雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

小さな小さな物語 第十七部  表紙

2017-10-31 15:46:51 | 小さな小さな物語 第十七部
       小さな小さな物語 第十七部

         No.961 から No,1020 までを掲載しています
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小さな小さな物語  目次

2017-10-31 15:38:37 | 小さな小さな物語 第十七部
          小さな小さな物語  目次

     No.961  Xデー
        962  任命責任
        963  メーデーを考える
        964  ひとつの命
        965  話せば分かる


        966  フランスの選択 イギリスの選択
        967  ゴールポストを動かせる
        968  貯金が貯まって貯まって
        969  嫌な感じ
        970  国内最古の墓


        971  失言
        972  五月晴れ
        973  酒も煙草も
        974  みのむし騒動
        975  万全の体制など無いけれど


        976  権限と忖度のせめぎ合い
        977  梅雨の季節
        978  訴える力
        979  阿吽の呼吸
        980  矛盾
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Xデー ・ 小さな小さな物語 ( 961 )

2017-10-31 15:37:19 | 小さな小さな物語 第十七部
わが国周辺がきな臭いことになっています。
新聞やテレビの多くは、本日4月25日がXデーの可能性があると盛んに報じています。そのような事が起こらないことを祈るばかりです。
それでも、アメリカの空母は当初報じられたほどスピードを上げてわが国近海に近付いているわけではないようですが、24日の新聞などでは、わが国の艦船二隻がこの空母船団に加わって合同演習を行っていると報じられています。写真で見ますと、空母に比べればいかにも小さく見えますが、イージス艦の護衛能力・戦闘能力は相当のものだそうです。頼もしくも感じられながら、それと同じだけの不安も感じられます。
まさか、いかに強力な空軍力を有しているといっても、アメリカ側から一空母船団だけで戦闘に入ることはないと思われますが、突発的な衝突の可能性が否定できない状態が続きそうです。

一方で、フランスの大統領選挙は、概ね事前の予想通りの結果となり、最大の争点であるEU離脱に反対のマクロン氏と賛成のルペン氏による決選投票となりました。
二人による決選投票は5月7日に行われますので、まだまだ予断は許されませんが、イギリスの二の舞を心配するEU諸国や、わが国などもひとまず最悪のシナリオは避けられそうと判断しているようです。

それにしても、国家の在り方というものは難しいものですねぇ。
EUには現在、イギリスも含めて28か国が加盟していますが、最初は6か国でスタートしています。
合同することによって、経済力を中心に対外的な存在感、あるいはすべての加盟国の国力向上を図ったのでしょうが、発足の大きな狙いの一つは、フランスとドイツのヨーロッパ大陸の二大国が二度と戦争を行わないというものもあったようです。
世界の歴史を見れば、国家間の合同や分裂は数多く行われています。ある面から見れば、それこそが世界の歴史だということが出来るかもしれません。
しかし、分裂はともかく、合同が行われる場合のほとんどは、表面上のお題目はどうであっても、強者による吸収あるいは隷属させるもののように思われます。そして、その多くは、決して両者にとって幸せな結果を生み出していないようです。

そう考えると、EUは壮大な実験場のような気がします。揶揄しているつもりは全くありませんので、失礼があれば許してください。
しかし、順調に拡大してきたEUも、難しい局面に差し掛かっていることは確かです。いくら平等を唱えても、国家間の国力の差はあるわけですから、加盟国の国民がそれぞれの国を意識している間は難しいと思います。しかし、難問を乗り越えてこそEUは輝きを増すはずですから、イギリスとの関係調整も含めて、すばらしい共同国家を完成させてほしいものです。
同時に心配もあります。EUが輝きを増し過ぎると、世界各地で同じような現象が生まれるかもしれません。アフリカや南米などは地理的に可能性があるような気がしますが、わが国の場合は、かなり難しい気がします。合同相手がアメリカか中国であると、どう考えても吸収される感じです。個人的には、カナダかオーストラリアだと良いと思いますが、いかにも離れすぎていますし、いくら技術が進んでもそれらの国と橋なりトンネルなりを造るのは困難だと思うのです。
そう考えると、わが国としては、世界中の国と出来るだけ仲良くするべきでしょうが、頭を下げて手もみするだけでは実現しないでしょうから、やはり、ハリネズミ程度のピリリとしたところは必要な気がするのです。

