JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

クラシックをなめちゃあかんぜ LE CINEMA / GIDON KREMER

2011-12-01 22:50:52 | 聞いてますCDおすすめ



オクサンがバイオリン好きだからつい迎合してアルバムを買うことが多いけれど、クラシックの演奏者、ギドン・クレーメルがピアソラの作品を演奏しものは、流石と唸る演奏でした。

流石クラシック

そうしたら、中古屋さんで今度は700円で、映画音楽を集めたもの、それもピアソラの名前があったので買いました。
バイオリンの演奏で映画音楽を楽しみましょうという目論見です。

ところが  クラシックをなめちゃあかんぜ  最初に謝ってしまいます。

最初車で聞き始めると、進むにつれて重たい感じや、大袈裟、暗いでこれはいかん、軽く見すぎた。それでもそれはこちらの問題、ちょっと修整して聞きなおします。
修整というのは、どうも合わないとおもう1曲を飛ばして聴いてみました。

1曲目、忍び寄るようにゆっくりと、お馴染みのテーマは甘くなく一本筋の通った感じで、凛としてこちらが本筋ではと思ってしまいます。
2曲目はニーノ・ロータの“センチメンタルな悪魔”という曲で激しいクラシカルなバイオリンと力強いピアノ、このピアノJAZZみたいです。
3曲目がソビエト映画での曲で“ファンタジー”ちょっと時代がかって、パリのオペラ舞台のような、私この感じ苦手で、でこの曲を飛ばしました。
4曲目がピアソラで、映画「エンリコ4世」の“何年も前に”という曲。慈しむようなゆったりしたメロディから、映画のストーリーの悲喜こもごもが見えるような曲、きちんとピアソラらしさも表現されたすばらしい演奏です。
5曲目はアンドレイ・タルコフスキーの映画「ノスタルジー」にたいして作った武光撤の曲、この2人、私の若い頃には一流ブランドで、武光きいてるか、タルコフスキー見ているか、きちんと通過しなければいけない道でした。
アンドレ・タルコフスキーがノスタルジアについて、語るのです。
「私はこの映画に一貫して流れている、陰気で逃げ場が道のない葬儀のような状態を作る気になった。」
曲はまさしく武光撤です。
6曲目が“アブシャロムの死”と“タンゴ”映画「日没」からで(知らない)、悲哀のあるノスタルジックなメロディに始まって、そのあと“タンゴ”ピアノの強いバッキングにスパニシュなメロディがこれはかっこいい。
7曲目は「馬あぶ」という映画のショスタコービッチの“ロマンス”という、優雅にクラシカルな曲です。
8曲目「チャップリンと伯爵」に用いられた“屋根の上の牡牛”、ハーモニックなバイオリンはピアノと二重奏とはとても思えない、16分にわたって弾きだおし、なぜ演奏が終わったときに「ブラボー」と声を入れなかったのかと思います。
最期10曲目は激しさと哀愁の二つの面をもつニーノ・ロータの美曲でした。映画は「愛のない愛人たち」

知らない映画ばかりで、これホロコーストを生き残った父親も持つ、ドイツ系ユダヤ人、ギドン・クレーメルの強い生き方から選ばれた、なめちゃあかんぜな曲たちでした。

LE CINEMA / GIDON KREMER

Gidon Kremer (violin)
Oleg Maisenberg (piano)
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin

1. Le Cinema: Modern Times: Smile
2. Improvviso (Un Diavolo Sentimentale)
3. Circus: Fantasy
4. Enrico IV: Tanti anni prima
5. Nostalghia (In Memory Of Andrey Tarkovsky)
6. Sakat (Sunset): Absalom's Death And Tango
7. Ovad (The Gadfly): Romance
8. Le boeuf sur le toit (Cinema-Fantaisie)
9. Rag-Gidon-Time
10. Amanti senza Amore: Improvviso in re minore

コメント (2)
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