『屋根裏のラジャー』
監督:百瀬義行
声の出演:寺田心,鈴木梨央,安藤サクラ,仲里依紗,杉咲花,山田孝之,高畑淳子,寺尾聰,イッセー尾形他
前述の『ウィッシュ』を観てそのまま帰ろうかと思ったのですが、なんとなくまだ体力的に大丈夫そう。
同じく109シネマズ箕面にて、21:50からの回を鑑賞しました。上映終了は23:50。しんど。
原作はイギリス人作家A. F. ハロルドの児童文学『ぼくが消えないうちに』。
イギリス文学協会賞(7~11歳対象部門)の受賞作品なのだそうです。
制作はスタジオポノック。私は『メアリと魔女の花』(2017)よりこっちが断然好き。
『二ノ国』(2019)の百瀬義行監督、結構私好みかもしれません。
少女アマンダ・シャッフルアップは父親を亡くし、母親リジーと2人暮らし。
リジーは書店を切り盛りしているが、諸事情によりまもなく閉店予定。
アマンダの親友は少年ラジャー。
ラジャーはアマンダの想像がつくり出した友だち“イマジナリ”で、アマンダ以外の人間には見えない。
見えないラジャーと遊んでいるのを見て、リジーは訝るばかり。
ある日、見るからに怪しげな男ミスター・バンディングが書店を訪ねてくる。
追い返そうとするリジーの後ろにラジャーの姿を確認すると、バンディングはいそいそと退散。
リジーには見えなかったようだが、バンディングの背後には恐ろしげな少女がいた。
殺気を感じておびえるアマンダとラジャー。
実はバンディングはイマジナリを食べることで永遠の力を得ているらしく、
これまでに見たこともないほど出来の良いイマジナリ、ラジャーを狙っているのだ。
リジーとアマンダ、ラジャーが出かけた折、追いかけてきたバンディング。
逃げようとするアマンダは車に撥ねられ、病院へと運ばれる。
ひとりきりになって途方に暮れるラジャーに声をかけたのは、猫のジンザン。
言われるがままについて行くと、イマジナリたちが住む町にたどり着き……。
想像上の友だちというものが私には居たおぼえがないけれど、
もしかすると本作の登場人物たちのように、居たのに忘れているのかもしれません。
悲しいとき、寂しいとき、つらいときに支えてくれるイマジナリ。
そんな子ども時代が過ぎ去れば、一緒に居たことさえ忘れてしまう。
忘れられて、一度は消えてしまったイマジナリたちが、再び必要とされることがある。
必要としている人の前に現れて、また救ってくれるのですね。
おかしなことを言う子どもだと叱るのは簡単。
でも子どもには本当に見えているのだと思ったほうがいいのかな。
イマジナリを仕切るエミリの声は仲里依紗でしたか。エミリは泣かせてくれます。
序盤、あまりにもアマンダの話を信用しないリジーに怒りすらおぼえていたのですが、
終わってみればとても良い話。IMAXでもう一度観るのもいいかも。