( 2017.04.25 )
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任命責任 ・ 小さな小さな物語 ( 962 )

2017-10-31 15:36:09 | 小さな小さな物語 第十七部
危なっかしい大臣や政府高官が何人かいるような気がしていましたが、その先陣を切るというわけではないのでしょうが、復興相が更迭となりました。
言葉尻を捉えて大げさに騒ぎ立てるのはどうかという声もありますが、今回の場合、前回の子供の喧嘩でもこれほどひどくはないだろうというような態度や、今回の失言も、本当は自分の発言のどこが問題なのかも理解していないようですから、さすがにもう勘弁してもらわないといけないでしょう。

言葉尻云々についていえば、確かに、演説や答弁などにおいて、ごく一部分を取り出して、いわゆる揚げ足取りのような事を自慢げに叫ぶ人も少なくないのも確かですが、今回の発言内容を見てみますと、失言などではなく、適性の問題のような気がします。
すでにテレビなどで散々けなされている人をさらに非難するのは本意ではありませんが、よく言われることですが、今回のことで二つのことが問題として浮き上がってきたような気がします。
一つは、与党では、これほど人材が不足しているのかということです。それなら民間から採用する手段もあるわけですから、衆議院なり参議院なりに何回以上当選すれば大臣予備軍だなどという、馬鹿げた慣習は止めてほしいと思います。むしろ、ある回数以上当選しても大臣を経験していない人は、対象外としてほしいものです。
もう一つは、いろいろきれいごとを言いながらも、復興相はそれほど重視されていないらしい気がしてきたことです。
何かと問題になっている大臣の多くは、一般に重要視されていないとされる部署の大臣が多く、どうも適性など関係なく振り分けられたのではないかと疑ってしまいます。それとは反対に、たいへん重要だと思われる部署の大臣にも問題視されている人がいますが、これはこれでもっと深刻な問題です。

大臣更迭などが発生すると、必ず問題にされるのが「任命責任」ということです。
上記したような問題があるとすれば、当然、任命者、今回の場合は首相に「任命責任」が発生すると考えられます。今回の場合は、首相は早々に国民に対して謝罪し、自らの「任命責任」を認めています。
しかし、「任命責任」というのは、なかなか難しい存在です。今回の場合、首相ご本人が、自分に「任命責任」があると言明していますが、責任があればどういう罰を受けるのでしょうか。罰を受けることのない責任の取り方などあるのでしょうか。
おそらく、今後同じような過ちを犯さないことや、より優れた後任者を選ぶことで責任を果たすということなのでしょうが、それで罰を受けたということになるのでしょうか。
かと言って、「任命責任」を厳しく追及するとなれば、「任命」ではないとしても、そういう人物を選出した国民の責任はどうなのかということにはならないのでしょうか。

現在でも行われているのかどうかよく知らないのですが、かつては、就職する場合必ず身元保証人が必要とされ、もし事件など起こした場合の身元保証人の責任は大変重いものでした。
現在でも、どのような組織であれ、責任ある地位に就けた場合、その任命者、あるいは決定者には相応の責任があると考えるのは自然なように思われます。
しかし、大臣となれば、どうなのでしょうか。能力の足らない人物、その職務に適していない人物、などを任命した場合、その内閣の質の低下が起こるわけですから、内閣総理大臣に直接響いてくるわけで、それが罰のような気がするのです。いやしくも大臣に選出されるような人のキャリアを考えれば、およそ低次元のトラブルなどにいちいち任命者が責任を取る必要などなく、さっさと更迭すべきなのです。そして、首相の思い描く内閣をより強固にすることでのみ責任が取れるのではないでしょうか。

