『スワンソング』(原題:Swan Song)
監督:トッド・スティーヴンズ
出演:ウド・キア,ジェニファー・クーリッジ,アイラ・ホーキンス,
ステファニー・マクヴェイ,マイケル・ユーリー,リンダ・エヴァンス他
なんということでしょう。ずいぶん前に観たのに、書くのを忘れていました。
塚口サンサン劇場で3回目の『RRR』を観た日、
1本だけというのももったいないからと思ってその前にこれも観たのでした。
そしてとても良い作品だったのに、忘れていたとは(泣)。
ゲイであることをカミングアウトしていた実在のヘアメイクドレッサーがモデル。
ミスター・パットことパトリック・ピッツェンバーガーを演じるのはウド・キア。
素晴らしいです。
アメリカ・オハイオ州の小さな町サンダスキー。
かつてはヘアメイクドレッサーとして大人気だったパットは、今は現役を引退。
預貯金はなく、生活保護を受給して老人ホームで余生を送っている。
ある日、町一番の金持ちでスター女優のリタが亡くなったことを知る。
彼女の遺産を管理する弁護士がパットのもとを訪れ、
リタは死化粧をパットに依頼する旨、遺言していたと言う。
高額な報酬を提示されるもパットは固辞。
リタは自分から別のヘアメイクドレッサーへと乗り換えた人だから。
無様な姿で棺桶に入っていればいいと言い放って弁護士を帰す。
しかし、華やかな生活を送っていた昔のことが思い出されて寝つけない。
こっそりと老人ホームを抜け出したパットは、金もないのにリタの自宅へと向かうのだが……。
ロードムービーです。
金がないけど酒は飲みたい。リタに施す化粧品もほしい。
どう見ても普通ではない爺さんが万引きなどを繰り返しながら旅を続けます。
途中に立ち寄る懐かしの場所。
彼のことを覚えている住人も少なからずいて、特に服屋でのやりとりは感動的。
若かりし頃にパットに髪を切ってもらったという女性は、
自分のことなど彼が覚えているわけはないと思うし、彼も覚えていないふうだったのに。
時代の波が押し寄せて彼の店はなくなり、リタも彼を切ったと思っていたけれど、
最期は彼に任せたかった。リタの息子とパットの関係も素敵です。
佳作を見せてもらいました。なのに書くのを忘れていた自分にガッカリだわ。うえーん。