラエティ番組の構成作家として名を揚げ、脚本家としても評価されています。
そんな金沢監督のこれが長編デビュー作。自身の出身地である長崎が舞台です。
オリジナル脚本と聞くだけで私の評価はひとつかふたつ以上アップします。
作家でありながら、自分が書きたい文芸作品では鳴かず飛ばず、
妻とは別居中で、愛娘との面会時に海を訪れた久田は、少年時代を思い出す。
1986年、夏の長崎。久田(番家一路)は作文が得意で国語の成績だけは良い小学5年生。
臆病ながら明るい性格で、それなりに友だちもいるが、後ろからついていくタイプ。
リーダー格の同級生が竹本健次(原田琥之佑)のことをからかうのを黙って見るだけ。
その竹本は家庭が貧乏。いつもランニングシャツに短パンで、それしか服がないようだ。
同級生らが面白がって竹本の家を見に行き、そのボロさをあざ笑う。
ただひとり、笑わなかった久田を竹本が「イルカを見に行こう」と誘いに来る。
山を越えた先にあるブーメラン島に行けばイルカが見られるらしい。
断れずに夏休みのある日、早起きした久田は、こっそり家を出て竹本と島に向かうのだが……。
センスのない私が言うのもなんですが、金沢監督はセンスがあると思います。
なんのことはない、子ども時代のひと夏の思い出がとても瑞々しく切ない。
それから、4人の子どもをひとりで育てる竹本の母親役に貫地谷しほり。
ボロ家でも、親の愛情をたっぷり受けて育てばこんな子どもたちになると思えます。
それだけに、母親の身に起こったことがつらい。
また、島に泳いで渡ったふたりと知り合うクールビューティーな女子高生・由香役の茅島みずきと、
正体不明でワルそうだけど優しい青年・金山役の八村倫太郎も○。
竹本のライバル、クソジジイ役にはメガネをかけていない岩松了。サイコーです。
大島ミチルの音楽もよくて、特にパンパイプを用いた曲はかかるたびに泣きそうに。
別れのシーンでは久田と一緒にほんとに泣いちゃいました。
人は気やすく「またね」と口にするけれど、本心からの「またね」はどれくらいあるのか。
「またね」が叶うといいね。