
中古屋さんで出会うと拾っているピアニストではフレッド・ハーシュやユリ・ケインが居ましたが、ひと段落付いた感じです。
最近は手にとってどうしようかと必ず考える人はエリック・リードとゲフリー・キーザーになってきて、でたいてい買ってしまいます。
エリック・リードは1970年、フィアデルフィアの生まれだけれど、マンハッタンがとても似合っている思う人です。最近のアルバムも、まじめなとても心のこもったアルバムになっていますが、こちらのアルバムは1990年二十歳のときのアルバムでリイシューされたもの、見たことないジャケで買ってみたらデヴュー作でした。
ジャケにアート・ブレーキーに捧ぐとありますが、共演はないのですが、ブレーキーを良く聴いて育ったということでしょうか。
録音されたのが、1990年の11月7日、実はその前の月、10月16日にブレーキーは亡くなっているのでした。ですから録音が決まっているところに急遽変更が加わったのではないのでしょうか。
収録10曲中2曲がトラッドでリードの編曲、6曲がリードのオリジナル、ブレーキーと関係するのは3曲目の“Soft Winds”ぐらいで、曲というより演奏でブレーキーを偲んでいる感じです。
1曲目、ちょっとベタなドラムスのリズム出始めるあたりがブレーキーに捧げてアレンジしているのでしょう。エキゾチックなテーマはエリックのオリジナル、ピアノのフレーズがとても若々しいのが楽しい。
2曲目、モンクを思わせるフレージングは後にモンクの曲を弾いたアルバムを作ったことでうなずけます。
3曲目、B・グッドマンの“Soft Winds ”、ベースはNYの黒っぽい感じ、ドラムス、こちらは手数が結構多い。
4曲目はリードの美しいバラッド、その後もHopeをキーワードに美しい曲を書いていくのです。
5曲目、ブルース・マーチのリズムから、モーニンをちょっともじったテーマ、ベースからドラムスへのソロ廻し、これもブレーキーを意識してでしょうか。
8曲目、リードの疾走感があるプレーが垣間見える演奏です。
9曲目はスタンダード、タッチもモンクの影響が多く出て、これから今年のアルバム“Something Beautiful”につながっていくのでしょう。
現在にくらべてリードのタッチはまだ硬質で粗いところがありますが、その後の変化はとても良い精神にかこまれて演奏していたような変化です。
で題がおもいうかんだのですが、それは連想、この秋のアメリカの田舎を思い出したのです。
行った田舎町はリンゴが沢山取れて、そこでのんだリンゴ・ジュースのおいしかったこと。
キャンパスで飲んだものはちょっとシナモンでも入れたのではという独特の香りがしましたし、大きなスーパーで買った物も、濃い色のフレッシュな記憶がのこっています。
もう一度味わいたいものの一番がこのリンゴ・ジュースです。
ということで、アメリアでとても良く育っているのが判る、リンゴの若木を見たアルバムでした。
SOLDER'S HYMN / ERIC REED
ERIC REED (p)
DWAYNE BURNO (b)
GREGORY HUTCHINSON (ds)
1. Soldier's Hymn
2. The Greatest Thing In All My Life
3. Soft Winds
4. Things Hoped For
5. Coup De Cone
6. Walk With Me
7. Bee's Knees
8. Miss Inferno
9. I Didn't Know What Time It Was / Sweet Lorraine / Mood Indigo
10. Soldier's Hymn (2nd Version)