『aftersun/アフターサン』(原題:Aftersun)
監督:シャーロット・ウェルズ
出演:ポール・メスカル,フランキー・コリオ,セリア・ロールソン=ホール他
なんばパークスシネマにて、前述の『The Witch/魔女 増殖』の次に。
スコットランド出身のシャーロット・ウェルズ監督の長編デビュー作。
予告編が良さそうでしたし、各国の映画賞を賑わしたと聞いて観に行きました。
結果的には、少し期待しすぎたかなぁと思います。玄人向け。
妻と離婚した30歳のカラムは、ひとり娘で11歳のソフィと夏休みを過ごすことに。
って、あらすじに書くとこれだけの内容なんです。
旅先で出会う人はいろいろといるけれど、主な登場人物はこのふたりのみと言っていいぐらい。
ソフィは父親のことが大好き。
かと言って母親のことは嫌いだとか、そういうことではなさそう。
両親の会話を聞いても仲が悪そうには聞こえず、よりを戻すのかなと娘は思ったりしている。
けれど、父親のガールフレンドのことも娘にオープンで、
娘のほうも「あの人は好きだったな~」なんて話もします。
バーで居合わせた若者とビリヤードをすれば、
ソフィの腕前が子どもとは思えなくて、若者たちとも仲良くなる。
毎日がとても楽しくて、この夏休みが終わってほしくはない。
それでも終わりがやってくるのが切なかったりします。
成長したソフィが20年後にこの夏を振り返るというものらしいですが、
現在のソフィはほとんど出てこなくて、彼女がレズビアンであることがわかるだけ。
幼い頃の話にそれを想像するようなシーンは何もありませんでした。
父親が娘とカラオケすることを頑なに拒んだ理由もわからなければ、
父親がひとりで泣いていた理由もさっぱりわからず。
凡人の頭では、鬱だったのかなぁなどという安直な考え方をしてしまいます。
難解で、結局何だったのかわからない作品ではありましたが、
フランキー・コリオ演じるソフィの表情が素晴らしく、
ふたりが過ごす海辺のホテルの様子も美しくて、それを思い出すだけで余韻に浸れます。
思っていたような感動はなかったけど、何か惹かれる作品だった、そんな感じ。
この後、なんばから再び恵美須町方向に戻って歩きはじめ、
新世界ジャンジャン横丁を通り抜けて動物園前の動楽亭へと到着しました。
こんなところを通っているのに、車だから飲酒できなかった(笑)。