夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ハウ・トゥ・エスケイプ?』

2014年08月03日 | 映画(は行)
『ハウ・トゥ・エスケイプ?』(原題:Detour)
監督:ウィリアム・ディッカーソン
出演:ニール・ホプキンス,ブレア・グラント,ジョン・フォレスト,
   トレミー・スローカム,デブ・スナイダー他

ついつい観てしまうシチュエーションスリラー
2カ月前にDVDレンタル開始、2013年の未公開のアメリカ作品です。
ハズレの予感を胸に抱きつつ借りました。
原題の“Detour”の意味は「迂回路」。

広告代理店に勤める男ジャクソンは、車中に閉じ込められた状態で目が覚める。
周囲を確認すると、車ごと土砂に埋もれた状態。
記憶をたどってみると、出張先に向かう途中、土砂崩れに遭ったようだ。

エンジンはかからない。カーラジオもつかない。スマホも電波が届かず。
わずかなペットボトルの水と、チョコがけのプレッツェル数個、
これだけの食糧で飢えをしのぎながら、生還する方法を考えるジャクソン。

窓を少し開けてみると土砂が流れ込み、
サンルーフに亀裂が入ってめきめきと音を立てる。
深さどれぐらいの位置に埋もれているのか確認したくて
サンルーフの亀裂に指を差し込んでアイタタ。
頭も打ち付けて流血の惨事。

次第に空気が薄くなり、息苦しい。空腹感も押し寄せる。
一緒に暮らしていた恋人ローリーともう一度会いたい。
土砂で車が押しつぶされそうになったとき、
ジャクソンは手持ちの数少ない道具を駆使して脱出を試みるのだが……。

86分という短さにも惹かれて観たのですが、体感時間の長いのなんのって。
アホくさいシチュエーションスリラーはたくさん観ましたが、
これはぶっ飛び感ゼロ、ありきたりでしょぼすぎる。

同じシチュエーションの作品として秀逸だった『[リミット]』(2010)、
悪意に満ちたオチに苦笑した『ブレーキ』(2012)、どちらも楽しめました。
温水さんの『アブダクティ』(2013)はしょうもないと思いましたが、
それでもこんなに退屈ではありませんでした。

なんででしょうね、このつまらなさは。
閉じ込められた男が、恋人や仕事のことをうだうだ考える時間が長すぎるのか。
回顧シーンや妄想シーンが多くて、緊張感がないんだもん。
男優も女優もタイプじゃないというのも、退屈だった大きな理由。

脚本がおもしろければ、きっと役者は無名でもおもしろいのでしょうけれど、
つまらない作品だと、せめて目の保養になりそうな役者を使ってほしいと思うのでした。
それができるのは、やっぱり作品自体が評価される監督か。

自力で脱出してみれば、なぜかものすごく高い位置。
遥か彼方に白煙が見えたりして、まるで世界が終わったかのよう。
終末からの迂回路だったんでしょうかね。理解不能。(--;

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