めいすいの写真日記

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ワーグナー作曲 楽劇「さまよえるオランダ人」

2021-06-26 | オペラ・バレエ

                                     WOWOW2021/6/12

 呪われたオランダ人船長を救う永遠の愛!。
 オランダ人船長が神を罵った罰で永遠に海をさまよい続けるという幽霊船伝説をもとに、
 ワーグナー自身が遭難しかかった体験を重ね合わせて書かれた、初期のオペラ。
 永遠に海をさまよう呪われたオランダ人船長を乙女ゼンタの愛が救う物語で、
 この「愛と自己犠牲による救済」は本作以降、ワーグナー作品に共通するテーマとなった。
 勇壮なオーケストラ、美しいアリアや重唱、「水夫の合唱」など、聴きどころにも富んだ作品である。
 F・ジラール演出はメトロボリタン歌劇場に合わせて作られた大規模で現代的なプロダクションである。

 クラシック音楽界の巨匠V・ゲルギエフが評価の高いワーグナー作品の指揮を執り、
 日本人で初めてライブビューイングに登場する藤村実穂子の深い歌声にも注目が集まった。

【演奏】メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮ワレリー・ゲルギエフ
【演出】フランソワ・ジラール
【出演】
エフゲニー・ニキティン・・・オランダ人
アニヤ・カンペ・・・ゼンタ 
藤村実穂子・・・マリー 
フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ・・・ダーラント
セルゲイ・スコロホドフ・・・エリック
デイヴィッド・ポルティッヨ・・・船の舵手
【上演】2020年3月10日、2時間28分、ドイツ語

ノルウェー船は嵐に遭い、自分の港になかなか戻れなかった。その間、赤い帆のオランダ船に出会う。

 ノルウェー船の帰航を待つ村娘達は糸紡ぎをしている。この演出では糸紡ぎ機が太いロープに変わっている。
 ただ、遠目に見るとこのロープは美しく舞台には映える。後の大きな目は本来はオランダ人の肖像画である。
これを象徴しているらしい。

 マリーを演じる藤村美穂子はたくさんの糸紡ぎ娘のまとめ役。

ゼンタの父親ダーラントはオランダ人船長との結婚を勧める。

 オランダ人船長は心からゼンタに救いを求め、結婚を望む。

 ゼンタはオランダ人船長に自らの手で救済したいという。

 三者三様の言い方ながら、ゼンタは真の愛によりオランダ人船長と結婚することになったと思えた。

 しかし、結婚式直前、エリックがゼンタに対するこれまでの愛を切々と述べ、オランダ人船長とゼンタの結婚に強く抵抗した。

このため、オランダ人船長はゼンタの救済したいという思いを諦めてこの地を去り、海に向かう。

 ゼンタもオランダ人船長を追い、海に身を投げる。オランダ人船長の地上での救いは得られなかった。
 しかし、永遠の呪いからは救われた? 空は燃え上がり,海の水があふれ出てくるが・・・。

【感想】「ゼンタのバラード」でオランダ人の宿命を知っていて,自分こそ彼を救う唯一の女性と歌う。
 またゼンタはオランダ人との「愛の二重唱」により誓いを破れば運命が襲いうことを知らされるが、「永遠の愛」を誓った。
  しかし、ストーリーが展開する中、エリックの想いが通じ、ゼンタの想いは通じたのかが分からなかった。
少なくともオランダ人船長とゼンタによる地上での救いは果たせなかったし、結婚式典も行われなかった。
 その点、このオペラの納得のいかない部分が残る。

(了)



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