ショップでは、視力が落ちて細かい字は見えないから、さっとジャケを観て廻る。日本のミュージシャンのところは今回は辛島文雄さんの遺作をどうしようかなと手にとった。普段は何も知らないのは手に取らないけれど、たまたま横に在ったのがこれで手に取った。それで誰がピアノ弾いてるのかなとみればハクエイ、ああ又驚かされた。
ハクエイはとても律儀なミュージシャンで、昔、演ったコヤにいまだにでている。桐生のビレッジや厚木のキャビン、小岩のCochiなんかでこのアルバムの柏のキャンディもその一つです。
家からはとおいのでキャンディは行ったことはないのだけれど、そこでこのドラマーMasa Oguraさんと知り合ったのでしょう、彼のグループとしてカルテットに参加、こんどのアルバムとなったようです。なんと57才にしてファースト・アルバムだそうです。
M1、M2とアンコールの3曲、1曲目はなんと41分いじょう、ちょうど1ステージなのでしょう。
「何も決めないのが決まり」という「その場作曲による即興」というのがこのカルテット。だから41分移ろいながら変化していく演奏です。全即興だから、分けをすればフリー・ジャズだろうけれど、昔みたいにフリーキーに叫び続けるなんてのではなくて、1曲目だってハクエイの静かなソロからのスタートです。その場作曲の演奏はその時に在り、その後はきえているから、このアルバムは2017年6月7日そのときの記録で、キースみたいにたくさん録音して良いものを選ぶというやりかたでなくて、この日だけの記録なのでしょう。だから比較のしようもないけれど、これがかなり濃密なインタープレーになっている。
もちろん聞く人は限られるのだろうけど、逆にどれくらい売れるかが気にかかる。半年先ぐらいにハクエイに聞いてみよう。
M / Magneti Quartet
Masa Ogura (d)
ハクエイ キム (p)
安カ川大樹 (b)
池田篤 (as, ts, ss)
Recorded on 7th June 2017 at Jazz Spot Candy
1. M1 41:30
2. M2 26:09
3. Encore 5:46