夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

続・女、女、女。

2003年09月07日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
「なんたらの女」はまだまだいっぱい。

カルト的人気を誇る『白いドレスの女』(1981)。
謎の美女にハマったことから人生を狂わされる真面目な弁護士。
ムンムンと熱気の漂うフロリダを舞台に
火事に風鈴、氷風呂と、けだるさを増す風景や小道具が盛り沢山。

『蘭の女』(1990) は、
ブラジルのリオを訪れた真面目な女性弁護士が、謎の男にハマる……って書いたら、
『白いドレスの女』と男女が入れ替わってるだけやんかいさ~!(^^;
どちらも『ナインハーフ』(1985)のミッキー・ロークが出演してます。

『沈みゆく女』(2000)はカナダの作品。
小さな町のモーテルのフロント係の女性。
彼女は夫や同僚に隠れて宿泊客に身体を売り、金を貯めていた。
ある日の客に殴られた彼女。
翌日になってひたすら詫びるその男と、彼女はつきあうようになる。

『裏窓の女 甘い嘘』(1998)はフランスから。
アパートに暮らす若くて美しい夫婦。
ある日、部屋の窓から見える向かいの豪邸に住む老人が死亡。
その全遺産を夫婦に相続するという遺言が。
条件はメイドをそのまま雇うということだけだった。
半信半疑のまま、夫婦は有頂天で向かいに越すのだが……。

やはり暗くてドロドロの話ばっかりですが、抱腹絶倒の女話もあります。
『殺したい女』(1986)。
妻の財産目当てに殺人計画を立てていた男のもとへ、
その妻を誘拐したとの電話が。
願ったり叶ったりだと大喜びの夫。
身代金を要求されてももちろん払う気なし。
「はいはい、どうぞ殺してね」と。
目論見が外れた誘拐犯カップルは困り果て、
監禁された妻はヒマをもてあまし、エクササイズを始める始末。
ミック・ジャガーの曲にのせたオープニング・タイトルもおもしろい。

原題はと言いますと、
『白いドレスの女』←“Body Heat”
『蘭の女』←“Wild Orchid”
『沈みゆく女』←“Suspicious River”
『裏窓の女 甘い嘘』←“En Face”
『殺したい女』←“Ruthless People”です。

フランス語はわかりませんが、ほかのフランス映画も挙げてみると
『フランスの女』(1995)は“Une Femme Francoise”、
『隣の女』(1981)は“La Femme D'a Cote”などなど、
フランス映画のほうがそのものずばりの原題であることが多いようです。
そして、いずれも暗い!

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女、女、女。

2003年09月05日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
前述の『運命の女』以外にも
「なんとかの女」や「なになにの女」みたいなタイトルの多いこと!

トム・クルーズの元妻、ニコール・キッドマンが
悪女ぶりを発揮して話題になった『冷たい月を抱く女』(1993)。
大学に務める夫と美しい妻の幸せな家庭。
妻はある日激しい腹痛を訴えて病院へ運び込まれる。
夫の友人である外科医が執刀し、卵巣が摘出された。
その後、妻が妊娠していたことが判明、卵巣が正常であったこともわかり、
医療ミスとして夫は友人を訴える。

同じくキッドマンがやはりスゴイ悪女を演じて大きく株をあげた『誘う女』(1995)。
地方のテレビ局でお天気キャスターを務める女性が
ニュースキャスターになるために、
ありとあらゆる手を使って自分を売り込むブラックな作品。

レンタル店の「エロティック・サスペンス」の棚に配架されそうなのは
『噛む女』(1994)と『覗く女』(1995)。
前者は美しい女性の運転する車に当てられたオッサンが
ついつい同情してしまったことから破滅の道へ。
ジョン・トラヴォルタの妻、ケリー・プレストン主演。
後者は『危険な情事』(1987)の若いバージョン。
ほんの遊びのつもりの相手がストーカーに変身して……。
80年代に青春映画のトップ・アイドルだったモリー・リングウォルドが怖い。
2作品とも超B級と言わざるをえん。

『水曜日に抱かれる女』(1993)。
バツイチの売れっ子建築家は美女に出会う。
子どもにも恵まれ、幸せな日々を送っていた矢先、妻の隠された過去を知る。
さらには水曜日ごとに妻が浮気をしていると知った夫は妻を殴る。
ところがこのせいで、妻によって夫は精神異常者に仕立てられてしまう。

「なんたらな女」には
明るい話がひとつもないところがおもしろいですね。

ちなみに原題には「女」はまったく出てきません。
『誘う女』←“To Die For”
『冷たい月を抱く女』←“Malice”
『噛む女』←“Double Cross”
『覗く女』←“Malicious ”
『水曜日に抱かれる女』←“Dream Lover”となっています。

ついでに、『運命の女』の原題は“Unfaithful”でした。

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『運命の女』

2003年09月01日 | 映画(あ行)
『運命の女』(原題:Unfaithful)
監督:エイドリアン・ライン
出演:リチャード・ギア,ダイアン・レイン,オリヴィエ・マルティネス他

監督は『危険な情事』(1987)や『ロリータ』のリメイク(1997)の人。
ラブラブの貧乏夫婦が一文無しになりかけて、
女房(デミ・ムーア)を富豪(ロバート・レッドフォード)にひと晩売ることにする
『幸福の条件』(1993)っちゅう作品もありましたね。

コンスタンスはニューヨーク郊外に住む幸せな専業主婦。
どこぞの会社の社長である夫エドワードとかわいい息子の3人家族。

風の強い日、息子の誕生日プレゼントを買いに出かけるコンスタンス。
立っていられないぐらいの突風にあおられて、
彼女は本を抱えた男前の青年ポールとぶつかってしまう。
その拍子に転んで膝をすりむいたコンスタンス。
タクシーを拾って帰ろうとするが、なかなか止まってくれない。
そんな様子を見て、ポールは自分のアパートで手当てをするように申し出る。

部屋に入ると、そこは本の山。
ポールの仕事は古書販売だった。
帰りぎわに「今日の記念に」と1冊の本を手渡される。

翌日、ポールからもらった本を開いてみると、
そこには彼の電話番号を記したメモが挟まれていた。
迷いながらも彼に電話を入れるコンスタンス。
そしてふたたび彼の部屋を訪れる。
やがてコンスタンスはポールとの情事にのめりこんでゆく。

妻の心ここにあらずの態度を不審に思ったエドワードは、
探偵にコンスタンスの跡をつけさせる。
妻の浮気を知った夫は、ポールのアパートを訪ねるのだが……。

コンスタンスをダイアン・レイン、
エドワードをリチャード・ギアが演じてます。
エイドリアン・ラインってほんとにこんなドロドロ劇が好きなよう。

ツッコミどころは盛りだくさん。
コンスタンスがポールへの留守電に
「もう会うのはやめましょう。後ろめたくって」とメッセージを残すところがあるけれど、
後ろめたいからやめましょうなんて安直すぎやろ。
ほなら最初からやめとけよ!と言いたくなるし、
それでほんまにやめられるん?とも。

あのときタクシーが止まっていれば
こんなことにはならなかったのにと回想したり、
さらには息子に対して口うるさい母親だったのに、
自分の浮気後は妙に息子にやさしく、理解を示したり。
「誰にでもまちがいはあるのよ」だとぉ?
いままでのお小言はなんやってん?

とにかくヒロインの言い訳くささばかりが目につく映画なのでした。

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