二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

半藤一利さんを追悼する

2022年09月08日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
   (「別冊太陽」表紙 平凡社 2021年刊) ウィキペディアを参照すると、 《半藤 一利(はんどう かずとし、1930年〈昭和5年〉5月21日 - 2021年〈令和3年〉1月12日)は、日本のジャーナリスト、戦史研究家、作家。近現代史、特に昭和史に関し人物論・史論を、対談・座談も含め多く刊行している。》 かなりのボリュームがある記事の冒頭はこのようにはじまっている。 ああそうだった。 . . . 本文を読む
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愉しみ無限大 ~イザベラ・バード「日本奥地紀行」を再読する

2022年08月07日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
はじめにごく私的な話をさせていただくと、平凡社ライブラリー版で読んだイザベラ・バードの「日本奥地紀行」こそ、わたしの紀行文学好きを決定づけた書物でありまする(´ω`*) 読んでから12年が経過し、記憶がうすれてきたので、半年ほど前から、再読をかんがえていた。 村上春樹の紀行文学を読み、司馬さんの「街道をゆく」を読む。 そういった作業のはじまりに、イザベラ・バードの「日本奥地紀行」があるのであります . . . 本文を読む
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思いの丈を刻みこむということ  ~司馬遼太郎「北海道の諸道」のフィナーレ

2022年07月24日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
■「北海道の諸道」街道をゆく15 朝日文庫 2008年刊(原本は1979年「週刊朝日」連載) 途中で何週間か中断してしまった。すでに書いたように、中里恒子「時雨の記」という、映画および原作を読んで、頭の一部が地殻変動を起こした。 短いもの(20枚程度の短編のような)は読めたのだが、持続力を必要とする長いものはだめ。 心のある部分が浸水してしまい、その水がなかなか引いてくれなかった・・・とでもいっ . . . 本文を読む
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若いころ読んだ本を読み返す ~司馬さんの「街道をゆく」第1巻

2022年07月03日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
■「湖西のみち、甲州街道、長州路ほか」(「街道をゆく」第1巻朝日文庫2008年版 本編のオリジナルというべき単行本は1971年に刊行されている。 「街道をゆく」はロングセラーなので、改版や新装版と銘打ったさまざまな版が存在する。 わたしは単行本(ハードカバー)をはじめ、この第1巻は数種の版が手許にある。 Topに掲げた文庫が最新版かと思っていたが、そうではないことに、半分ほど読んだところで気 . . . 本文を読む
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紀行文学における「街道をゆく」の位置 ~「甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち ほか」を読みながら

2022年06月29日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
■「甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち ほか」街道をゆく(朝日文庫)第7巻 「週刊朝日」連載1973年1974年1975年 「街道をゆく」を読みながら気になってきた本がある。 それは沢木耕太郎「深夜特急」である。 過去(40代の後半)に読みかけたことがあったけど、あえなく挫折。 沢木さんはノンフィクション作家、エッセイスト、小説家、写真家と、いろいろな横顔を持っておられる。 中でも「深夜特急」(mi . . . 本文を読む
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司馬さんと歩く世界のへり ~「壱岐・対馬の道」を読む

2022年06月28日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
■「壱岐・対馬の道」街道をゆく(朝日文庫) 第13巻 「週刊朝日」連載1978年 本編も司馬さんらしい観察眼が随所にただよっている。 なぜ「壱岐・対馬」へ出かけたのかが興味の焦点であった。司馬さんという人は、若いころから文明の“へり”(縁)に強く惹かれている。 だから大阪外語でモンゴル語を選択したのだ。 辺境ではないが、辺境に近い“へり”の地域が持っている、文化的な累積地層を眺め、虫眼鏡で観察す . . . 本文を読む
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新しい旅のかたち ~司馬遼太郎の「街道をゆく」第11巻、第14巻を読む

2022年06月17日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
中途半端に土地があるから、この時期になると厄介である。 ・草を刈る(草刈り機が3台ある) ・除草剤を散布する ・草を毟る 時間もかかるが、費用だってばかにならない。わたしは農業をしていないので、すべてムダな労力・ムダな出費である。 今日は草刈り機で桑の木を伐っていて、あっというまに右手薬指を傷つけてしまった。 長さ約10㎜、深さ約2㎜。シャワーを浴びたあと、傷口を洗い、アルコール消毒(ノω`* . . . 本文を読む
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こんなに面白い紀行文学があったのだ! ~司馬遼太郎「叡山の諸道」に感動

2022年06月12日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
前回のレビューで少し書いたのでパスしようとかんがえていた。 しかし・・・しかしわたし的に面白すぎたので、簡単に感想を綴っておく気になった。 司馬遼太郎は私小説はまったく書かなかったが、己を露出しないのではない。 本編には、ためらったり、あせったり、気をもんだり、ひとをからかったりからかわれたり、そばに舌鼓を打ったり、書物の山を探索したり、インタビューしたり、バスに揺られたり、ベッドに横たわって叡山 . . . 本文を読む
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司馬遼太郎「街道をゆく」を満喫する ~「越前の諸道」と「叡山の諸道」をめぐって

2022年06月09日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
   (「越前の諸道」と「叡山の諸道」朝日文庫 現行版) ■「越前の諸道」新装版第一刷 1980~81年 「週刊朝日」連載 司馬遼太郎にはまりかけている、いまさらながら。 買うだけ買って手許にありながら、読めていない、読んでいない本がたくさんあるからだ。 しかも、さらに買ったり、平積みした蔵書を漁ったりしている(´ω`*) こういう現象を何といったらいいのか!? まあ、定年退職したら司馬 . . . 本文を読む
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そこから滴る精神のようなもの ~司馬遼太郎「街道をゆく」の周辺をうろつく

2022年06月04日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
   (目で見る日本史『「翔ぶが如く」と西郷隆盛』文春文庫ビジュアル版 1989年刊) 昨夜遅く『「翔ぶが如く」と西郷隆盛』に収録された司馬さんのエッセイ「南方古俗と西郷の乱」を、ベッドの上で読んでいた。 《西郷という人は、高士であるにちがいない。 とくにかれは維新後、そうなった。高士とは儒教的済民意識と道教的な退隠哲学を混淆させ、蒸留させ、そこから滴ってくる精神のようなもので、中国人には . . . 本文を読む
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