( 2017.04.28 )
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メーデーを考える ・ 小さな小さな物語 ( 963 )

2017-10-31 15:34:48 | 小さな小さな物語 第十七部
本日五月一日は「メーデー」にあたります。
折から、ゴールデンウィークの真っただ中ですが、このメーデーの日は、ゴールデンウィークの真っただ中だという人と、休みの間の出勤でどうも気が乗らないという人の、二種類に分かれるようです。もっとも、まったく関係ないという人もおいででしょうが。
ところで、この「メーデー」というものに、どの程度関心がおありでしょうか。
詳しく調べたわけではないのですが、この二、三十年の間に、関心の深い人や、直接行事に参加するという人は確実に減ってきているのではないでしょうか。メーデーの行事を主催する有力団体が、参加者の便利を考えてのことでしょうが、四月のうちに行うことから考えても、どうも下降気味だということを証明しているように思われます。

「メーデー」は英語では「May Day」ですから、文字通り「五月の日」という意味です。ヨーロッパなどでは、夏の訪れを祝う日でしたが、同時に、労使双方が共にお祭りに参加したことから、近代の「メーデー」へと転化していったようです。
労働者が団結して権利要求する形のメーデーは、1886年5月1日に、合衆国カナダ職能労働組合連合が、シカゴを中心に八時間労働制要求の統一テーマで統一ストライキを行ったのが起源とされています。誕生したのがアメリカだというのも、何か意義深い気がします。
わが国では、1905年(明治38年)に平民社主催で行われた茶話会が、メーデーの先駆けだとされているようです。
そして、1920年5月2日に第一回のメーデーが大々的に行われたようですが、その後は、わが国が第二次世界大戦へと向かっていく社会情勢の中で、メーデーにとっては不幸な時代を迎えることになります。逆に言えば、あまりにも階級闘争的な面が強くなり、その後の発展に暗い影を引きずってしまったような気がします。

戦後、第二次世界大戦の敗戦による惨憺たる状況の中で、わが国のメーデーは復活してきます。
それから今日まですでに七十年という年月が過ぎていますが、その間の経緯は今日の政界に結び付く部分もありますので割愛しますが、初期においては、政権闘争に組み込まれ過ぎたことがメーデーを今一つメジャーにすることが出来なかった理由の一つのような気がします。
「メーデー」は、国連などの国際機関で定められている「国際デー」に入っています。もっとも、「国際デー」とされているものは、例えば「1月1日は、地球の家族の日」といったように、四、五日に一度はあるというほどたくさんありますから、それでもって世界的に認められた重要な日というわけではありませんが、祝日とされている国は八十か国以上あるそうです。わが国やイギリス・オランダ・スイスなどは祝日ではないですし、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどは、別の日に「労働者の日」といった祝日が設けられているようです。

わが国の場合、「勤労感謝の日」がそれに当たるという意見もありますが、「勤労感謝の日」と「メーデー」は趣旨がかなり違うのではないかと個人的には考えています。
現在のわが国の「メーデー」は、休みの人もおりそうでない人もおり、ゴールデンウィークの真ん中でもみくちゃにされているような気がします。一部の熱心な方々を除けば、「三月三日の雛祭り」より関心は薄く、せいぜい「九月九日の重陽の節句」並みだという人もあり、「もう役目を終えた」という著名なコメンテーターさえいます。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
「ブラック企業」などという嫌な言葉か誕生しています。一流企業だと思われている企業で、膨大なサービス残業が表面化してきています。サービスで残業しているわけではなく、生活のため泣き寝入りしているのですから、サービス残業などというとんでもない言葉は早くやめてほしいと思います。
「過労死の問題」もあります。企業内における「セクハラ」「パワハラ」も、表面化しないものが膨大なのではないかと心配されます。最近は、課長とか部長程度の、企業にとっては掃いて棄てるほどいる小者がこの種の犯罪を犯している例も多いようですから、もっとチェックできる制度が必要な気がします。
これらの問題に対して、「メーデー」がもっと活躍していただきたいし、すべきなのではないでしょうか。過去のマイナスイメージを払拭して、必死に生きている者の味方の機関というものを、今少し強化する必要があるように思うのです。

