昔好きだったボブ・リー・スワガー・シリーズの作者、スティーヴン・ハンターはずっと出し続けているけれど、ほぼ離れている。ハンターのデヴュー作だということで「マスター・スナイパー」は当時の興奮がよみがえるかと買ってみた。なんとか面白くならないかと読んできたけれど、敵味方、どちらも魅力的でない。これも時代かとうなっていると、ジェフリーディーヴァーのリンカーン・ライム・シリーズの新作がでていたので、あっさり悩むのをやめてこっちに乗り換えた。
まだ出だしだけれど、現代(ハンターはドイツの敗戦間際だった)に戻って急に快調になった。ライム・シリーズを読むときの必須で、細かいところも落とさないようにしながら、でもだんだんとスピードが出てしまう。
今回も出だしから抹消(ファンなら解る)が登場するけれど(これも注意しないと)名前も“コンポーザー”と名づけられる音作り関係のよう。
だから殺人に使われる道具もチェロの弦、こんな感じです。
誘拐事件の発生を愚弄を込めて宣言する首吊り縄は、チェロの弦で作られている。いま男の首にかかっているものは、長さを稼ぐために、長い弦を二本結び合わせて作った。
それも調弦の難しいガット弦(調弦は関係ないけれどね)装丁のデザインにもチェロがえがかれているので、これはもう今回シリーズは特に入れ込む。がんばれ“コンポーザー”という気がしないでもない。
「ブラック・スクリーム」文中「漆黒の絶叫」と訳されてタイトルになっているけれど、原作は「Burial Hour」となっていて「葬儀の時刻」となるのだろうか。たぶんキーワードでたびたび出てくるからだろうけれど、原題のほうが微妙に怖いような気がする。
さてここでおいといて、あとは読み終わって。
で読み終わりました。ディーヴァーの場合、ネタバレはほんのわずかでも大問題になるので、一切ふれられないけれど、アレアレと思って読んでいると、そんな仕掛けだったのか。ということで最後はおめでたくということでした。
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