めいすいの写真日記

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映画「無法松の一生」

2021-10-10 | 映画

                                                                                                 2021/09/7 NHK BSシネマ

 "阪妻(バンツマ)"の愛称で親しまれた日本映画の大スター・板東妻三郎(1901-1953)
の代表作のひとつで、岩下俊作の小説「富島松五郎伝」の最初の映画化がとなった名作。
北九州・小倉を舞台に,無法松と呼ばれる人力車夫・松五郎の献身と純愛を描く。
 粗野だが人情味あふれる松五郎を演じる阪妻の名演技、撮影を手がけた宮川一夫の
繊細で大胆なカメラワーク、稲垣博監督の演出は圧巻で、日本映画史上に燦然と
輝く名作となっている。

 映像と音声を最新技術で修復した4Kデジタル修復版での放送。

【監督】 稲垣浩
【原作】 岩下俊作
【脚色】 伊丹万作
【撮影】 宮川一夫
【音楽】 西悟郎
【製作】 東宝、1943、白黒

【出演】
 富島松五郎・・・阪東妻三郎 (人力車夫)
 結城重蔵・・・月形龍之介 (土木請負 親分)
 吉岡小太郎・・・永田靖 (陸軍大尉)
 夫人よし子・・・園井恵子
 吉岡敏雄・・・川村禾門
 敏雄の少年時代・・澤村アキヲ(長門裕之)
   撃剣の先生(若松警察師範)・・・山口勇

 

明治から大正にかけての九州小倉を舞台にして,無鉄砲さのために
〈無法松〉と呼ばれた人力車夫松五郎(阪東妻三郎)が,ふとした縁で
知りあった軍人の未亡人とその息子に一生をささげる純愛・献身の物語で
ある。
人間の素朴な美しさや悲しさ以上に,極度に抑圧された恋愛を描いた小説で、
映画のシナリオは日本映画の名作の1本に数えられている。

松五郎が車を引いて帰る途中、価格交渉で回り道なので値段を高く告げると値下げしろと相手に言われ
断ると車に手をかけたので、松五郎が殴りかかると持っていた木剣で頭を割られる。相手が撃剣の若松警察師範であった。
木賃宿で3日間寝込んでいたが、喧嘩ぶりとその間に食べたうどんが16杯だったというのが武勇伝。

芝居小屋で車引きの法被を名刺代わりに、これまでのように顔パスで入ろうとするが木戸番に断れる。

 嫌がらせに、仲間と芝居小屋の枡席で、酒の肴として、ニンニクを炊事、周囲を困らせる。
 木戸番達が押し寄せてきて、大喧嘩になる。

 結城重蔵の仲裁で、観客に迷惑をかけたことを素直に謝ったので、「意気と侠気」があり、
「顔を立ててくれた」と結城には㝖ばれる。

 松五郎は堀に落ちて怪我をした少年・敏雄をを助け、陸軍大尉の吉岡小太郎邸に連れてくる。
さらには、よし子夫人の了解を得て、医者に連れて行く。ただ、お礼は固辞した。

 後日、吉岡小太郎大尉が「無法松」の噂を聞いて知っているとのことで、自宅で接待をする。
 松五郎は「謡い」を披露するなどし、気に入られる。
 しかし、大尉は雨天の演習で風邪を引き、急死する。


  吉岡小太郎の墓に手を合わせる松五郎。

  夫人のよし子は敏雄が気が弱いことを心配し、松五郎を頼りにする。松五郎は
「学問のない、車引き」が出来ることではないといいながらも、吉岡家に出入りするようになる。

 「福岡県立小倉工業学校 秋季大運動会」の棒倒し、松五郎はよし子夫人、敏雄の前で
 異様に大きな声で応援する。


 

運動会の会場で配られた号外、芳子夫人に読んで貰うと、飛び入りで500mの徒競走がある
ことが分かり、松五郎は参加し、一等賞となる。敏雄も我がことのように興奮する。
その姿を見て夫人もまた、敏雄の身に良いことが起きたと感銘する。


 節分豆まき、 風呂屋での水泳、など松五郎は、その時々に男らしさを表現し、夫人と敏雄に
献身的に尽くしていく。
 やがて敏雄は小倉中学の4年生になり、青島陥落を祝う提灯行列の日に他校の生徒と喧嘩(偽装?)
をすることになる。
 松五郎は敏雄が喧嘩をするような年になったかと喜び、危険を感じて逃げようとする敏雄の喧嘩に加勢する。
 一方、夫人はそのことを知っていてハラハラし神棚に祈り続ける。

 その後、敏雄は五高に入学、熊本に旅立つ。
 ボンボンと呼んで親しみを持って育ててきた敏雄との生活は疎遠になっていった。

 小倉祇園太鼓の日、夏休みのため敏雄が五高の先生を連れて帰省した。本場の祇園太鼓を聞きた
がっていた先生の案内役をしていた松五郎は、山車に乗って撥を取り太鼓を打つ。流れ打ち、勇み駒、
暴れ打ち。長い間、聞くことのできなかった本場の祇園太鼓を叩き、町中にその音が響いた。
これが、松五郎の最後の晴れ姿となった。

  その後、松五郎は夫人に対する思慕を打ち明けることもできず、彼女のもとを去り、酒も飲まずに
精神的に尽くしてきた日々が終わりとなり、雪降る日に倒れる。
  遺品の中には、夫人と敏雄名義の預金通帳と、吉岡家からもらった祝儀が手を付けずに残してあった。
これらが夫人の前で披露された後、結城重蔵の「珍しく気っぷの良い男だったな」
との一言があった。

 【感想】大分古い映画で、表現方法が現在とは異なる面があるが、松五郎の軍人の未亡人
  への献身と純愛は、他には例が無く灌漑深く、胸を打つ。

  また、よし子夫人役の園井恵子が広島の原爆で落命したのは悲しく、残念なことである。



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