Gyro Sensor
日本ではジャイロセンサーと呼ばれますが、海外では Gyroscope の方が一般的だと聞きました。(本当かどうかは知りませんが・・・)
元々は、ロケットや飛行機、船舶の自動航法用・・・現代ではカーナビにも普通に組み込まれている一般的なセンサーになりましたねぇ。
ロボカップジュニアのロボットでは、ロボットが向いている方向を検知するためには、通常コンパスセンサーを使います。これで、ロボットが北を向いているのか、南西に進んでいるのかがわかります。
しかし、コンパスセンサーは、磁気の影響を受けやすいので、モーターや電池、コントローラから離れた場所に設置しなければなりません。 普通は、ロボットの中央に高い塔を建てて、その一番上にコンパスセンサーを設置します。 そのため、ロボットの全高が高くなり、重心が高くなります。
さらに・・・ロボカップの競技は、技術系の学校であったり、大きなイベント会場で実施することが多く、会場内での磁気状況が良くありません。 そうすると・・・折角搭載したコンパスセンサーが役に立ちません。
(ある場所では、役に立つ・・・でも、少し進むと役に立たない・・・など、もう、わやくちゃ!?)
M&Yのロボットにも、2010年~2011年には、コンパスセンサーを搭載していたのですが・・・肝心の会場で役に立ったためしがありません。
さらに、2010年のシンガポール世界大会の会場でコンパスセンサーを胸ポケットに入れていて紛失する、という体たらく・・・
長い前置きがやっと終りました。(笑)
そこで、ジャイロセンサーの登場です。
ジャイロセンサーはロボットが向いている方位はわかりませんが、何度回転したかがわかります。 だから、最初に北に向いていることが判れば、それ以降は、回転した角度を記録することによって、論理的には現在ロボットが向いている方位がわかるというものです。
論理的には・・・というのは、センサーの値に誤差が蓄積されてくるので、段々とズレてしまうからです・・・
上の文章では、「何度回転したかがわかる」と表現しましたが、正確には「角速度がわかる」です。
角速度・・・これは一体なんでしょう?
角、速度・・・これらは判ります。
角:三角形の1つの角、2つの直線で出来た角、鋭角、鈍角・・・
速度:速さ、スピード、歩く速さ、自動車の速度・・・
じゃあ、角速度って何?
角速度とは回転する速さです。
例えば
1秒間で1回転すると 1回転/秒
1秒間で300回転すると 300回転/秒
角速度が判れば、ロボットはどれくらいの速さで回転しているのかがわかります。
角速度が0なら、回転していない・・・
でも・・・知りたいのは、「回転している速度」ではなく「回転した角度」ですよね。
そうです、角速度が判っても意味ありません。 回転した角度を知りたいのです。
じゃあ、どうやって角度を知ることが出来るのでしょうか・・・
ここで役に立つのが、積分です。
高校の数学で出てくる微分や積分が・・・初めて、実社会で使われるときがきました。(笑)
点が動いています。
この動く点が一定時間に進む距離が速度
一定時間の速度の変化が加速度
進んだ距離を微分したものが、速度
速度を微分したものが、加速度
逆に
加速度を積分したものが、速度
速度を積分したものが、進んだ距離
となります。
高校の数学を知っている人なら、微分は傾き、積分は面積と覚えているかもしれません。
で・・・
これと同様に
角速度を積分したものが、回転角
となります。
あ~、長くなったので、今回はこれで・・・全然NXTネタになっていない。(笑)