マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小路八幡神社廃れていた鬼打ち

2007年02月22日 09時40分55秒 | 楽しみにしておこうっと
天理市小路町の八幡神社の周りを囲むように環濠が残されている。

町の東部で大雨が降ると洪水のように環濠が溢れてしまう。

年に3回はそのようなことがあるという。

同神社は昨年の造宮で拝殿が綺麗になっている。

以前に訪問したときは鬱蒼としていた鎮守の森が開けている。

地区の4番目の長老(87歳)にお聞きすると若衆らが伐採したという。

長老は惨事が起きやしないかと心配しているそうだ。

昭和の終わりまで行われていた「鬼打ち」祭事。

一番の長老が鬼的目掛けて弓を引き矢を射る。

階段を登るには足元が危ないことや、行事が面倒になってきたと若衆らがいうようになって現在は行われていない。

鬼的は竹で編んだものに和紙を貼って「鬼」を墨書する。

フジの木の弦や竹矢がなくなってきたというのも廃れた原因であろうか。

秋祭りは子供御輿がでるがお供え物はない。

地区の子供は現在5人。

とても運営するのが難しいとおっしゃる。

(H19.1.13 V603SH撮影)

山添春日のダンゴ

2007年02月22日 09時38分40秒 | 大和の郷土料理
祭事や祝い日に使われるモチ。

山添村春日のⅠさん宅では普段から保存食としても食されるモチのひとつにコメとモチゴメを配合して作られた「ダンゴ」と呼ばれるモチがあります。

食べてけやとご主人が火鉢で焼いてくださった。

醤油を付けてるとおコゲが香ばしい。

パリパリとしているが中はほかほかで美味しいダンゴです。

(H19. 1. 3 Kiss Digtal N撮影)

山添春日祝い膳御供コウジミカン

2007年02月22日 09時36分53秒 | 山添村へ
正月を迎える民間行事には今でも風情を残しているものがあります。

山添村の春日のⅠさん宅では氏神さんの春日神社へ元日1時ころにお参りします。

同神社でご神火をもらって家の神棚や炊事場に灯明をつけ祝い膳を供えて新年を迎えます。

この膳にはヒシモチの回りにマルモチ4コ置いて、周囲にクリ、トコロイモ、カキと「コウジ」と呼ばれる小ぶりのミカンを添えます。

家族の人数分の膳を作り一列に並べて正月を祝います。

今日はそのときに添えられたコウジミカンをよばれました。

小さいながらも甘いミカン。

種は大きく数多い。

口で吸うように蜜をいただきます。

コウジミカンは同神社で祭事される「申祭り」にも供えられるもので、天理の上仁興の七草元座講祭でも使われています。

(H19. 1. 3 Kiss Digtal N撮影)

山添春日キョウワウチ

2007年02月22日 09時34分08秒 | 山添村へ
昨年末に教えていただいた山添村春日の山の神の地を探してみた。

春日神社の鳥居南側をふと見上げると山の上に古い鳥居が見つかった。

急坂を登りきると一人の女性が参拝されている。

祭事のお話を伺うとウチにあがってけやと誘われいろんな祭りごとを教えていただく。

ひとつは10月第三日曜の前日に若宮神社で行われる親祭り、大人祭りと呼ばれるトーヤの神事。

早朝、トーヤ宅では神饌を作っていく。

ナスビなど野菜6点で亀の姿に形作る。

上には茅を挿して鶴。

50軒に配られる膳組みは生イワシ、トウフ、コンニャク、ショウガにコイモ汁を添える。

午後4時、準備を終えたトーヤ衆は神社へ出向き秋の収穫を終えたことを報告する。

そしてトーヤ宅に戻るとキョウワウチと呼ばれる祭事が始まる。

硬めに炊いたご飯を新品のゴザの上に載せてヒザでこねこね。

一升ずつ作りコモ藁に広げて古くから引き継がれている箕で煽ぎ冷ます。

冷ましたご飯は茶碗に盛り重箱に納めるのだが、「早よオケ入れよ」と周囲が囃したてるなか茶碗飯を桶に向けて放り投げる。

このオケはキョウオケといわれるもので神さんから供されたという。

キョウワウチとは「饗御膳」を意味するものと思われ、箕で煽ぐ所作が団扇で煽ぐに似ているからと推定するのだが果たしてどうでしょう。

トーヤ神事は全ての御膳が揃うと始まるといい、その際には古くから伝わる宮座の難しい言葉で淡々と口上されるという。

翌日9時ころ、当家宅を出幸した一行はキョウオケを担ぎ春日若宮神社に参拝される

丸一日費やすのキョウウチワ祭事日は是非行ってみたいものだ。

(H19. 1. 3 Kiss Digtal N撮影)