『室井慎次 生き続ける』
監督:本広克行
出演:柳葉敏郎,福本莉子,齋藤潤,前山くうが,前山こうが,松下洸平,矢本悠馬,丹生明里,松本岳,西村直人,
真矢ミキ,筧利夫,飯島直子,小沢仁志,木場勝己,加藤浩次,小泉今日子,稲森いずみ,いしだあゆみ他
先行上映初日だった11月8日はイオンシネマ茨木で、2日目だった9日はシアタス心斎橋で鑑賞しました。
何も早々と2回観んでもええやんと思ったけれど、心斎橋まで車で行ったら、
1,500円の駐車料金を払って映画1本だけで帰るのはもったいなくて。
ほかにハシゴできる作品がないか調べても何もなくて、結局2回目のこれを観るしかないのでした。
『室井慎次 敗れざる者』は納屋が燃えるシーンで終わりました。
たぶん杏(福本莉子)が火を点けたんだよねぇ。
「レインボーブリッジを封鎖し損ねた事件」では試験的に使用されていた監視カメラが
いまや至る所に設置されていて、犯罪捜査に用いられている時代ですから、それを調べりゃ犯人はすぐわかる。
地元の交番勤務のおちゃらけ新米警察官・乃木(矢本悠馬)は「被害届を出してください」と言うし、
なのに「被害届は出さない」と室井は言います。なんでだよぉとみんな不思議がったり怒ったり。
立ち位置的には青島の後継者ということになる刑事・桜(松下洸平)の隣で捜査会議に出席していた室井は、
桜から火事当日の監視カメラ映像を見せられて、杏が納屋に出入りしていたことを知ります。
そのとき、桜から知らされたことがもうひとつ。
今回の死体遺棄事件の犯人とおぼしきグループのメンバーが、杏の母親・真奈美(小泉今日子)の信者だということ。
後日、ふたたびの捜査会議中に犯人からかかってきた電話の声を聴いた室井は、
その声の主が18年前の事件の犯人と同じ、つまりすみれ(深津絵里)を撃った奴であることを確信し、桜に伝えます。
事件がもっと大きく扱われるのかと思っていたら、意外とショボい。
それよりも母親の言うとおりにするしかなかった杏や、リクと出所してきた父親(加藤浩次)の話が焦点。
タカ(齋藤潤)が「人をむやみに疑っちゃいけないって室井さんが言うんだ。自分がどう生きるかが大事なんじゃないかな」と言うところや、
リクが父親のもとへ帰ったときに「こんなことは二度と嫌だから」と勉強しまくる姿などにジーン。
母が亡くなった折に父の蔵書5千冊を片付けた私としては、「そんな本、売ったところで参考書買えるほどの額にはならんよ」と思うけど(笑)。
考えさせられたのは児童相談所の判断。
虐待を受けてきた子どもを今後育てるのは、里親よりやっぱり実の親がふさわしいというのは、本当にそうでしょうか。
「自分のほうが適正だと思っていませんか、父親としての」と問われたときの室井の顔を見れば、確かに彼には驕りがあったかもしれない。
でも、いままで子どもを酷く虐げてきた人間が、いくら口では心を入れ替えたと言っても手を出さずにいられるとは思えない。
「子どもがいたら生活保護はいくらもらえますか」なんてぬけぬけと実父が聞いてきた時点で考え直してほしかった。
さて、まだご覧になっていない方、本作の結末を知らずにいたい方はこの先を読まないでください。
室井さん、死んじゃうのか〜。
生き続けるのは彼の遺志。子どもたち3人が引き継いで生きてゆくのですね。
で、本シリーズで青島を見ることはもうできないのかと思っていたら、エンドロール後に登場。うひょー!
シリーズはまだ続くと書いてあるじゃあないか。今度はギバちゃん抜きで織田裕二なのね。
ふたり一緒のところを見られないとはなんか寂しいけれど、待ってます!