『対外秘』(英題:The Devil's Deal)
監督:イ・ウォンテ
出演:チョ・ジヌン,イ・ソンミン,キム・ムヨル,ウォン・ヒョンジュン,
キム・ミンジェ,キム・ユンソン,パク・セジン,ソン・ヨウン他
夕方、県庁前近くの日本料理店でジャズライブと懐石料理の会へ。
その前にキノシネマ神戸国際で映画を3本ハシゴすることにしました。
監督は『悪人伝』(2019)のイ・ウォンテ。
どこの国の作品であろうが、陰謀に満ち満ちた政界を描くサスペンスは面白い。
主演は悪人役も善人役もどちらも似合うチョ・ジヌン。これは善人か悪人か。
1992年の釜山。ノ・テウ大統領の政権下にある。
海雲台区に生まれ育った政治家チョン・ヘウン(チョ・ジヌン)は地元で圧倒的な人気を誇る。
このたび党の公認を受けて国会議員選挙に出馬することになったが、公示の2日前に党公認を外される。
党公認を外されては当選できるはずもなく、いったいどういう理由かと憤る。
それはヘウンが師と仰ぐ影の権力者クォン・スンテ(イ・ソンミン)が仕組んだことで、
ヘウンよりも扱いやすく自分の言いなりになる男を公認に据えるため。
承服しかねるヘウンは無所属で出馬することを決意するが、その資金がない。
そこでヘウンはスンテの極秘計画を記した「対外秘文書」を入手すると、
ピルドからフィクサーのチョン・ハンモ(ウォン・ヒョンジュン)を紹介されると、
ヘウンは選挙で確実に勝つためにピルドの協力を得て動きはじめるのだが……。
英語タイトルが“The Devil's Deal”であるように、政治は悪魔との取引。
勝つためには金をばらまくのは当然のことで、脅迫なんて序の口、殺しにまで至ったりする。
金をどれだけ使えるかが勝負ですから、いくら根回ししようと金のある奴には勝てません。
ネタバレになりますが、投票箱そのものを入れ替えてしまうなんてのもアリなのですね。
政治家、ヤクザ、フィクサー、そして新聞記者。
選挙の取材なんてしたくなかったのに上司から命じられて渋々出向いた若い女性記者(パク・セジン)が、
寄せられた情報をもとに特ダネを掴み、俄然やる気を出します。
しかし大物が裏にいれば、そういったネタもすべて潰されるどころか、命すら狙われる。
もとは善人だったはずのヘウンもすっかり悪事まみれの政治家になってしまう。
結局いちばん割を食ったのはヤクザだったりして、
最近キム・ムヨルをカッコイイと思っている私は、ピルドの末路にいたく同情しました。
世の中は汚く、人生は悲しい。
綺麗な政治はどこかにありませんか。