コンサートのチケットを友人からいただき、久しぶりにクラシックの生演奏を
すみだトリフォニーホールで聴くことになりました。
曲目は、 シューマン作曲 序曲「メッシーナの花嫁」
メンデルスゾーン作曲「ヴァイオリン協奏曲」
ドビッシー作曲「牧人の午後への変奏曲」
スクリャービン作曲「法悦の詩」
マルティン・ジークハルト指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団。
最初の曲目の 序曲「メッシーナの花嫁」は、ピアノ曲、歌曲、交響曲ではないので
シューマンにこのような曲はあったのかなと思ってしまった私の知らない曲。
解説によれば、シチリア島のメッシーナという街で起った、王家の兄弟が生き別
れた美しい妹をそれと知らずに愛してしまい、弟が兄を殺して自殺するという悲劇。
これを序曲としてシューマンが音楽的なひらめきで表現したということです。
シューマンのオーケストレーションは、どことなく渋く感じられますが、悲劇を
描くということで、さらに情熱的で暗く、時に劇的に聞こえてきました。
2曲目のメンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲は竹沢恭子(Vn)さんの
演奏。女性なのでやわらかくロマンチックな演奏になるのかなと思っていましたが、
とても力強い演奏で、私の抱いていたイメージとちょっと異なりました。
アンコールで弾いた、バッハの無伴奏バイオリンソナタ・パルティータ第三番ガボット
は自信に満ちた素晴らしい演奏で、感動しました。
三曲目のドビッシー作曲「牧人の午後への前奏曲」は、CDや放送などで何度も聴いている曲
ですが、考えてみると生演奏は初めて、フルートを始めとする木管楽器やハープがとても
良い音で聞こえてくるので、ああやっぱり生演奏は良いものだと思いました。
演奏そのものも良かったと思います。
第4曲目は、スクリャービン作曲「法悦の歌」。曲名は聞いていましたが、演奏そのもの
を聴くのは初めて、ラフマニノフと同じ時代のロシアの作曲家ですが、近代音楽への道
を開いたとも言えそうなオーケストレーションの壮大な音楽です。
法悦とはエクスタシーのこと。「パンフレット」に「エクスタシーでもいかが」とあります。
ホルンやハープ、そしてオルガン、そしてトランペットの輝かしい響きと大音響で圧倒されます。
ただ、このプログラムを演奏する予定だったフランス生まれのルイ・ラングレという
指揮者が病気で急遽、この日の指揮者と交代していることを考えると、もう少し訴えの
ある演奏になったのではないかという気がしました。
それと、オルガン演奏付きなのでこのホールのオルガンは一体どのような音がするのか、
どの部分で演奏するのかとても気になりました。演奏されたのは、後半のわずかな部分で大音響
の演奏にかき消されオルガンの低音の響きが、わずかしか聞こえてこなかったのは残念でした。
以上、久しぶりのコンサートでしたが、有意義な時間を過ごすことが出来ました。