『 日経平均が最高値 』
東京株式市場 日経株価が三ヶ月ぶりに
最高値を回復
TOPIXは バブル期以来の史上最高値を付けた
今月に入って 大方の予想を超える スピード上昇だが
例によって 様々な要因が 後追いで語られている
もしかすると 渋沢栄一さんの ご利益もあるのかも知れない
いずれにしても この勢いが 実体経済や
私たちの生活にも 好影響になって欲しいものだ
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『 財宝に目がくらんだ父母 ・ 今昔物語 ( 20 - 37 ) 』
今は昔、
大和国十市郡庵知村(アンチノムラ・現在の天理市の一部らしい。)の東の方に住んでいる人がいた。家はたいへん豊かで、姓は鏡造(カガミノツクリ・氏族の一つ。鏡作造とも。)といった。娘が一人いたが、容姿端麗で、とてもこのような田舎人の娘とは思えなかった。
まだ結婚していなかったので、その辺りの然るべき家の男たちが、挙って求婚した。しかし、何れも固く断り続けていた。
そのうち年月が過ぎたが、一人の男が特に強く求婚したが、やはり、これも固辞していたが、その男は、多くの財宝を車三台に積んで送ってきた。
娘の父母はそれを見ると、たちまち財宝に目がくらんで、娘を嫁がせる気になった。
そのため、父母はその男の申し出を受け入れた。そこで、吉日を定めて、その男は婿入りしてきた。男はすぐに寝所に入り、娘と結ばれた。
ところが、夜中頃、娘が大きな声で、「痛い、痛い」と三度ばかり叫んだ。
父母はこの声を聞いたが、顔を見合わせて、「娘は初めてのことなので、結ばれて痛がっているのだ」と言って、そのまま寝てしまった。
夜が明けた後、娘がなかなか起きてこないので、母が娘の部屋に行って大声で呼んだが、何の返事もないので、不審に思って近寄って見ると、娘の頭と一本の指だけがあって、体の部分が無い。また、多くの血が流れていた。
父母はこれを見て、泣き悲しむこと限りなかった。
すぐに、あの男が送ってきた財宝を見てみると、多くの馬や牛の骨であった。財宝を積んできた三台の車を見ると、カワハジカミ(山椒の一種とも。)の木であった。
「これは、鬼が人に化けてやってきて喰い殺したのか、あるいは、神がお怒りになって、さらにたたりをなさったのか」と思い惑って、嘆き悲しんでいたが、その辺りに住んでいる人も、これを聞いて集まってきて、この様子を見て怪しまない者はいなかった。
その後、娘のために仏事を営み、その娘の頭を箱に入れて、初七日に当たる日に、仏前に置いて斉会(サイエ・僧尼に食事を提供する法会。)を行った。
これを思うに、人は財宝を欲しがり、それに目をくらまされてはならない。この事は、財宝に目をくらまされたために起ったことだと、父母は悔い悲しんだ、
となむ語り伝へたるとや。
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