「華麗なるメトロポリタン・オペラ」という番組が、NHKのBShiでこの10月11日から14日まで、午後10時からの時間帯で4日間放映されています。演目は「トリスタンとイゾルデ」、「ボエーム」、「マノンレスコー」、「ピーター・グライムズ」。昨年も、この時期に5日間わたり同様に放映されました。
いうまでもなくニューヨークのメトロポリタン・オペラ(略称MET)は世界一の規模を誇ると言われ、超一流の歌手や優れた演出家による良質なオペラを公演しています。
MET 歌劇「セヴィリアの理髪師」(2008.10.7)
めいすいの音楽随想 METライブビューイング第1作 ・モーツァルト歌劇「魔笛」 を参照して下さい。
METは、DVDやテレビ放映など種々のメディアを通じてオペラの楽しみを紹介しています。最近は画像がハイビジョンになり、大画面テレビとホームシアターによってオペラ劇場の臨場感に近い感覚でオペラを見ることができるようになってきています。年に一度であっても、こうした番組を見るのは、私には大きな楽しみです。
二日目の12日の放映は、「椿姫」、「カルメン」、「蝶々夫人」などと並び、人気の高いオペラ「ボエーム」でした。METでも古典的な演目となっていて、現代最高というわれるフランコ・ゼフィレッリの美術と演出による今回の「ボエーム」はすでに30年間も続き、350回も公演を重ねているといいます。
「ボエーム」は芸術家の卵たちがパリを舞台に繰り広げるラブ・ストーリーです。貧しい生活の中にあっても明るく懸命に生きようとする若者の日々が、屋根裏部屋やカルチェラタンやパリのアンフェール門付近といった背景の中に、美しいメロディーにより表現されています。
第1幕は、屋根裏部屋に下宿している詩人ロドルフォ(ラモン・ブァルガス)は、部屋にローソクの火を借りに来たお針子ミミ(アンジェラ・ゲオルギウ)と恋に落ちるという場面。ミミは名高いアリア「私の名はミミ」を歌います。ソプラノのゲオルギウはよく伸びる高音が見事ですが、アルトかと思われるような低音も素晴らしい声でした。
第2幕、クリスマスのカルチェラタンではもう一つのカップル。画家マルチェルロ(リュドヴィク・テジエ )の元恋人ムゼッタが登場し「私が街を歩くと」を歌います。この歌は女性の華やかさを際立たせるので、私の好きなアリアです。ゼフィレッリの演出も2人の若い軍人?に抱えさせて歌わせるというのがなかなかのもの。
ところで、この第2幕の舞台は、カルチェラタンの賑わいを表現するためにMETでも史上最大級と言われるほどの出演者数であるとのこと。放送では1幕から2幕に移る舞台内部の様子を映し出しました。出演者の多くを巨大なワゴンにのせて3分半で舞台を変えていました。周囲の建物も精巧に出来ていて、さすがゼフィレッリの美術と思わせます。ゼフィレッリは演出の合間にすばやくデッサンを描いたということです。今回はその絵も映し出されました。ただしこうしたことが出来るは財政基盤がしっかりとし、舞台も大きなMETだからのものだと思います。
第3幕はパリのアンフェール門付近。雪の情景が美しい。ミミは肺病を患い、ロドルフォと愛し合いながらも分かれることになる。一方、右側のムゼッタとマルチェルロも喧嘩を始めてしまいます・・・・。
このオペラは若い恋人同士が見るのに適したオペラといわれています。ゼフィレッリの演出はオーソドックスでたいへんに分かりやすく、しかも絢爛豪華です。今回のような「ボエーム」なら期待を裏切られることはないでしょう。歌劇「ボエーム」はこれまでに何回か見ていますが、私自身もとても楽しめました。
めいすいの音楽随想「新国立劇場 ラ・ボエーム」 を参照して下さい。
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いうまでもなくニューヨークのメトロポリタン・オペラ(略称MET)は世界一の規模を誇ると言われ、超一流の歌手や優れた演出家による良質なオペラを公演しています。
MET 歌劇「セヴィリアの理髪師」(2008.10.7)
めいすいの音楽随想 METライブビューイング第1作 ・モーツァルト歌劇「魔笛」 を参照して下さい。
METは、DVDやテレビ放映など種々のメディアを通じてオペラの楽しみを紹介しています。最近は画像がハイビジョンになり、大画面テレビとホームシアターによってオペラ劇場の臨場感に近い感覚でオペラを見ることができるようになってきています。年に一度であっても、こうした番組を見るのは、私には大きな楽しみです。
二日目の12日の放映は、「椿姫」、「カルメン」、「蝶々夫人」などと並び、人気の高いオペラ「ボエーム」でした。METでも古典的な演目となっていて、現代最高というわれるフランコ・ゼフィレッリの美術と演出による今回の「ボエーム」はすでに30年間も続き、350回も公演を重ねているといいます。
「ボエーム」は芸術家の卵たちがパリを舞台に繰り広げるラブ・ストーリーです。貧しい生活の中にあっても明るく懸命に生きようとする若者の日々が、屋根裏部屋やカルチェラタンやパリのアンフェール門付近といった背景の中に、美しいメロディーにより表現されています。
第1幕は、屋根裏部屋に下宿している詩人ロドルフォ(ラモン・ブァルガス)は、部屋にローソクの火を借りに来たお針子ミミ(アンジェラ・ゲオルギウ)と恋に落ちるという場面。ミミは名高いアリア「私の名はミミ」を歌います。ソプラノのゲオルギウはよく伸びる高音が見事ですが、アルトかと思われるような低音も素晴らしい声でした。
第2幕、クリスマスのカルチェラタンではもう一つのカップル。画家マルチェルロ(リュドヴィク・テジエ )の元恋人ムゼッタが登場し「私が街を歩くと」を歌います。この歌は女性の華やかさを際立たせるので、私の好きなアリアです。ゼフィレッリの演出も2人の若い軍人?に抱えさせて歌わせるというのがなかなかのもの。
ところで、この第2幕の舞台は、カルチェラタンの賑わいを表現するためにMETでも史上最大級と言われるほどの出演者数であるとのこと。放送では1幕から2幕に移る舞台内部の様子を映し出しました。出演者の多くを巨大なワゴンにのせて3分半で舞台を変えていました。周囲の建物も精巧に出来ていて、さすがゼフィレッリの美術と思わせます。ゼフィレッリは演出の合間にすばやくデッサンを描いたということです。今回はその絵も映し出されました。ただしこうしたことが出来るは財政基盤がしっかりとし、舞台も大きなMETだからのものだと思います。
第3幕はパリのアンフェール門付近。雪の情景が美しい。ミミは肺病を患い、ロドルフォと愛し合いながらも分かれることになる。一方、右側のムゼッタとマルチェルロも喧嘩を始めてしまいます・・・・。
このオペラは若い恋人同士が見るのに適したオペラといわれています。ゼフィレッリの演出はオーソドックスでたいへんに分かりやすく、しかも絢爛豪華です。今回のような「ボエーム」なら期待を裏切られることはないでしょう。歌劇「ボエーム」はこれまでに何回か見ていますが、私自身もとても楽しめました。
めいすいの音楽随想「新国立劇場 ラ・ボエーム」 を参照して下さい。
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