わが国周辺がきな臭いことになっています。
新聞やテレビの多くは、本日4月25日がXデーの可能性があると盛んに報じています。そのような事が起こらないことを祈るばかりです。
それでも、アメリカの空母は当初報じられたほどスピードを上げてわが国近海に近付いているわけではないようですが、24日の新聞などでは、わが国の艦船二隻がこの空母船団に加わって合同演習を行っていると報じられています。写真で見ますと、空母に比べればいかにも小さく見えますが、イージス艦の護衛能力・戦闘能力は相当のものだそうです。頼もしくも感じられながら、それと同じだけの不安も感じられます。
まさか、いかに強力な空軍力を有しているといっても、アメリカ側から一空母船団だけで戦闘に入ることはないと思われますが、突発的な衝突の可能性が否定できない状態が続きそうです。
一方で、フランスの大統領選挙は、概ね事前の予想通りの結果となり、最大の争点であるEU離脱に反対のマクロン氏と賛成のルペン氏による決選投票となりました。
二人による決選投票は5月7日に行われますので、まだまだ予断は許されませんが、イギリスの二の舞を心配するEU諸国や、わが国などもひとまず最悪のシナリオは避けられそうと判断しているようです。
それにしても、国家の在り方というものは難しいものですねぇ。
EUには現在、イギリスも含めて28か国が加盟していますが、最初は6か国でスタートしています。
合同することによって、経済力を中心に対外的な存在感、あるいはすべての加盟国の国力向上を図ったのでしょうが、発足の大きな狙いの一つは、フランスとドイツのヨーロッパ大陸の二大国が二度と戦争を行わないというものもあったようです。
世界の歴史を見れば、国家間の合同や分裂は数多く行われています。ある面から見れば、それこそが世界の歴史だということが出来るかもしれません。
しかし、分裂はともかく、合同が行われる場合のほとんどは、表面上のお題目はどうであっても、強者による吸収あるいは隷属させるもののように思われます。そして、その多くは、決して両者にとって幸せな結果を生み出していないようです。
そう考えると、EUは壮大な実験場のような気がします。揶揄しているつもりは全くありませんので、失礼があれば許してください。
しかし、順調に拡大してきたEUも、難しい局面に差し掛かっていることは確かです。いくら平等を唱えても、国家間の国力の差はあるわけですから、加盟国の国民がそれぞれの国を意識している間は難しいと思います。しかし、難問を乗り越えてこそEUは輝きを増すはずですから、イギリスとの関係調整も含めて、すばらしい共同国家を完成させてほしいものです。
同時に心配もあります。EUが輝きを増し過ぎると、世界各地で同じような現象が生まれるかもしれません。アフリカや南米などは地理的に可能性があるような気がしますが、わが国の場合は、かなり難しい気がします。合同相手がアメリカか中国であると、どう考えても吸収される感じです。個人的には、カナダかオーストラリアだと良いと思いますが、いかにも離れすぎていますし、いくら技術が進んでもそれらの国と橋なりトンネルなりを造るのは困難だと思うのです。
そう考えると、わが国としては、世界中の国と出来るだけ仲良くするべきでしょうが、頭を下げて手もみするだけでは実現しないでしょうから、やはり、ハリネズミ程度のピリリとしたところは必要な気がするのです。
( 2017.04.25 )