雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

兵庫県民の一人としては・・

2024-07-18 19:14:12 | 日々これ好日

    『 兵庫県民の一人としては・・ 』

   兵庫県知事に対する パワハラ問題は
   テレビの全国ネットでも 再三報じられていて
   県民の一人としては 何とも 惨めな気持ち・・
   犠牲者まで出してしまった パワハラ問題に加え
   おねだり知事とまで 報じられてしまえば ねぇ・・
   真実は どういう事であったのか 知らないが
   パワハラに関する内部告発事件の 対処方法は
   余りにも乱暴で 法的にも問題がありそうだ
   知事は辞職を否定しているが 記者会見は行っており
   百条委員会もあるので だんまりで身を引くよりは
   何があったのか 可能な限り 事実を明らかにした上で
   しかるべき決断をするのは 正しい方法だと思う
   ただ 選挙で選ばれたからと言って
   錦の御旗を手にしているわけではないことは
   承知していて欲しい と思う

                  ☆☆☆
   

   

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敦成親王家の誕生 ・ 望月の宴 ( 115 )

2024-07-18 08:14:14 | 望月の宴 ③

     『 敦成親王家の誕生 ・ 望月の宴 ( 115 ) 』


さて、殿(道長)は若宮(敦成親王、のちの後一条天皇)をお抱き申し上げられて、帝(一条天皇)の御前にお連れ申し上げる。若宮の御声は、まことに若々しく愛らしい。
弁の宰相の君が御剣(ミハカシ)を持って参上なさる。母屋(モヤ・寝殿造りの中央の間。)の中隔ての戸の西に、殿の上(道長の妻倫子)がいらっしゃるが、そこへ若宮をお連れ申し上げる。

帝が若宮を御覧におなりになる御心地はどのようなものか、ご推察いただきたい。
これにつけても、「一の御子(敦康親王。一条天皇の第一皇子で、母は定子中宮。)がお生まれになった時、すぐにも御対面なさらず様子もお聞きになられなかったことだ。やはり、仕方のないことだ。こういうお血筋には、頼りになる外戚の人がいてこそ、張り合いがあるというものだろう。貴い国王の位といえども、後見となって引き立てる人がいなければ、どうすることも出来ないのだ」とお思いになり、第一御子とこの若宮の行く末までのことなどを考えざるを得ず、人知れず第一御子をふびんにお思いになられるのであった。

帝は、中宮(彰子)と御物語などして、たいそうくつろいでおいでになるうちに、すっかり夜になってしまったので、万歳楽、太平楽、賀殿などの舞があり、様々に奏でられる楽の音色がすばらしく、笛の音も鼓の音も興趣たっぷりに聞こえてくる上に、松風が爽やかな音を立てて吹いていて、池の波までが声を合わせている。
「万歳楽の声と一緒になっています」と、若宮のお声を聞いて、右大臣(藤原顕光。道長とは従兄弟の関係。)がちやほやなさる。左衛門督(藤原公任)、右衛門督(藤原斉信)が万歳千秋などを声を合わせて吟じられる。
主人の大殿(道長)は、「これまでの行幸を、どうしてすばらしいと思ったのだろう。今回のこれほどすばらしいことがあるというのに」と仰せられて、感激に泣きそうになられるのを、もっともなことだと、殿方たちは同じ思いで御目を拭っておられる。

こうして、殿は奥にお入りになり、帝がお出ましになられて、右大臣を御前にお召しになったので、右大臣は筆をとって加階の名簿をお書きになる。
宮司(ミヤヅカサ・中宮職の官人)、殿の家司(ケイシ・道長家の家司。子息たち、彰子の母倫子も従一位になった。)、然るべき者すべてが昇進した。頭弁(源道方)に命じて、この加階のことを中宮に申し上げられたようである。
新しい御子の御喜び(この日、若宮に親王宣下があった。)に、藤原氏の上達部が連れ立って拝礼申し上げる。同じ藤原氏であっても、門流が別の人々は、拝礼の列にはお立ちにならない。
次に、別当(新しく出来る敦成親王家の家政組織の長。)におなりになった中宮大夫兼右衛門督(藤原斉信)、権大夫兼中納言(源俊賢)、権亮侍従宰相(藤原実成)などが加階なさって、御礼の舞をなさる。
帝が中宮の御部屋にお入りになって間もないうちに、「夜もたいそう更けた」「御輿を寄せます」などと、人々が大声を出しているので、殿も帝のお見送りのために部屋から出ていらっしゃる。

翌朝、帝の御使者が、朝霧も晴れないうちに参上した。若宮を恋しくお思いのゆえのことだろうと推察される。
その日に、若宮の御髪(ミグシ)を初めて削ぎ奉る。特別に行幸の後にということで遅くなったのであろう。(新生児の髪を削ぐのは、ふつうは七日目頃であるが、髪がある方が可愛らしく見えるので、ひと月も遅らせたらしい。)
そして、その日には、若宮付の家司として、おもと人、別当、職事(シキジ・蔵人などか?)などお決めになる。ここ数日の御部屋の調度などが乱れがちで、普通の状態ではなくなっているのを、元通りに改め、きらびやかに飾り立てられる。
殿の上(倫子)は、長い間心待ちになさっていた皇子誕生が実現なさったので、何よりも嬉しく、明け暮れに参上して若宮を見奉っていらっしゃるのも、まことに満ち足りた御有様である。

     ☆   ☆   ☆

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