( 2017.05.01 )
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一つの命 ・ 小さな小さな物語 ( 964 )

2017-10-31 15:33:22 | 小さな小さな物語 第十七部
蝶々が死んじゃいました。
数日前からうまく飛べないアゲハチョウがいるのに家人は気が付いていたようですが、私が気が付いた時には、ほとんど飛べなくなっていました。鳥に襲われた感じではないので、おそらく羽化する時にうまく行かなかったのでしょうか、片方の翅が半分ほど開かない形で固まっていました。それでも、何日間は、高く飛べないまでもすぐ横の花へは移動を続けていたようですが、私が気が付いた時には、翅は動かしていましたが、数十センチ飛ぶことも出来ない状態でした。
そこで、地面に落ちると花の場所に行けないようなので手助けをし、激しい雨がやってきた時には、屋根のある所に連れて行って、植木鉢を四つ五つ集めて、無事に過ごすことが出来ました。
しかし、三日目の夕方には、目だって弱ってきて、パンジーの花にとまらせても、一時間ほどして見に行くと、花の中に落ち込んでしまうのです。そして、翌朝、やはり、パンジーの中で死んでしまっていたのです。

アゲハチョウの成虫の寿命は二週間ほどのようです。多分、一週間ばかりはわが家の庭で過ごしてくれたようですが、やはり若死にだったようです。
アゲハチョウは、わが家にいたのはナミアゲハだと思うのですが、卵から、幼虫、さなぎの期間を経て成虫になりますが、一年に3~6回程度生涯を繰り返すそうですから、私との三日間は決して短い期間ではなかったともいえます。
しかし、何とか、ほんの十分間でも、大空に舞い上がらせたかったと思うと、残念です。

今、当ブログで『今昔物語拾い読み』という作品を掲載させていただいています。要は、何とか「今昔物語」という膨大な作品を読み切ろうという目的で、途中で嫌にならないために、あちらこちらと拾い読みしているといった作品です。
ご存知かと思いますが、今昔物語にある膨大な物語のほとんどは、仏教の教えがベースになっています。その中では、人の生き方、聖人の教え、命というもの、今生と過去世・未来世、あるいは、人の命の儚さといったものが多くの説話と共に載せられています。
それらが直接私自身の生き方に影響を与えるとは思いませんが、中には考えさせてくれる説話も少なくありません。
しかし、たまたまわが家に姿を現し、たまたま羽化に失敗したために出会うことになった蝶々の死は、それらを超える部分を持っているような気がしました。
小さな昆虫の、たった一つの命、普段は気にもかけない存在なのに、考える機会を与えてくれました。
「命」って、いったい何なんでしょう。本当に、「命」などというものはあるのでしょうか。

花の盛りを過ぎかけているフジの木の根元に深めの穴を掘り、残っているフジの花の中で一番きれいで長いのを一房切って褥として蝶々を乗せ、その上には、最後の時を過ごした黄色いパンジーの花をいっぱい乗せて、埋めてやりました。
こんなことをしても蝶々が喜んでくれるわけでもなく、ただただ自分の気持ちの整理に過ぎません。
でも、もしかすると、たった三日の友情を感じてくれるかもしれないなどと思いながら、パンジーの鉢植えの手入れをしています。

( 2017.05.04 )
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話せば分かる ・ 小さな小さな物語 ( 965 )

2017-10-31 15:31:30 | 小さな小さな物語 第十七部
「話せば分かる・・・」
時々目や耳にする言葉ですが、その場面場面にもよるのでしょうが、個人的には、重みが感じられない言葉の一つのように思われます。
折から、朝鮮半島を中心に厳しい状況が続いています。わが国には拉致問題が存在していることもあり、北朝鮮に対して無関心というわけではないのですが、イライラすることはあっても軍事的な衝突を真剣に考えることは少なかったように思われます。しかし今回は、もし軍事衝突があれば、どうやらわが国は完全に当事者になりそうです。

