マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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野遊び⑧in矢田丘陵p2

2012年01月02日 08時29分34秒 | 自然観察会
公園を出て矢田丘陵に向かう。

秋の空が清々しく爽やかな風を感じる。

日ごろのストレスもどこかへ飛んでいってしまいそうだ。

向う先は滝寺。

その道中でも見つかった花などを観察していく。



毛があるノコンギク。



意外と知られていないフユノハナワラビがこの年もあった。



ツリガネニンジンは澄み切った青空にコンニチワと頭を下げている。



お気に入りのアキノキリンソウ。

ピント合わせが難しい。

ここら辺りの田園は特に美しい。

田植えどきや稲穂が実ったころも素敵だが、稲刈りを終えた後も気に入っている。



なにげない風景だが稲藁を積み上げたスズキに存在感を見出す。



今年も咲いていたリンドウ。

かつてはたくさんのリンドウが自生していたが近年は少なくなっている。

リンドウが咲いているということは草刈りが丹念にされている証しだ。

そういう場所だけに大切にしたい田園である。

ここからは山道を登っていく。



リンドウではなく林道である。

そこから清流を跨いで急な山道を行けばようやく滝寺廃寺跡。



白鳳時代の摩崖仏がある。

昭和54年に指定された奈良県の登録史跡である。

かつては本堂や釣り鐘堂、金堂があったとされるが面影は見られない。

滝寺でひと休憩したあとは、「矢田山遊びの森」を目指す。

森の名はかつて「子供の森」だった。

このほうが判りやすく名称が変わってもついつい口にしてしまう。



その道中にあったクチベニタケ。

唇のように見えるキノコだが、その姿は口紅よりも血吸う唇に見えたのは私だけかも・・・。



樹木の木肌が面白い。

コクルの代用にされたアベマキの木肌だ。

見た目もそうだが、使っていたのは戦時中の一時期。

コルクの層が厚いので椎茸のホダ木には適さない。



赤い実のヒヨドリジョウゴは美しいが食べられない。

葉っぱから実が付いている付近を見れば判るがナス科のつる性植物だ。

ソヨゴ(フクラシの異名?)はその名のとおり葉が風にそよそよなびいている。

れっきとした常緑樹木である。

赤い実(白い花)をついばむ野鳥も多い。



花がハギに似ているひっつきむしの一つに挙げられるヌスビトハギの実は大体二つ。

その実の形が忍び足に似ていることから名がついたというが・・・。

忍び足の形ってどんなの。

二足あるように見えるからそう言ったのか。

うーむ。



ウメモドキの実が乱立している・・ように見える。

それほど多いというわけだ。

これも野鳥が好のむ実だ。

そんな秋の実を観察して辿りついたのが「矢田山遊びの森」。

この日はいつもより少し遅くなった昼食タイム。



風もなく池面は鏡のように映し出す。



これがヌマスギ。

にょきにょきと飛び出ている木の根は呼吸根。

いわゆる気根をもつ特徴ある木である。

昼食を済ませてからは東明寺を目指す。



色が奇麗に見られなかったヤブムラサキ。



ツチグリを指でチョンチョンと叩けば胞子が飛び出す。

林道際で見かけるキノコだ。

外皮の星が開くようになるまでは球形だ。

そんな仕方のも観察方法の一部。

そうして辿りついたのが東明寺。



鬱蒼とした山林の向こうに紅い景色が見えてくる。

ここでちょっとひと休み。

麓からでも見えるお寺の紅葉はとても美しい。



真っ赤に染まった東明寺本堂廊下にはたくさんの座布団が並べられていた。

そこには住職がおられた。

明日の大般若経転読法要に供えて参拝される方々が座る座布団を干しておられたのだ。

明日の法要には是非来ていただきたいとありがたい言葉をかけられて本堂を後にする。

階段を下れば駐車場。

そこにはたくさんのカヤの実が落ちていた。



その実は食べられると聞いているがどうやって。

カヤの実を食べる行事に山添村の津越のヤッコメがある。

「ヤッコメ(焼きコメ)くらんせ ヤドガメはなそ」といって各戸を巡って子供たちが食べられるものを貰いに行った。

現在はお菓子であるが、かつては煎ったラッカセイ、ソラマメ、ナンバキビのトウモロコシに移っていった。

60歳以上の男性はカヤの実とか四角いモチを干したキリコだったと話す。

春を迎える子供の行事は成長を願う地区の祝賀だったそうだがカヤの実をどのような方法で食べたのか聞かずじまいだった。

また、奈良市山町で行われている当家祭で供えられる御供に桶入り神饌(御膳またはキョウとも呼ぶ)がある。

それを担ぐのは呉服姿の小学生女児たちが扮するゴクカツギだ。

桶に入れられた三種の里の幸。

細かな枝を束ねたものを土台に、梨、茄子、蜜柑を挿す。

もう一方の三種は白い紙で巻かれた筒のような形の中に納める棗、栗、栢(カヤ)の実であった。

いずれもカワラケに盛る。

棗や栢(カヤ)の実は家で成ったものを使っていたが、その木も枯れたりして集めるのに苦労していると話していた

そんなことを思い出しながら東明寺を下って行った。

またもやヤブムラサキだが、実が少ない。後方の山側からはヒンヒンとカネタタキが鳴いている。

オオタカが上空を舞っている。

どんどん上昇してしまって視界から消えた。



大空には飛行機の航線が遠目に見える。



熟したビナンカズラの塊があった。

美味しそうに見えるが食べられない。



カラスウリの実。

何年か前の夏の夜の観察会でこの花を見たことがある。

花弁の縁が長い糸がレース状に広がる美しい姿に感動したものだ。

カラスウリの実は緑色から黄色へ。

そして熟して赤色に変化する。

口にすれば最初は甘いが、その後に吐き出してしまうくらいとてつもない苦味がでるそうだ。

だが、スズメウリは食べられる。

ほんの少しだが甘みがあるが種がいっぱいだった帰り路。



ここにもあったリンドウ。

おまけのリンドウに感動する。

(H23.11.26 EOS40D撮影)


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