『かがみの孤城』
監督:原恵一
声の出演:當真あみ,北村匠海,吉柳咲良,板垣李光人,横溝菜帆,高山みなみ,梶裕貴,
吉村文香,藤森慎吾,滝沢カレン,麻生久美子,芦田愛菜,宮崎あおい他
封切り日だった先週金曜日、実家で母と晩ごはんを食べた後、109シネマズ大阪エキスポシティへ。
21:15からのレイトショー狙い。あまりの寒さにくじけそう。駐車場からが遠い(泣)。
でも本作を観たら原作を読んでみたくなりました。
中学生の安西こころはある同級生とその取り巻きたちから嫌がらせを受け、学校に居場所がない。
登校しようとすれば腹がしくしくと痛み出す。
見かねた母親は、フリースクール“心の教室”にこころを連れて行くが、
今のこころにとっては学校に通うのもフリースクールに通うのも同じこと。やはり腹痛が起こる。
ただ、フリースクールのカウンセラー、喜多島先生だけはほかの先生と違う気がする。
その日もひきこもっていたこころは、自室の姿見が突如として光を放つのを目にする。
近づいて触れてみると、全身が姿見の中に吸い込まれてしまう。
目覚めるとそこは城。
狼の面を着けた少女らしき人物が現れ、呆気にとられるこころを城内へと引っ張って行く。
城の中にはほかに6人の男女がいて、いずれも中学生。
そして全員こころと同じ中学の生徒であるか、あるいはそうなるはずだった生徒らしい。
ハワイの中学に通っているという少年リオンを除き、
こころと5人は学校や家庭に問題を抱えて登校できずにいて……。
辻村深月は、好きではないのに読んでしまう作家のうちのひとりです。
あからさまな描写はなくとも、主人公がいじめに遭っていると思われることが多い。
もしかすると辻村さんご自身がそういう目に遭ってきた人ではないかと思えます。
かくいう私も幼稚園時代はいじめられっ子だったから、こういうじめっとした感じや、
いじめられっ子の主人公がかまってちゃんに見えると悲しくなるんです。だから好きになれない。
その一方で、いじめられた経験のある人しかわからないだろうと思えることもあり、
つらくなるのについつい読んでしまうのです。
本作も、主人公に対してイライラしつつ、何も見えていない教師にも腹が立つ。
まったく生徒の気持ちを考えていない無神経な男性教師にキレそう。
最初は娘の味方だと思えなかった母親が俄然頼り甲斐を見せるところなどは嬉しい。
何年たっても何十年経っても、いじめはなくならない。
でも、同じ悩みを持つ人が、傷の舐め合いではなくて助け合える。
こんな気持ちを持てたらいいなと思います。
ひとりじゃないから。