この地域では過去最大と思われる軍事展開をしているアメリカですが、ここにきてトランプ大統領は「条件さえ合えば話し合いに応じる」と言った発言をしています。ちょっと安心するような気もしますが、この大統領の発言は解釈がなかなか難しいようです。これまでの発言の幾つかについて、新聞やテレビの解説者の意見などを参考に考えてみますと、「選挙中の大風呂敷に引きずられていること」「外交が条件交渉的な部分が強い感じがすること」「アドバルーン的な発言がみられること」「もしかすると、すべての発言がとてつもない構想に繋がっているかもしれないこと」などが見え隠れしているような気がするのです。
従って、北朝鮮に対する「話せば分かる」的な発言も、実は軍事力を行使せざるを得ない時のためのアリバイ作りという可能性も否定できないような気がします。

わが国では、憲法記念日にあたって、首相は憲法改正への決意を正面から述べられました。しかもその中心は、自衛隊を憲法に組み込むことにあるようです。
憲法改正の是非はともかく、これだけ存在感のある自衛隊が憲法上で認知されていないのはやはり変な気がします。武力など全く保有しなくても、「話せば分かる」という意見は今も健在なのでしょうか。
いずれにしても、憲法は9条だけではないのですから、七十年間一度も変更していないことを誇りに思うのか、まったく変化に対して鈍感と感じるのか、変なイデオロギー中心ではない国民的な議論を高めてほしいと思います。

安易な「話せば分かる」という意見はあまり好きではありませんが、「話さなければ分らない」こともあることも否定できません。
「沈黙は金、雄弁は銀」という諺があります。多分、西欧からやって来た言葉だと思うのですが、議論や弁論を重視する社会のように思われるので不思議な気もします。もっとも、この言葉が生まれた当時は、「金より銀の方が価値が高かった」という説もあるそうです。もしそうだとすれば、金と銀との価値が変化したことは事実として、沈黙と雄弁の価値は変化しているのでしょうか。
また、この言葉の同意語を調べてみますと、「言わぬが花」という言葉が挙げられているようです。ただ、意味は大分違うような気がしますし、いかにもわが国民性に合っているような気がします。
世の中、世界情勢であれ、隣近所との関係であれ、「話せば分かる」で事が片付くのであれば苦労はしないのですが、どうも万能ではなさそうなことが残念です。

( 2017.05.07 )
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フランスの選択 イギリスの選択 ・ 小さな小さな物語 ( 966 )

2017-10-31 15:29:18 | 小さな小さな物語 第十七部
フランスの大統領選挙は、事前の世論調査などとほぼ同様の結果で、マクロン氏が当選しました。
選挙予想に関しては、イギリスのEU離脱・残留を問う国民投票、アメリカの大統領選挙と大手の報道機関や調査会社の予想が完全に覆される結果が続いていて、トランプ米大統領の激しいメディア批判も加わって、世論調査などというものの信頼が揺らいでいる感がありました。
三度目の正直とでもいうのでしょうか、今回は事前の世論調査とほとんど変わらない結果でしたが、私のような気持を持っている人も多かったようで、フランス大統領選挙の場合は大差の予想が出されていましたが、前の二回と同様に、隠れルペン派の動向をを心配する向きもあったようで、この選挙結果を受けて日本の株式市場は大幅高を演じました。事前予想を信頼しきれない人が多かった証拠ではないでしょうか。
もっとも、欧米の株式市場はそれほどの変動を見せていませんから、わが国民が特別疑い深いのかもしれませんねぇ。

