めいすいの写真日記

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ガーシュイン作曲「ポーギーとベス」

2021-03-08 | オペラ・バレエ

                                WOWOW 2021/3/6

 史上初のオール黒人キャストによる、ガーシュイン作曲のアメリカン・オペラ「ポーギーとベス」。ガーシュウィン自身は白人だったが、黒人音楽のブルースや、宗教的なゴスペル・ソング、また物売りのフシまで研究し尽くして、このオペラに成果として採り入れた。このオペラは作曲者の黒人音楽に対する傾倒と、研究の深さが実った、不滅の傑作である。

【演奏】メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮  デイヴィッド・ロバートソン 
【演出】ジェイムズ・ロビンソン
【振り付け】カミール・A・ブラウン
【出演】
 ボーギー・・・エリック・オーウェンズ
 ベス・・・エンジェル・ブルー
 クララ・・・ゴルダ・シュルツ                               
 セリナ・・・ラトニア・ムーア 
 マリア・・・デニース・グレイヴス
 クラウン・・・アルフレッド・ウォーカー
 スポーティン・ライフ・・・フレデリック・バレンタイン
【時と場所】1920年頃のアメリカ南部チャールストン、海岸沿いにある黒人たちの集落キャットフィシュ・ロー

「夏は暮らしも楽だよ、魚は飛び跳ね、綿も育っている。父さんは金持ち、母さんは美人、だから坊や、泣くのはおよしよ。ある朝お前は立ち上がって歌うだろう」 ・・・
 クララは赤ん坊をあやしながら有名な「サマータイム」を歌う。

 男達はサイコロ賭博に熱中している。そこにクラウンがベスを連れて現れる。

 クラウンは賭博に参加するが、負け始めるとトラブルを起こし仲間のロビンズを殺してしまう。ベスはクラウンに逃亡するようにいう。

 前からベスを想っていた足の不自由なポーギーにかくまわれ、やがて二人は恋仲になる。
そして、二重唱「ベス、お前は俺の女だ」を歌う。

 ベスは「俺には、何もない、何にもなくても満足さ」「おんなもいるし、歌もあるし、天国が守ってくれる」と歌う。

 キャットフィシュ・ローの人々のキティワー島へのキャンプ。ベスはポーギーの薦めで参加する。

「そうとは限らない」・・・「聖書に書いてあることがそのとお売りとは限らない」「羊飼いのダビデは少年だったが なんと!巨人のゴリアテと闘ってやっつけた」・・・・とスポーティン・ライフが歌う。

 ベスはこのキティワー島に隠れていたクラウンに出会ってしまう。2日後、島から戻ったベスは高熱を出し寝込んでしまった。

 ポーギーは献身的に彼女を看病する。1週間後、回復したベスはクラウンとのことを告白し、ポーギーへの愛を誓う。ポーギーはベスを許す。

 嵐の夜、クラウンがキティワー島から戻ってくる。
 漁師ジェイクの船が転覆し、夫を探しに行ったクララが行方不明となる。

 クラウンはポーギーの部屋に忍び込み、二人は命を奪い合うがポーギーがクラウンを殺す。しかし、ポーギーが警察に取り調べを受け一週間拘束されているうちに、ベスが゜麻薬密売人スポーティン・ライフの「幸せの粉(麻薬)」手にするようになり、ニューヨークに連れて行かれてしまう。

 「周りの人々に、ベスを探しに行くのは難しい」といわれながらもポーニーはニューヨークに向かう。

【感想】
 ガーシュインの音楽をより効果的にするために、このオペラではこれまで少なかったという「踊り」を積極的に取り入れている。ダンサーを登場させたのはもちろんのこと、歌手にも振り付けしている。その激しいダンスは黒人文化のルーツを見るようだ。
 また、カモメの鳴き声など海の雰囲気や嵐(ハリケーン)の空が荒れている様子を薄い幕を利用することによって表現し、イチゴ売り、ワタリガニ売りのかけ声、魚の解体など生々しく伝わってくる素晴らしい演出だ。

 また、アフリカ系歌手などMETの若い黒人歌手が合唱を含めて活躍し30年ぶりの新演出を支えた。