『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』(原題:Le Petit Nicolas: Qu'est-ce Qu'on Attend Pour Etre Heureux?)
監督:アマンディーヌ・フルドン,バンジャマン・マスブル
声の出演:アラン・シャバ,ロラン・ラフィット,シモン・ファリュ他
家の近くの劇場ではほぼ観るものがなくなったので、シネ・リーブル梅田まで行きました。
2本ハシゴの1本目は、フランスのアニメーション作品。
『プチ・ニコラ』、私はまったく知りませんでした。
ルネ・ゴシニとジャン=ジャック・サンペによる、世界中で愛されている絵本なのだそうで。
『プチ・ニコラ』(2009)と『プチ・ニコラ 最後の夏休み』(2014)、過去に実写映画化もされているのに、
どうして私は知らなかったのか。と思って自分のブログで検索をかけたら、ちゃんと観てるやん。(^^;
「ちびども、がんばる。」というタイトルで書いていました。12年前のこと。
本作はその絵本そのものをアニメ化したわけではなく、
原作者ふたりを主人公とした『プチ・ニコラ』誕生の物語が描かれています。
ルネ・ゴシニとジャン=ジャック・サンペは親しい友だち同士。
イラストレーターのサンペは文才がないことを自負していて、
作家のゴシニと組めば面白い絵本を作ることができるのではと考えます。
やんちゃな男の子の名前をニコラと決め、迷った末のタイトルはシンプルに『プチ・ニコラ』に。
ゴシニが書いた文章にサンペが絵をつける形で、ニコラの日常が描かれます。
どんな家にする? 両親はどんな人で何をしている人にする? その過程が楽しい。
ニコラは絵の中から飛び出してきて、ゴシニとサンペに話しかける。
ふたりもニコラに自分たちのことをいろいろと話します。
1926年生まれのゴシニと1932年生まれのサンペだから、ずっと幸せだったわけじゃない。
まだ子どもだった彼らに襲いかかる戦争の陰や、親からの虐待など、
つらい思い出も交えながら、自分たちの人生と向き合って行きます。
でもニコラが体験するのは、そんな彼らの楽しかった思い出ばかり。
臨海学校のシーンは、話をきかない子どもたちのわんぱくぶりに笑ってしまう。
教官陣を気の毒に思うほどでした(笑)。
半世紀以上にわたって読み継がれる絵本である理由がわかる作品です。