今回のフランス大統領選挙は、決してEU離脱・残留を決めるためのものではなく、それ以外にも多くの政治課題があり、それらをめぐってフランス国民の意思が示されたものだということは当然です。
しかし、やはり、二人の候補者のEUに関する主張は真っ向から対立していて、フランスは大統領選挙を通してEU残留を選んだということは言えるでしょう。
もし、フランスにEU離脱派の大統領が誕生していれば、間違いなくEU崩壊の危機を迎えていたのではないでしょうか。

フランス国民はEU残留を選択し、イギリス国民はEU離脱を選択したことになります。
それぞれの国にはそれぞれの問題があり、どちらの国も国民全員が一致した考えでないことも当然です。また、国家運営の是非をEUに属していたか否かだけで判断することも難しいでしょう。
しかし、これからの数年間は、何かにつけて、両国の選択の是非が話題になるのではないでしょうか。
この二国に限らず、EU離脱を強硬に主張する有力な政党が存在している国も幾つかあるようです。従って、EUの存在意義について、改めて検討されることもあるような気がします。

わが国の周辺では、何ともきな臭い状態が続いています。
お隣韓国の新しい政権のお手並みも気にしないわけにはいきません。
幸か不幸か、わが国は、フランスやイギリスのような選択を迫られる心配はありません。同時に、近隣国との関係は、肩を組み合うというより、緊張を持って対する必要がある関係のような気がします。もっとも、世界中の国々の多くは、近隣国とは利害が衝突しがちで、ぎくしゃくした関係になりがちなのは、孫氏の昔からの現象のようです。
立地上の問題、歴史上の問題、国民性、等々もあって、もしかするとわが国は孤立に走る条件を備えているような懸念がします。それだけに、わが国が存続していくためには可能な限り多くの国と親交を結ぶべきなのでしょうが、ある国と強固な関係を結べば敵を作る可能性がありますし、八方美人が過ぎるとコウモリのような存在になる可能性があります。
なかなか難しい判断だと思いますが、国会中継などを見ていますと、今のところはわが国は平和のようです。いえ、平和みたいなようです。

( 2017.05.10 )
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ゴールポストを動かせる ・ 小さな小さな物語 ( 967 )

2017-10-31 15:27:45 | 小さな小さな物語 第十七部
例えばサッカーの試合で、ゴールポストを自由に動かせることが出来れば、試合の様子はかなり変わってきます。それも、片方のチームだけが可能であれば、圧倒的に有利になることでしょう。
例えばマラソン競技において、ゴールラインを自由に動かせることが出来れば、試合の様子はかなり変わってきます。それも、特定の人だけが可能となれば、その人は断然有利になるでしょう。
現実の問題として考えた場合、ゴールポストを動かすといっても、超人的な力持ちや、大勢のギャラリーが参加でもしない限り、あのゴールポストを動かせてシュートを避けるのは簡単な事ではないでしょう。ただ、マラソン競技の場合は、ゴールラインを少々短い所に設置することは簡単ですし、極端な場合半分くらいの距離にゴールテープを持って行って、ある特定の人だけそこをゴール地点とすれば、途中で倒れでもしない限り多分勝利することでしょう。
しかし、このような事が実際に行われたとした場合、観客などからの非難もさることながら、競技としての興味は極端に薄れていくことでしょう。

まあ、スポーツの世界でこのような事を考える人はまずいないでしょうが、日常の世界では結構行われていることではないでしょうか。
私たち下々の生活でも時々目にしたり経験したりしますが、然るべき立場にある人が、主義主張を右に左に揺り動かせている姿は、ちょっと注意してニュース番組など見ていれば、拝見するのに苦労はしません。
それは、国家間の約束事などでも、個人以上にダイナミックにゴールポストを動かせている例をよく見ます。こちらは、動かせる方に正義があるとばかりに堂々としてです。

古来、国家間の約束事は、条約であれ合意であれ、どのような言葉を用いたところで、都合が悪くなった方は、変更あるいは破棄を考えているものなのでしょう。
約束事を破る手段には、気が付かないようになし崩しに変えていく場合と、過去のことなど全く知らぬ顔で変更を求めたり、もっと堂々と相手に非があるかのように主張するなど様々ですが、それは国民性や社会風土にもよるのでしょうが、たいていの場合は、やむにやまれぬ事情があり、信義だとか正義などといった青臭いことなど言ってはいられない状況があるのでしょう。

私たちは、真剣に考えてみれば、何もかもが危げな約束事や制度の上で日々を送っているような気がします。それは、個人の生活もそうですし、国家の存在についても同様です。
簡単に約束事を破る人はいますし、そういった国家も存在しています。せめて、自分自身、あるいはわが国自体がそのような立場に立たないようにありたいと考えますが、さて、それも簡単な事ではないようです。
およそ、近隣におけるトラブルの多くは約束事を守る守らないから発生することが多いですし、国家間の衝突、極端に言えば戦争さえも、その大きな原因になることが多いはずです。
個人もそうですが、国家間の約束事も、絶対というものなどないのだと考えておく必要があるような気がします。その心がけを持っていれば、他人や他国からの少々の難癖にも耐えられるような気もするのです。
ただし、そのためには、「老子」のような心境になる必要がありそうですが。

( 2017.05.13 )
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貯金が貯まって貯まって ・ 小さな小さな物語 ( 968 )

2017-10-31 15:26:06 | 小さな小さな物語 第十七部
貯金が貯まって貯まって・・・、大変ですよ。
ええ、プロ野球の話ですがね。貯金が「10」だって言うですから、これから盗まれないように守って行くのが大変ですよ。
現状がよく分かっていないテレビのコメンテーターや、親しい仲間でさえ、「今の内が花なんだよ」なんて、とんでもない発言をする輩がいるんですよ。全くとんでもない話で、五月の半ばで貯金が「10」なのですから、九月ともなれば、貯金は少なくとも「30」は超えるという、ごく簡単な推定が出来ない人が多すぎるみたいですねぇ。

プロ野球に興味のない方には申し訳ないテーマですし、我が贔屓チームを応援していない方々には、もっと苦々しいテーマだと思うのですが、そこは、人生山あり谷ありということでご勘弁ください。
我がチームは、といっても、オーナーでもなければ関係者でもなく、フアンといっても、弱い時にはできるだけ横を向いていることにして、めったにないことですが、強い時には少々熱くなる程度の気まぐれなフアンなのですから大きなことは言えないのですが、去年と今年と戦力がどれほど違うのかを考えてみました。
確かに、有力打者を一人迎え入れたことが大きく、昨年超不振だった私の一押しのベテランが今年は実力程度の活躍をしていることが大きいと思うのですが、それ以外は大した差はないような気がしますし、投手力に至っては、ストライクを投げられない投手が多すぎるような気がするのです。

それと、これまでのところ、主力選手の故障が少ないということも要因に上げられそうです。それと、WBCに参加した選手に不調な人が多いことを考えれば、選ばれた選手がたった一人だったことも幸いしているかもしれません。
しかし、スポーツに限りませんが、「無事これ名馬」というのは名言だと思います。華々しい活躍をして、一瞬の輝きを残して選手生活を終わるのも、決して本人のわがままや本意ではないのでしょうが、長い現役生活を送ることは、スポーツ選手であれ、一介のサラリーマンであれ、名馬と呼ばれるにふさわしいのではないでしょうか。

プロ野球にテーマを戻しますと、いよいよ今月末から交流戦が始まります。
そこで、まじめな提案があります。とりあえず、交流戦が始まる前の所でいったん閉め切って、優勝チームを決めるというのはどうでしょうか。交流戦だけの優勝チームを決めているのですから、この提案も無茶ということはないと思うのですが、途中でゴールポストを動かせるのはやはりまずいですかねぇ。
でも、慣れない貯金「10」は重すぎて、このまま秋まで戦い続けよというのは酷ではありませんか、我が贔屓チームを応援している皆さん!!

( 2017.05.16 )
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